オーストラリアツーリング 始動編

走行ルート

走行ルート
走行ルート

5月17日

天候:曇り

いよいよオーストラリアツーリングに向けて出発です。個人的には、「ほんとに行くのかなぁ」と思わなくもない、いまいち実感が沸いてこないのですが意外とそんなものかもしれません。完璧とは言えないでしょうが、それなりに準備も進めてきましたし、最後は「ま、なんとかなるって」という精神で行くことにしましょう。

飛行機は22時45分発のカンタスオーストラリア航空22便です。乗り遅れるわけにはいかないので十分に余裕を持って空港に到着。しかし、ここで出国手続きをする段になってさっそくトラブル発生。キャンプ用に持ってきたコンロ用のガスタンクとパンク修理キットの圧縮エアが飛行機持ち込み禁止となってしまいました。仕方なくこの二品は見送りに来て貰っていた家族に預かって帰って貰うことになりました。それ意外は特に問題もなく無事に出国手続き完了。いよいよ機上の人です。とりあえずは約1カ月の間、日本とはお別れです。

5月18日

天候:雨

機内食の朝食の為に午前4時半に起こされました。いくらなんでも早すぎる。とはいえSYDNEY時間では午前5時半。到着は午前7時5分ですから、こんなもんなんでしょうか。しかし、早く起こされたお陰で、飛行機の窓から朝焼けの綺麗なグラデーションを見ることが出来ました。

いよいよオーストラリアに入国。入国審査では持ち込んで来た非常用食料について質問を受けたものの特におとがめなしでクリア。さっそくシティレールに乗って今日の宿をとっているSYDNEY市内のKINGSCROSSへ向かいます。そしてDE VEREホテルに行ってとりあえず荷物を預かってもらおうとしたら、なんとこの時間からチェックインOK。これはありがたいです。客室は正直言って綺麗とは言えませんが、一晩の宿としては十分過ぎるくらいのものです。さて早速バイクを探しにCITYへ出ようかとしたのですが、飛行機での疲れが出たのかベットを前にするとついつい眠気が(笑)。結局起き出して行動し始めたのは午後2時でした。

海星さんもわたしもそれなりに事前にバイクショップ情報を仕入れてきた積もりだったのですが、来てみるとSYDNEYも結構広い。それと慣れないこちらの住所標記が分かりにくく、結局この日訪ねられたのはACTIONというお店だけでした。ACTIONはかなり大きなバイクショップなのですが、中古のオフロードの在庫はあまり無かったためにとりあえず保留。その後、電話でREDBARONに問い合わせ明日訪ねてみることにしました。しかし歩いてみての感想ですからあまりあてにはなりませんが、SYDNEY CITYにはほとんどバイクショップがありません。これだけ大きな街ですから、もう少しいろいろあると思ったのですが、そういうわけではなさそうです。

その後は少し買い物をしてから、夕食を食べようと言うことになりホテル近くのKINGSCROSS周辺を少しうろついてみました。すると目の前を両手血まみれになりながら手錠をはめられ警官二人に取り押さえられている男が!!そういえば昼間歩いた時も、路上で殴り合いの喧嘩をしているところを見かけたり、これまた警官に両腕を拘束されている男を見たりしましたから、これは疑いもなく治安の悪いところなのでしょう。こういう場所で下手に食事をしていてトラブルに巻き込まれるのもいやですから、結局ホテルに帰って翌日の朝食用にと買っていたパンを食べて済ませました。

買い物
シティレール(INTERNATIONAL AIRPORT-CENTRAL) A$10.40、傘 A$6、絵葉書 A$0.35、地図 A$6.95

5月19日

天候:雨後曇り

ホテルを出てREDBARONへ向かう途中、TOWNHALLでシティレールを降りてお買い物。昨日見つけていながら閉店していて入れなかったGOWINGSというショップです。ここではアウトドアグッズも扱っているようですので探してみたら、目的のコンロ用のガスカートリッジと電池式ランタンを無事に買うことが出来ました。

その後シティレールを約1時間乗ってREDBARONのあるLIVERPOOLへやって来ました。REDBARONまでは駅からさらに15分程歩くため、海星さんもわたしも重い荷物で結構へとへとです(^^)。REDBARONでは昨日電話で応対していただいた日本人スタッフのオザワさんという方がおられ、お陰で日本語で交渉する事が出来ました。海星さんもわたしも英語が堪能というわけではありませんので(^^)、正直これは助かりました。特に契約関係の細かな話を英語だけでやるのは大変ですからね。

