オーストラリアツーリング 準備編

パートナー探し

これまでわたしは基本的にずっと一人でツーリングに出かけてきました。日本国内をツーリングしている場合はそれで良かったのですが、今度はそうはいきません。

ツーリング中はあらゆるトラブルの可能性があります。事故に遭うかもしれませんし、怪我をして動けなくなるかもしれません。バイクや荷物を盗まれてしまうこともあるでしょう。日本国内でツーリングしている場合、これらの事態が起こったとしてもなんとかなる可能性は高いです。すぐに誰かが通りかかって助けを求めることが出来ます。誰も通らないような所でも、人里までは十分に歩ける距離です。しかしオーストラリアの場合はそうはいきません。日本の様に人口密度が高いわけではありませんから、助けを求めに行くまで歩いたら何日も掛かる場所かもしれません。最悪、砂漠の真中でトラブルが発生した場合そのまま干からびるしかありません。

ということで今回のツーリングではパートナーを探して、二人で行くことにしました。万一のトラブルも二人同時に発生する可能性は非常に低いでしょうから、どちらかが無事なら何とかなるでしょう。

しかし、このパートナー選びは簡単にはいきそうもありません。それは、パートナーには次の条件が必要だからです。

特に最後の条件が厳しい。普通に働いている人はクリア出来ない条件ですからね。わたしは失業しているので問題ないのですが。そして、条件を満たした数少ない友人として海星さんを選び、いよいよ交渉に入りました。
にゃ「なあなあ。1ヶ月くらい掛けてオーストラリアにツーリングに行こと思てんねんけど、一緒に行かへん?」
海星「面白そうやな。ええで」

即決かいぃ!!(笑)

という事で、パートナーはあっさりと見つかってしまったのでありました。

書類、手続きなど

海外ツーリングですから、国内とは違った手続きや書類の用意が必要です。

もっとも大変なのはバイクを日本から持ち込む場合の運送手続きとカルネの準備ですが、今回はレンタルバイクもしくは現地購入を考えていますからこれは不要です。それ以外に必要なのは、パスポート、ビザ、国際免許証でしょう。

まずパスポート。これは前回の日本一周ツーリングの時に「もしかしたら外国にも行ってみたくなるかもしれないなぁ…」という思いつきだけで取得したのであります。10年ものですから残り期間も十分。ちなみにこのパスポート。取得したのはいいけれど、わたしは海外旅行に全然行かず「未使用の貴重なパスポート」と周りの人に言われ続けていたのですが、無事に2001年初頭に南極旅行に行き使用経験ありです。初めての海外旅行が南極ってのも、普通無いパターンやと言われておりますが(^^)。

次にビザです。日本は1999年12月時点において60カ国と一般査証相互免除措置を実施しているため、多くの国ではビザが必要ありません。が、オーストラリアはこの対象国では無いのですね、なぜか。厳密には日本からの一方的な一般査証免除措置を実施しているため、オーストラリア人は日本にビザ無しで入国出来るのに、日本人はオーストラリアに入国するにはビザが必要と言う事になっています。

ということでビザを取りにオーストラリア大使館に行って来ました。窓口でビザを取得したいのですがと言うと「通常のビザは手数料4000円。電子ビザで航空券がある場合は手数料無料だけどどうします?」と聞かれて、すかさず「じゃ航空券を買ってからにします」と言って帰って来ました(^^)。差額4000円は大きいですよね。と言うことで、航空券の手配が済んでからと思ったのですが、航空券を買いに行ったのが遅かったため、チケットは空港渡しになってしまいました。仕方が無いので、航空券無しでも電子ビザの手続きができる、ETAセンターでの発行にしました。ETAセンターは築地にありますので、地下鉄に乗ってえっちらおっちら行ってまいりました。手数料は1500円に消費税。電車賃と時間のことを考えると、あんまり得した気分になりませんね。発行は窓口で即座に出来たので、その点は楽なのですが。

ちなみにこの電子ビザ。電子って名が付くくらいだからてっきり磁気カードだと思っていたのですが、手渡されたのは紙のカード。あれ?って感じだったのですが、オーストラリア側のコンピュータとネットワークで接続されているらしく、ビザの発給はこれで出来ているそうです。いまいち信用できないシステムですが、これでいいと言っているならいいんでしょう。ちなみに紙でもらったETAはこんな感じです。要はこのカード自身は番号の控えくらいの意味しか無いって事なんでしょう。

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ETASカード。ほんとにこれで大丈夫???

