ミニレポート集 潮岬

時期:1995年9月 走行距離:530km 総費用:3000円だろう

「日の出が見たいなー。けど、朝日の見れるスポットなんか知らんしなー。海なら見れるけど、大阪の海は西向きやし。せや、絶対東に海が有る潮岬(本州の最南端)に行こ。」という、安易な動機で潮岬に行ってきました。

8日(金)夜10時、取り敢えず出発。朝までに潮岬に着かなかったらシャレにならないので、行きは贅沢に高速道路を使う事にしました。ガススタで満タンにして摂津北I.Cから近畿自動車道に乗る。もしかして渋滞してるかなー、と思ったけどそんな事は無く大体90km/hで快調に走る。途中、「そういやこのTT-Rでフルスロットルした事ないな」と思い、試してみました。が、ヌアワkm/hで断念。風の暴力(笑)と、タイヤの接地感の無さで恐くなってしまった。でも、まだアクセルには余裕有った。

途中岸和田のSAで休憩中に何気なくフロントタイヤにさわってみたら空気入って無くてベコベコ。おい(笑)。顔面蒼白になりながら、スタンドで空気入れたけどその後空気が抜けるという事は無かった。ということでパンクじゃ無さそう。しかし、気が付かんかー>自分

その後阪和道に走り継いで、海南ICで降りる。料金1950円。高いなー。後はR42をひたすら南下。半ば予想はしていたけど、やっぱり和歌山は大阪と違って、こんな深夜は寝静まっていて明いてる店なんか無くてあのローソンすら一件も無いという正常な地帯でした。 しかし、所々に有る釣りエサ屋だけは明々と明かりを付けていて、おじさんがたむろっていた。この辺は釣りで有名な所なんかな。

大阪から潮岬までは大体270kmなので、TT-Rなら給油無しで走りきるだろうという計画でした。和歌山では当然24時間ガススタなんて無いのでもしガス欠になったら、そこで野宿しかない。と思ってたら、後30kmという所でリザーブに。なんとか持ちそう。

結局潮岬に着いたのは、5時半。着いた瞬間はまだ空は真っ黒だったけど展望台みたいな所に立った時には微妙に明るくなりだしてた。「おや、空が一様に明るくなっていくなぁ」と思いつつ眺めているとその日はやはり曇りだった(涙)。晴れた日だと、東の空が明るくなりだしても西の空は真っ暗でまだ星なんて見えたりして、その全天の深い青のグラデーションが大好きなのにー。結局日の出と思わしき5時50分頃になってもお日様はどこにいるのかも全然分からず。何をしにここまで来たんだろー。

潮岬の展望台は崖の上に有って、実はその先の岩場が本当の最南端なんだけど一見そこには行けそうにない。でもよく見るとその岩場で釣りをしている人がいる。という事は行けるのかー、と思って探してみたらやっぱり降りる道が有りました。取り敢えず降りてみたけど、別にする事も無い。寝るかー、ってんで平らな岩の上で波の音をBGMに寝る(笑)。1時間程したら、雨が降ってくるー。シャレならんぞー、という事で展望台に戻って屋根の下で寝直し。更に1時間程して起きたら雨がやんでいたので出発しようとしたらまた雨。 たたられてるんかー。でも仕方ないので、半ばやけになって出発。

出発してすぐに見つかったスタンドで給油したら8リットル入った(タンク9リットル)。 まだ30kmは走れたのね。流石4スト様である。帰りのルートは来た道と同じじゃつまんないなー、という事で地図を見ながら奈良県をほぼ突っ切るルートを決める。(来たのは和歌山の海岸線沿い)。途中に熊野大社が有るので、一応そこに寄ってみる事だけ決めて出発。

しかし、午前中は雨が降ったりやんだりのいやーな天気でした。合羽を持っていない私は、降り出すと雨宿りするしかなくて、「休みの日にこんなトコまで来て私は何をしてるんだろー」とか「ツーリングの達人な人だと、こういうトラブル(それほどの事ではない)も楽しむんかなー。まだまだ心が狭いなー、自分は」とかしょーもない事を考えていたりいなかったり・・・。

その天気も、R168に入って内陸に向かった頃にはどうにか回復してきて以後は降られる事は有りませんでした。R168は熊野川沿いに走っているので景色が良い。道幅は常時2車線で広い。そして何より交通量が少ない。という事で非常に気持ち良く走れました。

熊野大社は確か修験者で有名な所だったので、その関係の史跡とか資料とか有るかなと思って来たのですが、そんな物は全然なくてちょっと残念でした。これは書籍で調べた方がいいなぁ。

そっから先はひたすらR168を北上しました。途中から晴れてきてお日様まで顔を出してきて、すげえ気持ち良かった。「ああ、ツーリング来て良かった」と午前中と全然違う事を考えたり(笑)。

途中谷瀬という所で日本一の吊り橋が有ったんですが、ここだけ何故か観光客がいっぱい。しかも観光バスまで乗り込んでいるという。なんでみんな、たかが吊り橋だけにこんなに集まるんだ?まさかナイトスクープがきっかけという訳でも有るまいにー。ちなみに、実は高所恐怖症な私は見なかったふりをして通り過ぎました(笑)。

五條市に着いてこっから先はR310を走る。この道は山越えの道なんだけどまたしても道が空いてて景色が良くてワインディングが楽しくて。うーむ、来て良かったなぁ。

そして最後はR170を北上して帰るだけとなったのですが、これが今回最大のミスチョイス。 予想はしてたけど大渋滞(涙)。TT-Rの空冷エンジンは、渋滞にはまると一方的に熱を発してライダーを汗だくにしてくれるのです。すり抜けしたくらいではエンジンは冷えんー。

でまあ、結局吹田に帰って来たのは9日(土)の午後8時頃でした。行動時間22時間、移動距離530kmは、自己新。(別に競ってはないけど)しかし、こんだけ無茶したのに意外と疲れは無くて、まだ100kmやそこら走れそうでした。眠たくなったら速攻で道端で寝てたので居眠り運転なんかも有りませんでしたし。