とりあえずバイクを見せてもらったのですが、やはりここでもオフロードでしかも中古というのはほとんどありません。オフロードであれば競技用車両の方がはるかに多いです。競技用車両は多少魅力的ではありますが、残念ながらこれでは公道を走れません。結局、いろいろ話を聞いて相談して考えて、結論として購入したのは新車のTT600Rになってしまいました(^^)。A$5,000程度を予定していたバイクへの費用がいっきにA$9,000にジャンプアップ。いきなり大きな予定外です。ちなみに海星さんは同じく新車のXT250を購入しました。なんで新車にしたかというと、いろいろ理由はありますが一番の決め手はやはりほかに選択肢が無いという事ですね。これは正直意外でした。事前に日本から情報を集めたときは、オーストラリアはバイクも盛んな国だから、現地に来て何件ものショップを回って条件の良さそうな中古を見比べて買うのが良いという事だったのですが、少なくともわたし達にはこれは当てはまりませんでした。バイクショップは見比べられる程の密度ではSYDNEYには存在しませんし、バイクショップにはオンロードはともかくオフロードの中古在庫はほとんどありません。もしも今回の様に余裕のあるスケジュールで来れない場合は、日本から手配できるレンタルバイクを利用するのが良さそうに思います。

さてバイクを手配できたのでとりあえずSYDNEY CITYへ戻ることにしました。バイクには更にオプションでキャリアとビックタンクを手配しましたので、これらのパーツが手配出来るスケジュールが確認出来てから次に来店することにしました。また、お店の厚意で重いツーリング荷物を次の来店まで預かって貰えることになり、とても身軽になって行動できるようになりました。

SYDNEY中心街のCITYに戻って今日の宿探し。海星さんが調べてきた日本人が多く立ち寄ると言うバックパッカー向けの宿を探そうとしたのですが、中心部の地図に載っておらず場所が分かりません。時間も夜7時と遅くなってきたのでそちらは諦めてSYDNEY CENTRAL YHAに泊まることにしました。こちらはシティレールのCENTRAL駅からすぐという良い立地にある上に、チェックインは夜の11時までOKという便利さでした。部屋もツインがあって安心ですしわりと綺麗でなかなかいい感じです。

買い物
シティレール(KINGSCROSS-TOWNHALL) A$2.40、ガスカートリッジ A$5.95、ランタン(半額負担) A$12.45、シティレール(TOWNHALL-LIVERPOOL) A$4.80、バイク手付金 A$500.00、ピザ A$2.50、シティレール(LIVERPOOL-CENTRAL) A$4.00、YHA(2泊) A$79、夕食 A$11.80、お菓子 A$3.80、ドリンク A$1.30

5月20日

天候:晴れ

バイクの引き渡しが早くとも月曜日のため、今日は休息日というか何も予定の無い日です。ということでSYDNEY市内をぶらぶら観光することにしていたのですが起きてみると海星さんが居ない(^^)。「起こしても起きないので先に行きます」という置き手紙がありました。まあ、10時半まで寝てたら仕方ありませんね。とりあえず起きてシャワーを浴びてこちらもお出かけ。まずはYHAの目の前にあるCENTRAL駅からCIRCULAR QUAY駅までチケットを買います。シングル(片道)ではなくリターン(往復)チケットの方が割安と聞いたので試しに買ってみるとなんとシングルがA$2.40に対してリターンはA$2.60。これは割引のし過ぎじゃありませんかぁ。そしてシティレールに乗る前におなかが空いたのでスタンドでバーガーとコーラを購入。しめてA$7.50。うーん、なんか食料品って安くないなぁ。

シティレールに乗ってやってきたのはフェリー発着所のあるCIRCULAR QUAY。わたしは港町神戸に生まれ育ったため、こういう港の景色というのはなんとなく好きです。ビーチよりも圧倒的に港の方が好きですね。今日はとても天気が良い上に、日曜ですから人出も多いしフリーマーケットや大道芸人なども大勢出ていてとてもにぎやかです。この辺りはSYDNEY HARBOURを望んで景色が良い上に広い公園もありますからいいところです。とりあえず有名なオペラハウスを外から眺めてふらふら歩いていると"GOVERMENT HOUSE"という建物が現れました。何かなと思ってみると提督官邸とのこと。植民地時代の遺跡かと思ったら、なんと英国提督って今でも続いている制度なんですね。かなり形式的なものにはなっているようですが、この提督官邸で公式行事が執り行われる事もあるそうです。しかし、そういう行事の無い日は一般公開されているようなのでとりあえず中へ。建物の中へは勝手に入って怒られるとなんなのでやめにしたのですが、庭園を歩くだけでもいかにも植民地時代のものという雰囲気です。建物も少しこじんまりとはしていますが古き良きヨーロッパという感じですね。

その後は方向を反転してTHE ROCKSを歩き、いよいよHARBOUR BRIDGEに。このSYDNEY HARBOURに掛かる橋は歩いて渡れるという事なので来てみました。ちなみに歩くだけではなく、橋の頂上まで登るツアーというのもあるのですが命綱一本で作業用の通路を登っていくなどは、高所恐怖症であるわたしにはとても出来そうにありませんのでパスです(^^)。橋に設置してある歩道はそんな怖いことは無く普通に通ることが出来ます。オペラハウスも一望できますので、これはお金が掛からない割に良いですね。