最後に国際免許証。これは国内の運転免許を持っていれば、試験場もしくは警察に行って手続きすればその日に取得出来ます。わたしは住所が杉並区ですので新宿警察署に行って手続きしてきました。こちらも手続きは窓口で簡単に出来るので楽です。手数料は2650円とちょっと高めですが。発行してもらった国際免許証は、国内用のカード式とはずいぶん違う冊子の様なタイプです。重厚な雰囲気はありますが、ポケットとかに入れているとボロボロになってしまいそうです(^^)。

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国際運転免許証
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免許証を開いた所

ルートとスケジュール

オーストラリアをツーリングすることは決まりましたが、ではどのようなルートで走るかもある程度は決めなければいけません。もちろん、その場の思いつきで最終ルートは決定されるのですが、ある程度の大枠くらいは決めておかないと、事前の情報収集も出来ませんし道具も用意できません。極端な話、ツーリングのスタートをどこにするか決めておかないと、シドニーとパースではえらい違いです(笑)。

と言うことでまずはそれぞれの希望です。まずわたしの希望としては「エアーズロックに行きたい」「アウトバックを走りたい」の2点です。「この季節だったらスキーが出来るかも」ってのもありますが、それはまあほんとのおまけですね。次に海星さんはというと「ほんまもんの見渡す限りの地平線が見たい」「オーストラリアの非都市部に行ってみたい」という事のようです。お互い欲が無い(?)というか割と単純な希望ですね(^^)。これであればルート選定はそれほど難しくなさそうです。要はまんなからへんを走っていればいいわけです。

次にどこからスタートしてどこまで行くか、です。当初、わたしのマイレージ制約によりケアンズ発着案が有力になったのですが、シドニーに比べるとかなり田舎だそうです。正直出発地点としてのバイクや物資の調達が出来るかどうか不安になってきたので、ここは安全を考えてシドニー発をメインに考えます。ちなみに、海外ツーリングの情報の集まる掲示板で聞いてみた所ケアンズにもそこそこバイクショップはあるようなのですが、いかんせんわたしも海星さんも海外ツーリングは初めて。海外旅行自体があまり経験が無く、もちろん英会話も苦手。こんな状況ですから、少しでも不安要素は取り除いたほうがいいだろうという判断です。

ちなみにわたしはマイレージとしてノースウェスト航空のワールドパークスを利用しているのですが、ノースウェストとマイレージ登録提携していて日本-オーストラリアの航路を持つ会社はコンチネンタル航空しかありません。そしてコンチネンタル航空はケアンズにしか便を就航させていないのですね。しかもグアム経由で、週2便のみ。物資調達の点を除いても正直あまり便利そうではありませんでしたね。ちなみにこの状況は2001年4月時点での話なので、過去もしくは未来においては変わっていることと思います。

次にスケジュールです。まず出発は海星さんの仕事の都合上、5月中旬と言うことになりました。そして帰国はわたしが知人の結婚式に出席する都合上、6月中旬は外せません。これで一応現地に約1ヶ月居られることになるのですが、ここに来て凄い案が飛び出してきました。それは「6月のわたしの用事を一時帰国で済ます」というものです。確かにわたしの用事は結婚式に出席するだけですから、数日もあれば大丈夫でしょう。また、往復の飛行機代も格安チケットを使えば6万円程度ですから、それほど高いわけでもありません。わたしが一時帰国している間、海星さんには現地で待機してもらい、わたしのオーストラリアへの戻りを待ってツーリング再開というプランです。確かに、オーストラリアは広いですから1ヶ月くらいではまだまだ走り足りないという可能性は十分にあります。これは結構いいプランかも。

という事で、以上の状況を加味してだいたい現在のプランは以下の通りになっています。

5月中旬に日本を出発しシドニーへと向かう。現地でバイ・バック(買戻し保証)のオートバイを購入する。期間が決まっているとレンタルバイクの方が便利でお得になる場合もあるのだが、今回はツーリングの期間が決定していないので購入となる。
シドニーよりツーリング開始。ちょろちょろとアウトバックを寄り道しながらアリススプリングスを目指す。目的はもちろんエアーズロック。エアーズロックを見たら、そのまま北上しダーウィンもしくはケアンズに抜ける。ここまで来た時点でもうツーリングはおなかいっぱいになっていたら、てれてれとシドニーまで走ってゴール。そのまま日本に帰国しわたしは知人の結婚式へ。もしもおなかいっぱいになっていなかったら、わたしは一時帰国し海星さんはオーストラリア残留。ま、ケアンズ周辺ならばグレートバリアリーフでダイビングも出来るでしょう。
んでもってわたしのオーストラリア復帰をもってツーリング再開。そっからどこに行くかは未定だけど、まあ西へ行くでしょう。後は時間の制約は3ヶ月のビザ滞在期限のみ。
そして、こういうプランだったら帰国の飛行機は日程も出発空港も未定だから、出来るだけ多くの空港をカバーしている航空会社の90日オープンチケットを手配しておく。

