障害者ってなんだろう

2022/3/12作成

これは私のオリジナルの考え方ってわけではなくて、今までいろいろ見聞きしてきたなかで、こういうことかなという自分なりの現時点でのまとめです。

障害者ってのは、ある特質が標準から外れていることと、その外れた特質が社会で必要度が高いことの二つが重なった状態の事かなというのが、今の私の理解です。

例として、身長で考えてみます。今の日本人成人の平均身長は男性で170cm、女性で160cmくらいだったと思います。とりあえず例なんで数値の厳密さは横に置いてきます。

全員が同じ身長ってことはなくて、背の高い人も低い人も居ます。おおよそプラスマイナス10cmくらいの範囲に大多数の人が入るでしょう。男性なら160cmから180cm、女性なら150cmから170cmくらいですね。この範囲を外れる人も当然居ます。でも人数としては少数派です。

社会の様々な仕組みは大多数を占める人に合わせて作られます。身長に関して言うと、家具や建具の大きさですね。背が低い人は高いところの物が取りにくいですし、背の高い人は頭をぶつけたりします。この場合、背の高い人と低い人が、一種の障害者なのではないかと思います。実際には多少の背の高さの違いではそこまで致命的に社会で生き辛くないので障害者とは呼ばれませんけどね。身長が100cmないとか、250cmくらいあるとかになるとさすがにかなり生き辛くて障害者と言えるかもしれませんが。

ここでポイントは二つです。一つは、障害となる要素って有るか無いかのゼロイチではなく、無限のグラデーションがあるということ。もう一つは、その要素が社会で生き辛さを生み出しているかどうかです。身長は実際にはそれほど生き辛さを生み出していないので、高身長も低身長も障害にはなっていません。でも別の社会では障害になるかもしれません。

障害と才能の境界はどこにあるのかで乙武さんを例に挙げました。乙武さんは両手両足が無い障害者でして、現実社会では様々不便があると思います。でもネット社会では両手両足の有無は問題にならないので障害者ではないとも言える。結局、その特質を障害であると決めるかどうかって社会が決めてるんですよね。手足が無いことが障害になるのは、現在の社会が手足を使って何かをすることを前提にデザインされているからです。肉体的な特質で言えば、先天的に一部の臓器が無かったり多かったりする人が居ます。でも日常生活に不便がなければ、それは障害ではないですよね。特質のばらつきが個性で収まるのか障害になるかは、あくまでも社会が決める。そして社会は絶対ではなく変わりえるし、社会は単一ではなく複数存在する。そんな感じかなと思います。