橋を渡ってNORTH SYDNEYに来たので後はせっかくなのでフェリーに乗ってCIRCULAR QUAYに戻ろうと思ったのですが、まずフェリー乗り場探しにとても苦労しました。CITYのように通りが分かりやすいわけではありませんので地図を見ながらでもどこを歩いているか分かりませんし、何より目指していたKIRRIBILIのフェリー乗り場はとても小さい。しかもようやく辿り着いてみると日曜はフェリーの便がとても少なく1時間半に一本程度。ついさっき便が出たばかりなので約1時間待ちです。これはさすがに辛いので、結局帰りもHARBOUR BIRDGEを歩いてしまいました。そうこうしている内にいい時間になってきたのでYHAへ戻り、しばらくすると海星さんも戻ってきて今日はおしまい。お金はそれほど使わなかったけれど、これって普通の観光ですねぇ。のんびりしているのはいいのですが…。

買い物
朝食 A$7.50、シティレール(CENTRAL-CIRCULAR QUAY往復) A$2.60、ドリンク A$3.00、昼食 A$4.75、夕食+ビール A$10.40、洗濯 A$1.00、ドリンク A$1.30
HARBOUR BRIDGE
HARBOUR BRIDGE
威厳ただよう提督官邸
威厳ただよう提督官邸
CIRCULAR QUAY付近
CIRCULAR QUAY付近

5月21日

天候:晴れ

今日は昼過ぎにREDBARONに問い合わせの電話をする以外は何も予定がありません。それまでぼーっとしていてもいいのですが、海星さんの提案で海星さんが前回観光ツアーでオーストラリアに来たときに食べておいしかったというMARI GOLDというお店の飲茶を食べにいくことになりました。実はわたしは飲茶が初めてなのですが、いわゆる中華料理は好きなので結構楽しみ。飲茶では、料理がワゴンに乗って回って来たうち、欲しいものを指定して食べる訳ですが、この日はお店に入った時間が10時半と早かったので、まだお客さんが少ない。しかし、ワゴンは一定数回っていることから、ワゴンが来るわ来るわ。最初の内は面白がって次々料理を取っていたのですがさすがに食べ切れるわけはなく、途中からもう要らない状態に。持ってきてくれる人には悪いのですが、要らない要らないを連発しておりました。料理はどれもおいしかったのですが、なかで変わっていたのは鳥の足。 足と言っても腿肉ではなく爪のある方のほんとの足。「チキン何とか」って言うから鳥肉だろうとたかをくくったのですが、テーブルに乗ってみるとこれ。そういえば店員さんもこれでいいの?と念を押していた様な…。今更気がついても遅いですが。鳥の足はまずくはないのですが、やはり元の状態を想像するとちょっと辛いものがあります。それでも結局全部食べましたけど。

飲茶が終わったら、次は海星さんが是非見たいと言うソ連版スペースシャトルへ。なんでもロシアが金に困って実機を売り払ったのをオーストラリアで買い取ってここで展示しているそうです。DUALING HARBOURの先っぽというちょっと辺鄙なところまでようやく歩いて辿り着きましたが入場料がA$19と高いのでわたしはパス。海星さん一人で入っていきました。

その後、だいたい約束の時間になったのでREDBARONに電話で問い合わせてみるとやはり外国人ツーリストということで登録に時間が掛かっているそうで、登録が完了するのは早くても明日の夕方ということでした。今日の夕方にバイクで出発できるかと思っていたので、これはちょっとショックでしたが、こうなったら焦っても仕方が無い。のんびり待つしか無いのですが、海星さんはちょっといらいらしてきているようです。普通の日本人の感覚からしたらいらいらする方が当たり前なのですが、こっちはのんびり気質のオージーですからねぇ。

となると今日の宿をどうするか、ということになりますが結局勝手も分かっているという事でSYDNEY CENTRAL YHAに逆戻り。今度はツインの部屋が空いていなかったのですが、4人用相部屋をツイン使用にしてもらえました。

買い物
飲茶 A$23.80、ドリンク A$2.70、夕食 A$4.80、YHA A$72、ドリンク A$1.30

5月22日

天候:晴れ

今日もバイク待ちで待機の日。海星さんは朝から早速SYDNEY観光に出かけて行きました。元気な人です。時間は遅くなりましたが、わたしもぼちぼち起き出してお出かけ。 といっても特に行き先を決めていないのでとりあえずチャイナタウンをぶらぶら。 日本のチャイナタウンの様に屋台がたくさん出ていていろいろなものを食べられるのを想像したのですが、そういう所では無かったようです。お昼時に掛かっていたのでランチをやっているお店はたくさんありましたが。

その後も特にどうしようかと決めあぐねていたのですが、せっかくだからSYDNEY HARBOURのフェリークルーズでもしようかと思い、シティレールに乗ってCIRCULAR QUAY駅へ。チケットを買ってさあ乗り込もうかという所で携帯電話にREDBARONから電話が掛かってきました。わたし達にオーストラリアでの住所が無いため、やっぱり登録に手間取っているそうで、宿泊先の責任者の一筆があればなんとかなるだろうとの事でした。仕方が無いので、フェリーをキャンセルして(でもお金は返ってこなかった)、SYDNEY CENTRAL YHAへ戻ることにしました。

