ラストワンマイルを分離できないか

2020/8/22作成

マンガ図書館Zにはまり中に追記してて、ここんところもやもやと考えていたことが少しまとまってきたので吐き出しておきます。

マンガ図書館Zを始めとするマンガアプリが漫画家本人や出版社経由で作品を提供されてサービスを行っているわけですね。仕組みとしては多分音楽ストリーミングサービスなどと似たようなものではないかと思います。となると、問題点も音楽ストリーミングサービスなどと同様になってくるのではないかと。

それはつまりアプリごとの分断化ですね。ユーザとしては単独のアプリで全ての作品にアクセスしたいわけですが、現状ではそうなっていない。ある作品を読むにはアプリAが必要で、でも別の作品はアプリAには配信されていないので、アプリBを使わなければならない。スマホの画面には主要マンガアプリがずらっと並ぶことになってしまう。作品の続きを読みたくなっても、どのアプリだったか一つ一つ開いて確かめないといけない。正直、ユーザとしては馬鹿にされているとしか思えない状況なわけです。

少し前に漫画村が流行りました。私自身は使ったことはありませんが。漫画村は海賊版という致命的な問題点がありますが、それ以外はユーザの求めるものがすべてあると言われていました。繰り返しますが私自身は実際には漫画村使ったことが無いので、全てがあったのかどうかはわかりませんが。

全てがあるというのは、すなわちあるとあらゆる作品が一つのアプリで読める。あっちこっちのアプリを行き来しなくても大丈夫。そのほか、ユーザインターフェイスが非常に使いやすいとも言われてましたね。まあ、所詮どれだけ使い勝手がよかろうとも、海賊版という時点で論外なのは間違いないのですが。

ある商品やサービスがユーザに届くまでには複数の段階を経ます。それぞれ役割がありますし、人や業者にとって得意不得意もありますから、多段階をふむのは当然のことなんですが、最終段階のユーザが直接触れるところは統合されているとユーザにとって利便性が高いと思うんです。

マンガアプリを書店のメタファーだとすると、書店ではこんなことはなかったんですね。専門書店というのもありますが、街の本屋さんでは国内で出版されているほとんどの本を取り扱うことができる。店頭に無い本だって注文して取り寄せることができる。ジャンプのマンガしか置いてない書店ってのは基本的になかったわけです。でもマンガアプリだとそれが発生している。ジャンプのアプリだと、ジャンプのマンガしか読めないわけですね。

アプリと書店では直接比較できない面もあります。書店を含むリアル店舗は地域性がありますから、この街で本を買おうと思ったらこの書店でということが成り立っていました。地域的に独占していたわけですね。しかしネットには地域性がありませんから、アプリは地域で独占することができません。結果として、現在は「〇〇が読めるのはこのアプリだけ」と作品で独占を計ろうとしているわけです。アプリの運営者としては作品独占は有益ですが、漫画家も出版社もユーザも嬉しくないわけですね。win-winになってない仕組みなわけです。これなんとかならないかなぁと思うわけです。

ユーザへの段階によって担当業者が分かれると言えば、最近ではUber Eatsや出前館というのもあります。従来、街のソバ屋さんから宅配ピザまで、出前と言えば飲食店自身が出前をしていましたが、これだとソバ屋の隣のラーメン屋はついでに出前してもらえないわけです。出前専門業者が登場してくれたおかげで、従来なら自前で出前できなかったような飲食店でも出前が出来るようになったわけですね。Uber Eatsと出前館とサービスが分かれていますので、いろんなお店の出前を楽しもうと思ったら両方のアプリを入れないといけないけど、二つくらいなら個人的には許容範囲です。独占されると、それはそれで弊害がありますので、競争はあって欲しい。でも競争が激しすぎてもユーザには不便と。要するにマンガアプリが淘汰されて数個に集約されるといいなぁってことなんですが。

似たようなことは過疎の村でもあるようですね。乗り合いバスが、郵便も新聞も宅配便も全部載せて集落にやってくると。集落の担当してるお宅でこれらの荷物をおろして、そのお宅の人が集落中に配って回る。従来なら郵便屋さん、新聞屋さん、宅配便屋さんがそれぞれトラックや軽自動車を運転して配達してたわけだけど、それを乗り合いバスに集約してる。

まとまってきたと言いつつ、ここまで全然まとまってませんね。書いておきながら自分でもびっくりです。改めてまとめを試みてみると、事業者にとっては全てを自前で行う垂直統合が理想なんですね。最高に効率化できて利益も最大化できるから。でも全てを自前で行うためには、相当な事業規模がないと出来ない。また、ユーザにとっては商品ごとに窓口が存在することから非常に煩雑になる。商品を買う、サービスを受ける窓口は少ない方がいい。ああ、これって商店街からスーパーマーケットに移行したのとも仕組みとしては似てるのかな。ともあれ、ユーザとしては窓口は少ないほうが楽でいいので、最終段のユーザの窓口になるところはある程度集約されているといいなぁと思うわけです。通販は何でもかんでもamazon一択だと便利だよねって話ですね。ただ、一つの事業者だけに集約すると独占の弊害が出てくるので、二つか三つくらいは常に生き残ってるくらいが一番ユーザにとっては理想と。そんなところですかね。