んー、ずいぶんアバウトなようだがこんなんでええんかな(笑)。

(2001/5/7追加)

チケットですが、条件に見合うものが無かったため28FIXのものを購入。どうせわたしは一時帰国するし、海星さんも一緒に帰るのも可だし復路のチケットを捨てるのも可。という選択になりました。

(2001/5/14追加)

18日のシドニー到着は早朝なのですが、バイク購入やその他日用品などの購入、準備などをしていると、その日中に出発するのはちょっとしんどいかな、という話になりました。もちろん、ユースホステルなどの宿をその場で探してもいいのですが、当日くらいは手間無く行動したいなぁ、ということでちょっとリッチに日本からホテルを手配しておくことにしました。取れたのはシドニーのDE VERE HOTELという所で、ツインで7500円でした。

航空券

いよいよ航空券の手配です。ちなみに手配を行ったのは5月7日です。

特に国際線の航空券の価格体系のいい加減さは、海外旅行の経験がほとんど無いわたしですら知っている所。間違っても正規料金で購入なんぞできません。ということで、海外航空券を取り扱っているH.I.Sにて手配することにしました。ここだとある程度の情報も手に入りますし。

まず希望として伝えたのは

でした。が、この条件を全て満たすチケットは残念ながら格安では存在しませんでした。オープンと言いながらも復路の出発空港は事前に決めなければいけないものばかりです。って、オープンチケットも普通は日程のみ自由って事なんでしょうか。すいません、正直言ってこの辺のことはよく知りません(^^)。もっとも条件に近いのはカンタスオーストラリア航空のチケットだったのですが、こちらは往復で135,000円とかなり高め。

では片道チケットではどうか、と探してもらうと最も安い大韓航空でも54,000円。なんと28日FIXの最安往復チケットと5,000円しか変わらない。結局海星さんと電話で相談し、復路のチケットが無駄にしても惜しくないと価格ということで28日FIXのチケットを購入することになりました。

28日の期間をフルに使うということで5月17日成田出発、6月14日帰着で探してもらうことになりました。結局最安の大韓航空は満席ということで次に安いカンタスオーストラリア航空に決定。代金は往復で63,500円。これに出入国税などを加えて68,440円でした。

これでチケットの手配が出来たのですが一つ誤算。出発まで日が無いことからチケットは空港渡しということになってしまいました。航空券があればオーストラリア入国に必要な電子ビザが手数料無しで入手できたのですが、現時点でチケットが無いならそれは出来ない。まあ、仕方が無いか。

お金

当たり前ですが、ツーリングをするにはかなりのお金が要りますので、これをオーストラリアに持っていかなければなりません。海外旅行に限りませんが、大量の現金を持ち歩くのは大変危険です。あんまり多いと入出国の時の手続きに引っかかる可能性もありますし。ということで、小額を現金で他をカードで持ち込むことにしました。

いくら外国がカード社会だとは言え、まったく現金を持っていかないわけにもいきません。もし持ってないと、空港についてお茶を飲みたいと思っても飲めません(笑)。 いちいちカフェでカードで支払うわけにもいきませんし。下手なところでカードを使えば、余計に危険です。ということで、小額の現金をとりあえず両替しました。いくらくらいが妥当かは人によって違うでしょうが、とりあえずA$400にしました。この時の為替レートが72.86円だったので、29,140円掛かりました。

紙幣は全部20A$札で出てきました。わたしはこのとき初めてA$札を見たのですが、正直かなり驚きます。なぜかというと、表面の半分以上がビニールコーティングされている上に、なんと透明な窓まで付いているのです。これはかなり変わっていると思うのですが、世界の紙幣にはこんなの当たり前なんでしょうか。これまで、妙に安っぽくていかにも偽造し易そうなアメリカ$しか見たことが無かったのですから余計ですね。こうしてみると日本の紙幣は確かに精巧に出来ているように思います。

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違和感バリバリの20A$札

さて、現金ではなくカードの方はどうするか。当初、VISAのトラベルマネーというキャッシュカードサービスを利用しようかと思ったのですが、調べてみると同様のサービスは他にもいろいろとあるようです。わたしが調べた中では、VISAトラベルマネー、シティバンクのワールドキャッシュ、東京三菱銀行のインターナショナルカードというものがありました。

まず、各カードの手数料などは以下の通りです。

カード名称 カード作成時手数料 入金時手数料 換算レート 出金時手数料
VISAトラベルマネー 無し 2% TTB 無し
ワールドキャッシュ 1050円
(2001年5月時点ではキャンペーンで無料)
無し TTS+3円 200円
東京三菱インターナショナルカード 1050円 無し VISAインターナショナルレート+3% 210円

この内、VISAトラベルマネーはあさひ銀行に普通口座を作らないといけません。東京三菱銀行のインターナショナルカードも東京三菱銀行の普通口座が必要ですが、わたしの場合こちらは持っています。