さてここからが問題です。やるべきことはSYDNEY CENTRAL YHAのマネージャにわたしたちがこの住所に泊まっているという一筆を買いてもらい、それをREDBARONにFAXする事。日本でならとても簡単な事です。しかし、ここはオーストラリアで英語の国。しかもわたしの英語力でこなさなければならない(^^)。とりあえずフロントに行ってスタッフに片言の英語で説明。どうやらバイクの登録の為に住所が必要で、SYDNEY CENTRAL YHAの住所をつかわせて貰うことは了解してもらえたようですが、それを証明する書面が必要と言うのが理解して貰えない模様。これ以上はわたしの説明では無理そうなので、諦めてその場でREDBARONに電話。オザワさんに電話で直接説明して貰うという弱気な手段に出てしまいました(^^)。しかし、それで問題なく一筆買いて貰え、なんとかFAXも送ってもらい、一件落着。これで登録がうまく運べはいいのですが。

さて以上が終わった所で時間はおおよそ3時半。いまからどこかに観光に出かけるのもなんですので、SYDNEY CENTRAL YHAの近くにあるというPADDY'S MARKETSへ行ってみる事にしました。歩いて2分の場所にあるということなのですが、実際行ってみると確かに近い。こんな近所にあるのに気がつかなかったのか、という感じでした。中に入ってみるとスーパーだけではなくFOOD COURTやお土産物屋さんなどいろいろなお店がたくさん入っているショッピングセンターでした。PADDY'S MARKETはチャイナタウンの近くにあるからか、スーパーには中国、韓国、タイ、日本などからの輸入食品食材もとても豊富で昨日まで行っていたWOOLWORTHS METROというスーパーよりもよっぽど大きかったです。なんとなくうれしくなって食材をいくつか買い込んでしまいました。SYDNEY CENTRAL YHAにはキッチンがあって自炊できるようになっていますので、こういうとき便利なのですが食材を冷蔵庫に入れるときに間違えてフリーの所に入れてしまい、いざ作ろうというときにみてみたらもぬけの殻になってしまいました。ほんの2時間程の間だったのに抜け目のない人がいるものです。どうも今日は朝からお金に関して縁の無い日だったようです。

買い物
ドリンク A$1.30、シティレール(TOWNHALL-CIRCULAR QUAY往復) A$2.60、フェリークルーズ A$20、夕食 A$10.65

5月23日

天候:晴れ

バイクの登録の時にやはり当人も居た方がいいということで、海星さんと一緒に朝からLIVERPOOLのREDBARONにお出かけする事になりました。11時頃に着いて、REDBARONのスタッフと一緒にすぐ近所の登記所へ。なかなかすんなりとはいかなかったものの、結局はなんとか無事に登録を完了できました。良かったぁ。REDBARONのオザワさんも、これまでにこんなに登録に手間取った事はなかったんですがねぇ、とおっしゃっていましたが結局は登記所の責任者の方針で登録の基準がころころ変わってしまうのは仕方の無い事だそうです。オーストラリアもしくは世界的に通用する銀行口座もしくはクレジットカードを持っていればもう少しすんなり手続きが進んだでしょうという事なので、次回がもしあれば準備してきたいと思います。

登録が無事に完了できたのでいよいよ車両の引き渡しです。海星さんと二人合わせてA$15,000以上の現金を銀行から降ろしてきてドキドキしながらREDBARONまで歩いて運んで無事に支払い完了。しかし、使い慣れないお札なので束になっていてもいまいち大金という感覚が沸いてきませんね。その後保険の登録と、スペアパーツやオイルなども購入しました。しかし、ラックの取り付けに少し時間が掛かった為、バイクの引き渡しが完了したのは午後6時頃。これからどこかに走っていくのは大変なので、今日はすぐ近くにあるモーテルに泊まることにしました。

そうしていよいよマイバイクであるTT600Rのエンジンを掛けようとキックするのですが…掛からない。いくら蹴っても掛からない。困ってREDBARONのメカニックにキックしてもらうとすんなり掛かる。うおー、これは練習あるのみですね。以前、KDXに乗っていた頃はずっとキックでしたが、あれは125cc。今度は600cc。しかもシートの高さも10cm以上違うのでキックはかなり難しそうです。というか、なんでこんな大排気量なのにセルが無いんですかー。おまけに車両重量も思った以上に重くて取り回しが大変。シートも高くて足着きも両足べったりとはいきません。タンクもビックタンクに変えてもらったためニーグリップも難しめ。おまけに荷物がバイクに積んでみると結構重いという事もわかり、正直このバイクを乗りこなせるのだろうかと不安に思ってしまうTT600R第一日でした。

