時期:1995年6月 走行距離:1000kmくらい 総費用:1万円は掛かってないだろう
TT-Rに乗り始めてしばらくすると、以前途中まで走りながら崖崩れに阻まれて全線走破が出来なかった剣山スーパー林道の事が気になってきます。
では、週末に出かけるか、と思っていたところ、会社でどういう訳か核兵器に関する話が出て「そういえば広島とかって行ったことがないな。資料館で現物を見てみて、勉強するのもいいことかもしれない。」と思い立ち、週末の予定は四国ツーリングから、急遽四国・広島ツーリングへと変貌を遂げました(^^)。
金曜日の夜、仕事から帰ってきて急いで出発。なんせ実質2日でこれだけの距離を移動しないといけないとなるとあまり時間に余裕はありません。まずは大阪から国道2号で明石に移動し、ここからフェリーに乗ります。前回の四国ツーリングの時はここでガス欠で苦しんだのですが、今回のパートナーであるTT-Rは航続距離が2倍以上あるのでこの点は安心です。
深夜の淡路を駆け抜け大鳴門橋を渡ります。せっかくなら昼間に渡りたかった所ですが、街灯に照らされた大橋というのもなかなかいいものです。対岸の四国に渡った所で時刻は午前3時になっていたので、とりあえず仮眠をとりました。
翌朝起きると、いよいよ剣山スーパー林道を走ります。林道は前回と比べて入り口から1km程舗装が進んでいました。このままいけば、この林道もいつかは全線舗装になってしまうのでしょうか。そうなると、残念ではあるのですが。
崖崩れも無事に補修されていた様で、林道を抜けて無事に高知側に抜け、ここからは進路を変えて一気に北を目指します。そして、瀬戸大橋のたもとにある坂出という所で今夜は休息しました。
翌朝は5時に目が覚めます。さあ、今日もたくさん走らないといけません。とりあえずは小雨の降る中、瀬戸大橋を走ります。複数の橋を繋げているとは言え全長10kmにも及ぶ橋というのはやはり大迫力です。
本州側に渡ると次はいよいよ広島を目指します。国道2号をひたすら西に走ってそれでも午前10時頃には広島に到着。そして平和公園にある原爆資料館へ。
実を言うと、私はこの資料館というのはあまり来たくない場所でした。それは、小学校の時に見せられた記録映画があまりにもグロテスクで、その印象が強く残っていたからです。しかし、覚悟を決めて見てみるとグロテスクを前面に出したような展示はほとんど無く(今にして思えば当たり前)、どちらかというと原爆の仕組みや影響、広島に投下された歴史的背景などに関する説明が多かったです。その中で私が一番印象に残ったのは、世界各国で行われた核実験に対する歴代の広島市長からの抗議電報でした。「こんなものは偽善だ」の一言で片付けようと思えば出来るものかもしれません。しかし、なぜか私はその壁一面に張られた抗議文からしばらく目を放すことができませんでした。
資料館を出てきたのはちょうどお昼頃でした。今日は日曜日で明日はちゃんと会社に出なければいけませんから、あまりのんびりはしていられません。今度は国道2号を東へとにかく走ります。
幸いこの辺りの国道2号はよく整備されていて、信号もほとんど無いため非常に走り易かったです。そして大阪の自宅に帰り付いたのは日が変わる時間の午前0時。そのまま眠りにはつきましたが、やはり翌日はまともに仕事が出来ませんでした(^^)。