再委託のリスク

2007/8/24作成

自分自身が受託という下請け業者で、実際のところ再委託で仕事を請けていることも多いので自己矛盾している点もあるんですが、とりあえず私はリスクが怖くて自分が請けた仕事を再委託することは今のところやっていません。

世間的には再委託はメリットの大きい方法だと言われていると思います。とある仕事を受託して、マネジメントフィーを抜いて下請けに再委託するわけです。言葉悪く言えば丸投げですね。自分はせいぜい打ち合わせに同席するくらいで利益を得られるわけですからおいしいですね。丸投げと言うと悪いことのようにも思われますが、別に悪いことではありません。マネジメントはしているわけですし仕事を取ってくるのも立派な仕事です。業種や業務によっては再委託が禁止される場合もありますが、一般には禁止されているわけではありません。マネジメントを専門にやっている会社だっていっぱいあります。

こんなおいしい再委託ですが、なぜ私はそれをしないのか。ひとつはマネジメントと言っても結構手間が掛かるということ。マネジメントだけを専門にやっているのならそれで構わないでしょうが、普段は別の仕事をしていてその案件のマネジメントだけを割り込みで処理しなければならないのは結構大変です。

そしてこれは最大の理由ですが、再委託した先の業者が万一しくじった場合、その責任は全部元請である自分が負わなければならないことです。もちろん再委託先の業者には報酬は払う必要はありませんから資金はあるのですが、それを代わりに自分でこなせるとは限りません。第一、自分で代わりにできるんだったら最初から再委託しませんし。キャパの問題かスキルの問題で自分ではこなせないから再委託しているわけですよね。理屈の上では自分が負った損害を再委託先に請求することも出来ますが、そもそも支払ってもらえるだけの資力があるとも限りませんし、取り立てるための自分のコストも大きなものになります。

結局、再委託するということは他人の責任も自分で負わなければならないことになるわけです。そんな責任は負いきれないということで、私は再委託をやっていません。

仕事の依頼を請けた時に、うちではこなせなくて他社を紹介したら「間に入ってよ」と頼まれることもあります。クライアントとしては初めての取引相手で不安ということもあるでしょうしね。でも、上の理由で私は間に入ることは全て断っています。申し訳ないですけれど。

再委託が禁止される理由という記事を書きましたので、「再委託 禁止 理由」の検索経由で来られた方はそちらもどうぞ。

(追記)

上記では全部委託のことだけを書いていますが、当然ながら一部委託もあります。その場合でも骨子は変わらないと思います。