買い物
シティレール(CENTRAL-LIVERPOOL往復) A$4.60、朝食 A$3.60、バイク A$9290、保険 A$534.05、夕食 A$5.55、モーテル A$32.50、クッキー A$3.00

5月24日

天候:晴れ

ようやくオーストラリアツーリングの開始です。ここまで長かったですね。せっかくなのでSYDNEYのHARBOUR BRIDGEからスタートにしようという事になり、CITYの渋滞を避ける為に朝6時にモーテルを出発しました。

とりあえずモーテルの隣にあるロードハウスで燃料を満タンにし、スタンドの隣でキック、キック、キック(笑)。海星さんと二人で交代でキックしてようやく掛ける事に成功しました。でもやはり先行き不安です。

HARBOUR BRIDGEまでは市内道路を約30km程。渋滞を避けようと早めに出た積もりなのですがすでに結構渋滞しています。それでも何とかCITYまで辿り着いた辺りでこれまで以上の渋滞。日本の都心部と変わらない様なひどい渋滞で、クラッチを握る左手が痛いなぁと思う頃、急にTT600Rのエンジン温が上がってきたかと思うとエンジンストール。どうやらオーバーヒートの様です。空冷エンジンは渋滞には弱いですが、250ccではオーバーヒートまではなったことがありません。やはり600ccはそれだけ熱いという事なのでしょうか。仕方が無いのでエンジンが冷えるまで人間も休憩。結局30分ほど経ってからようやくHARBOUR BRIDGEを渡ることが出来ました。

その後は、しばらく一般道のPacific HIGHWAYを走った後、バイパスへ。バイパスに移った後は快走、快走。NEWCASTLEを経てしばらく先のYHAまで行く積もりだったのですが、途中で日が暮れてしまったので、KARUAHという小さな街の近辺のモーテルに入って今日のツーリングはおしまい。ところでこのモーテルですが、昨日のモーテルに比べてえらく綺麗です。宿代は同じA$65なのですが、とても同じ値段とは思えません。いつもこれくらい綺麗な部屋だとモーテルもとても価値があるのですが。というかやはり昨日泊まった所が汚な過ぎたんでしょうね。

走行距離
241km
買い物
ペトロール A$10.00、昼食 A$8.50、ペトロール A$10.55、夕食 A$5.00、パン A$2.35、モーテル A$32.50
HARBOUR BRIDGE手前で一休み
HARBOUR BRIDGE手前で一休み

5月25日

天候:晴れ

今日はゆっくりめに朝9時に出発。心配されたキックも10分程の格闘で何とか始動。やはり朝一番は掛かりにくいですね。そして再びPACIFIC HIGHWAYを快走、快走、快走。オーストラリア大陸の東海岸は海と山脈に挟まれた地形だからでしょうが、それほど大陸らしい景色が広がっているわけではありません。言ったらなんですが、日本でも見れなくは無い景色が続きます。ただ、長距離こんな田舎の景色が続くことは日本では有り得ませんね。また、道路も思ったよりは余程整備されていて走りやすいです。舗装は所々荒れている所もありますが、今のところダートはありませんし、案内看板も充実しています。そして無料の道路なのに休憩所などがきちんと整備されていること。これは親切だと思います。

実は昨日、その休憩所で休憩しているときに地元の人に「この近くにすげえでっかい木があるからそれを見ていけ」と言われていたので、それを目当てにしていたのですがどうやらHIGHWAY沿いにあるわけではなくかなりわき道に入ったところにあるようです。わたしはそれほど興味をそそられなかったのですが海星さんは是非見たいとの事。それならばという事でわたしが休憩している間に海星さんが一人で行ってくる事になりました。待っている間は天気の良い休憩所でぼやーっとする。こういう時間は幸せですねぇ。

そうこうする内に1時間程で海星さんが戻ってきました。話を聞いてみると、辿り着くまでの道がものすごいダートだったそうで、ダート走行の下手なわたしとしては行かなくて正解という所でした。そして本題のでっかい木は「たしかにでっかいけど…あはは」という事でした。なんだそりゃ?

その後、またPACIFIC HIGHWAYを快走、快走。昨日まではまだ交通量もかなり多めだったのですが、この辺りまで来るとかなり少なくなってきました。道の脇も牧場とか森とかばかりが続くようになり、ありきたりな発想ですが「こういう所に住んだら気持ちがいいだろうなぁ」という風景です。景色も良く天気も良く、まさにツーリング日和です。ところでバイク屋が少ない事からも推測されますが、オーストラリアのバイク人口はどうやらかなり少なめのようで、実際すれ違うバイクはかなり少ないです。ただ、その少ないバイクから時々挨拶が送られてくるので、こちらからも挨拶を返します。もしかしたら相手も日本人なのかもしれませんが、それでもオーストラリアの地でバイク乗り同士で挨拶を交せたのは結構感動ですね。

そうこうしている内に夕方になってきたので、今日はKEMPSEYのモーテルに宿泊。ほんとはテント泊もしようと言っていたのですが、夜はまだまだ冷え込むのでこれは寒いだろうということで軟弱にモーテル住まいになっています。しかし、今日のモーテルは二人でA$49.50ですから、これくらいの値段だったら許せるかなという気もしてきます。