どのカードも、使い方によって多少条件は変わるもののVISAトラベルマネーが手数料が一番安そうです。が、わたしは今回シティバンクのワールドキャッシュを選びました。なぜかといえば、当たり前ですがVISAトラベルマネーはVISAが使えるATMでしか使えません。そしてわたしの場合VISAはクレジットカードを持っていますので、キャッシングすることによって現金を引き出すことが出来ます。ツーリング中の現金引出しで何が困るといっても、ATM自体が見つからない場合です。いくら残高がたくさんあっても、最終的には現金が一番使い勝手が良いですから。実際、日本一周ツーリングの時でも、日本中どこにでもATMがあるという条件で郵便局のカードを作りました。この辺りは、普段生活している街の中とは感覚が違ってくるのを注意しないといけないでしょうね。

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ワールドキャッシュカード

(2001/5/16追加)

急遽、VISAトラベルマネーも作ることにしました。何故かというと、頼りにしていたクレジットカードの方のVISAが、今月引き落としが出来なくて使用停止になってしまったからです(笑)。早速引き落とし口座に現金を投入したのですが、次の引き落としは5月21日。それまではVISAクレジットカードは使えないでしょうから、他の手段も持っていた方が良いだろうと判断。ということでVISAトラベルマネーも作ってきました。窓口に行って気がついた注意点は、後から金額を増やせない事。どうしても増額したい場合は、もう一枚カードを作る必要があります。VISAトラベルマネーはいわゆるトラベラーズチケットをカード化したという位置付けなのですね。
それとシティバンクのワールドキャッシュについて新情報。同行する海星さんによれば、シティバンクの通常口座を作れば入金や引き落としの時の手数料は不要との事。そう、ワールドキャッシュよりもお得なんですよ。なんやそれ〜、はよ言うてんかいな〜。

(2001/6/23追加)

シティバンクのワールドキャッシュのとても有利な点がある事に今ごろになって気がつきました。それは、残ったお金の清算時に手数料がまったく掛からないこと。VISAトラベルマネーは一旦外貨に両替してしまいますので、使い残しがあった場合は再度日本円に両替する事になり2回分の手数料が引かれてしまいます。それに対してワールドキャッシュは常に日本円のまま保持していて引出し時に両替するというタイプのため、使い残したお金は預け入れた時のままの日本円で引き出すことが出来ます。ワールドキャッシュを含めた複数の手段でお金を持ち込む場合、ワールドキャッシュ以外のお金は使い切ってしまうようにするのが賢い方法ですかね。

保険

海外旅行に出かける場合、保険を掛けるに越したことはないでしょう。自分の死後の事は知ったこっちゃねえー、ってわけにはいかないのですが、ここでは知ったこっちゃねーとしときましょう(^^)。どちらかというと問題は、病気や怪我で病院の世話になった場合や、現地で事故を起こして賠償責任が発生した時。場合によってはとんでもない費用が発生する可能性があるでしょう。

ということで保険に入っておこうと思ったのですが、今回はツーリングですから当然オートバイ運転中の保証も付いたものにしたいものです。が、海外旅行保険を調べてみると、どこにもそんなプランは無い。大抵は、海外での車やオートバイを運転中の事故や、その事故で発生した賠償責任は保険対象外としています。中には車運転中の保証があるものもあるのですが、指定会社のレンタカーを借りている場合のみとなっていたりで、今回のツーリングでは役に立ちません。海外ツーリング関係の掲示板などを覗いてみても、やはりそのような保険は無いようで、現地でバイクをレンタルもしくは購入時にその国の自動車保険に加入するのが一般的なようでした。

まあ、そういうことなら仕方が無いかなということで、とりあえず普通の海外旅行保険だけ掛けておくことにしました。保険会社のお勧めプランだと死亡時保証などがやたらと高く設定されていて保険料も高くなっていたため、個別の保証を組み合わせていくバラ掛けにしました。

(2001/6/23追加)

再出発にあたって再び海外旅行保険。こんどは3ヶ月の予定ですが、AIUではバラ掛けが出来るのは2ヶ月まで。仕方が無いので一番安いセットで3ヶ月掛けました。他の保険会社にすればバラで3ヶ月も出来たようなのですが。

それとこれは今回はじめて知ったのですが、2001年1月1日からの制度変更で日本国内の健康保険が海外での医療行為も対象になったそうです。ただし、領収書をもらっての後から清算ですし、掛かった治療費ではなく医療内容に応じた日本国内での換算額しか支払われませんから、はっきり言って保険としての価値無しです。海外では救急車やレスキューの費用を請求されることもありますし、治療費だって国によってまちまちですからね。


あおやぎのさいと2.0 ツーリングレポート