小泉改革の頃には規制は全て悪という風潮で規制緩和がずいぶん進みましたよね。極端な自由主義者は全ての規制をとっぱらえば理想の社会が到来すると主張するわけです。古典経済学の神の手によって市場が最適化を行うだろうと。でもそれは無理が起こるってことを人類はここ100年くらいで学習したわけで、規制も必要な部分はあるんじゃないかなぁという気がします。
ではなんでもかんでも規制すればいいのかっていうと、そういうわけでもない。国鉄は民営化しないほうがよかったかっていうと、個々の問題にはそれぞれ複雑な条件が入り乱れてるから一概には言えないですけどね。遵法闘争とかはどうかなとは思うけど、それはどちらかというと些末な問題であって、国営か民営かって議論の材料にはならないと思うし。
大ざっぱには、既得権益を守るための規制は撤廃した方がよくて、消費者を守るための規制は合った方がいいのかなと思います。飲食店に関する規制を撤廃して自由化したら、そこら中で食中毒が発生しますよね。自由主義者的には食中毒が発生した店はつぶれて淘汰されるから問題ないっていう考えだろうけれど、食中毒にぶちあたった人にはそんな理屈通らないですよねぇ。
あと、市場の安定性のためにある程度の規制が必要ってのもあるかなと。神の手によって最終的には市場は調和するとしても、それまでの過程には混乱があり得るわけで。その混乱に巻き込まれた人にとってはたまったものではないですよね。金融工学の発達によって金融市場は乱高下するようになって、金融市場は素人の手出しできない鉄火場になってしまったりもしましたし。