部屋も取れたので、では部屋の前にバイクを動かそうか、というところで、やってしまいました。立ち転け(^^)。さすがにこれだけ重いバイクは倒れ掛けたら支える事も出来ず、なすすべもなく転倒。ブレーキレバーが2/3位のところでポッキリいってしまいました。幸い、指が3本は掛かるので運転に支障はありませんが「買って二日目に転かすかぁ」と海星さんに笑われてしまいました。

走行距離
229km
買い物
モーテル A$24.75、夕食+ビール A$10.25、洗濯 A$1.00
うし…
うし…
この先注意
この先注意
へーい、今行きます
へーい、今行きます
休憩中
休憩中

5月26日

天候:晴れ

朝のお勤めのキック連発をしてスタート。今日も天気が良いです。しばらく走った後ペトロールを給油。320km程度走ったところで約15リットル入りましたから燃費は21km/リットル程度ということでしょうか。タンク容量が21リットルですから単純計算で440kmを無給油で走ることが出来る事になります。600ccという事であまり燃費が良くないかと想像していたのですが結構走りますね。これでアウトバックも安心とまではいきませんが、思ったよりは安心できそうです。

また、この頃になってくるとようやくバイクにも慣れてきたといいますか。昨日立ち転けをしておいてなんですが(^^)。とりあえずどっかとシートに腰を落ち着かせている分にはなんとかなりそうです。ただ、やはり車両重量がある事と足着きの問題がありますから、取り回しは難しいです。これは日本の林道の様な細かい走りをするというよりもロング&ストレートを悠々と走ると行う様にツーリングスタイルそのものを考えないといけないでしょうかね。というかよく考えるまでもなくビックオフというカテゴリーはそういうバイクの様な気もしますが。

その後もPACIFIC HIGHWAYを北上を続けます。COFFS HARBOURを過ぎた辺りからどこか休憩所があれば休憩しようと思いながら走っていたのですが、なぜか今日に限ってなかなか休憩所がありません。結局トラック用のパーキングエリアをGRAFTONの手前で見つけて止まったときには、2時間130kmを連続走行してしまっていました。これだけ続けて走ると、はっきり言って体のあちこちが痛いです(^^)。この時点で12時を回った頃で、今日はどの辺りまで走るかと相談になって、翌日楽にBRISBANEに着きたいならBALLINAまで行くべきだろうという事になりました。BALLINAからならBRISBANEまで約200kmですから一日あれば余裕でたどり着きます。ということでここから再び走って走って、ようやく午後4時頃にBallinaへと到着する事ができました。本日の走行距離約320km。これまでで最高記録。 たいした距離ではありませんが、昼間の時間帯だけに詰めて走ったのでやはり体が痛いです。

走行距離
319km
買い物
ペトロール A$15.40、モーテル A$21.00、夕食 A$9.95、ドリンク A$3.05
久しぶりに見た川
久しぶりに見た川

5月27日

天候:晴れ

残すところBRISBANEまで約200km。別にBRISBANE自体に大した目的があるわけではなく単にSYDNEYから約1000kmと慣らし運転にちょうどいい距離にある大都市というだけなのですがね。BRISBANEについたらバイクの初回定期点検を行う予定です。

PACIFIC HIGHWAYを続けて北上するのですが、この辺りから道の様子が随分と変わってきました。まず道の脇にある植物が熱帯仕様に変わってきたこと。いかにも南国(こちらでは北国)に来たという雰囲気です。そしてもう一つは道がどちらかというと峠道になってきたこと。これまでPACIFIC HIGHWAYはずっと広くてまっすぐで平らな道が続いてきたのですが、この辺りは丘陵地帯らしく多少のアップダウンと比較的狭い道が続きます。これはこれで変化があって楽しいですね。峠にさしかかった時には景色も開けますし。

所でHIGHWAYを走っている途中、時々"TOURIST DRIVE"という看板を見かけることがあります。いったい何だろうと思っていたのですが、ガイドブックを調べてみるとこれは旅行者向けに景色が良かったり名所がある所への道を案内しているということでした。もちろん多少遠回りにはなりますが、元のHIGHWAYに戻る事は出来ますから、その点は安心です。ということで、次に"TOURIST DRIVE"という看板を見つけたら入ってみようと思っていたら早速見つかりました。これまでのHIGHWAYと違って道は多少狭く曲がりくねってきますしもちろん制限速度は低くなりますので高速で走ることは出来なくなりますが、確かに景色の良いコースが続きます。なんというか田舎ののどかな風景の中を走るというところですね。そしてたまたま入った"TOURIST DRIVE"でしたがこの道の目玉はGOLD COASTです。停車して眺めはしませんでので通りすがりの一瞬でしたが、確かに海はとても綺麗でした。オーストラリア一の観光スポットと言われるのも頷けます。

そして道は再びPACIFIC HIGHWAYに戻ります。この辺りからはBRISBANEが近づくためか片側4車線のFREEWAYにと変わっていきます。景色はつまらなくなりますが、走るには快適です。そして、いくつかのなだらかな丘陵を越えて、ついにBRISBANEの街並みが見えてきました。SYDNEYを出発して以来見たことのなかった高層ビル群が見えるとちょっと感動してしまいました。

少し複雑なCITYの道を走り、今日の宿のBRISBANE CITY YHAへとやってまいりました。まだ午後2時と宿を取るには早い時間ですが、この街でこれからバイク屋を探して1000km点検をしてもらわなければいけません。早速YHA内でYellowPageを引き、3件ほどのバイク屋を見つけたのですが、どこも電話をしてみるとお休み。考えてみれば日曜ですから仕方ありませんね。バイク屋には明日行くことにして結局今日は休息となりました。

走行距離
205km
買い物
ペトロール A$14.55、ドリンク A$1.30、夕食 A$5.50、絵葉書 A$0.55、YHA A$22.00
MooMooロードハウス
MooMooロードハウス
BRISBANEまであと一息
BRISBANEまであと一息

5月28日

天候:晴れ

朝早起きして、とはいかないわたしの場合(^^)。ぼちぼちの時間に起きて、まずはせっかくの大都市に来たということで本屋に行き、詳しい道路地図探し。が、結局思ったほどの地図は見つからず、PENGUINSのオーストラリアN ROAD ATLASとQLD州のOUTBACK地図を買っただけでした。多くの地図には休憩所はある程度載っているのですが、それに加えてロードハウスとキャンピングサイトの場所が記入してあるものが欲しいのですが、なかなか思ったものは見つかりません。

YHAに戻ってチェックアウトを済ませた後、いよいよバイク屋へ。多少迷ったもののなんとか目指すMETRO YAMAHAに無事に着くことが出来ました。そして、つたないわたしの英語力でなんとかバイクの1000km点検をして欲しいというのも伝えることが出来たのですが、なんと今日はバイク屋は作業予定がいっぱいで、明日にして欲しいとのこと。仕方がないのでBRISBANE市街へ逆戻り。結局同じYHAにもう一日宿をとったのでした。

宿に戻るまで、少し海星さん先導でBRISBANE市街を走りまわっていたのですが、ここでもつくづくTT600Rは街乗りというか細かい乗り回しに向いていないバイクだなあと思わされました。特にBRISBANE市街には坂道の交差点がたくさんあり、足つきが悪いわたしとしてはかなり辛いです。それに引き換え海星さんのXTの街中での軽快そうな事。しっかり差を見せつけられてしまいました。

走行距離
61km
買い物
朝食 A$4.70、切手 A$10、夕食 A$5.55、ドリンク A$1.85、地図 A$30.25、YHA A$22.00

5月29日

天候:晴れ

今日こそは、ということで再び(日曜も合わせると三度)METRO YAHAMAへ。昨日予約していた事もあり、今日はすんなり点検を依頼出来ました。点検が完了するのは正午頃ということなので、それまでは近所のショッピングセンターに行き買い物をして時間をつぶしていました。もっとも買い物といっても食料ばかりなのですが。SYDNEYにしてもBRISBANEにしても、オーストラリアのバイク屋は市街地からは少し離れた郊外にあることが多いようですが、アクセスの面でもこういった待ち時間の時間つぶしの面でも不便になってしまいますね。

さて正午頃にバイク屋に戻ってみると無事にメンテナンス完了。わたしのTT600Rの折れたブレーキレバーも交換してもらっていたので、折れたレバーの方も返してもらってこれはいざというときの予備にする事にしました。その後このMETRO YAMAHAのRonさんと少し話をしたのですが、彼いわく「日本人なら賀曽利さんを知っているか。彼は友だちだ」だそうです。うーん、賀曽利隆さんであれば世界中どこにでも友人が居ても当然ですが、まさかこちらがその人に出会うことになるとは思ってもみませんでした。

そして、再び北へと進路を取り出発です。ここからは同じ国道1号なのですが、呼び名がPACIFIC HIGHWAYからBRUCE HIGHWAYへと変わります。この日は午後出発にしては頑張ってBRISBANEから約150km走りGYMPIEという街までやってきました。さて今日はどこに泊まるかということで、HIGHWAY沿いのモーテルを品定めしながら走っていたのですが一軒綺麗そうな所があったので、そこに決めてチェックインしました。ちなみにここは確かにすごく綺麗なモーテルだったのですが、それに比例して値段も高め。なんとダブルでA$92もしました。これまでのモーテルの最高価格です。部屋の中のガイドブックを読んで知ったのですが、ここはFLAGSというホテルチェーンなのですが他のホテルはどれも一泊A$200とかA$300のリゾートホテルばかり。ここはそのチェーンのなかでの変わり種のモーテルだったようです。これからはFLAGSのマークを見たら避ける様にしましょう(^^)。

今日の夕食は、海星さんが以前から見かけて気になっていたというRedroosterという ファーストフードへ。ちなみにモーテルからは目の前にあり歩いていくことが出来ます。赤い鳥マークの看板が目印のこのお店ですが、入ってみるとチキン中心のファーストフードチェーン店でした。二人で適当なメニューを頼んでみたのですがA$5.95とそこそこの値段の割りには量はたっぷりでなおかつ味もまあまあ。二人ともお腹いっぱいになることができましたので、これは結構お得なお店を見つけることが出来たというところですね。

走行距離
187km
買い物
バイク整備 A$193.90、昼食 A$10.95、ペトロール A$13.15、モーテル A$46、夕食 A$5.95、ビール A$1.80
METRO YAMAHA
METRO YAMAHA

5月30日

天候:晴れ

GYMPIEのモーテルを出発し、更にBRUCE HIGHWAYを北上します。予定ではROCKHAMPTONまで北上を続けここから西へ転進。内陸部を南に走って6月10日頃にSYDNEYまでいったん戻る計画です。

この辺りは特に取り立てて変わったことがあるわけではなく、淡々と北上を続けます。ただ、道がPACIFIC HIGHWAYと違って片側1車線になることが多くなった事と、時折路肩や平原に見える土が赤くなってきた事が違いといえば違いでしょうか。砂漠というわけではありませんが、赤土はなんとなく荒野に来たという雰囲気を醸し出してくれますね。それと、こちらをツーリングしていて変わったことというと、ヒッチハイクしている人を結構見かける事です。もちろんわたしたちはバイクですから人を乗せる事は出来ませんが、あれだけ多くヒッチハイカーを見かけるということは、乗せてくれる人も多くいるのでしょうね。そういえば、これまででも出会ったオージーは過剰なくらい親切な人がたくさんいました。なぜこういう親切が日本では見かけなくなったのでしょうか。結論は出ないかがらも海星さんとそんな話しをしてしまいます。

さて今日は北上を続け、MIRIAM VALEという小さな街のキャラバンパークにテントを張って泊まることになりました。なんと、今回のツーリングが始まってようやく初めてのテント泊です。これまでは重い荷物でしかなかったテント関連の道具がようやく役に立つ日がやってきました。ちなみに同じキャラバンパークに泊まっていた他の人たちは全員キャンピングカー。そういえば走っていてもキャンピングカーをよく見かけます。それはいいのですが、今日は水曜日で平日なのですが、みなさん仕事はいいのでしょうかと、つい日本人的発想のいらぬ心配をしてしまいます(^^)。

走行距離
295km
買い物
ビール A$3.30、ペトロール A$14.00、キャンプ A$5.50

5月31日

天候:晴れ

キャラバンパークを出発する前に売店で水と食料を買い出ししていると、オーストラリア人のオフロード乗りの人に話しかけられました。彼もわたしと同じTT600Rに乗っているのですが、とても汚い…ではなくて走り込まれたバイクです(^^)。話を来いてみるとオーストラリア大陸の東半分をダート中心に走りまくっているらしく特にCAIRNSから北のYORK半島部分を重点的に走ってきたそうです。これから是非行ってみろと言われたのですが、あの辺りはとても激しいダートばかりなので丁重にお断りして別れました。しかし、オーストラリア人でオフロード乗りに出会ったのはこれが初めてですね。

またしてもBRUCE HIGHWAYを北上し、ようやくROCKHAMPTONへ到着。街のインフォメーションに行ってみると"TROPIC OF CAPRICORN"という看板が掛かっていました。何のことだろうと辞書を調べてみると、なんとこの街を南回帰線が通っているのですね。インフォメーションの前にはそれを示すように巨大な日時計と塔が立っています。今は秋から冬に掛けてですから無理ですが、12月下旬の夏至の日になるとこの塔のてっぺんからの影が垂直に落ちる日が来るというわけです。特に考えずに転進の目的地をROCKHAMPTONに定めてきましたが、こういういいものが通っているとは思ってもみませんでした。

そして、ここから予定通り西へと転進。国道66号のその名もCAPRICORN HIGHWAYを走り始めます。走り初めてすぐに景色が一変した事に気がつきます。これまでは基本的に海沿いのルートを通ってきましたから、気候も比較的温暖で植物も豊かな地域を通ってきました。が、ここからはいわば内陸部。木がまばらになり、地面がむき出しか草が生えているだけのどちらかと言うと荒々しい風景が広がります。また、交通量も激減し、気がつくと見渡す限り他に車が見えないと言う瞬間もあったりします。これまでの国道1号は、距離は長いもののどちらかというと景色は日本でも見れなくはないと言う所が多かった様な気がします。しかし、このCAPRICORN HIGHWAYは明らかに日本では見れない風景。オーストラリアに来た、と実感出来る風景です。

今日は、ROCKHAMPTONから西へ約100km走ったDUARNGAという小さな街の休憩所でテントを張ります。休憩所と言っても以前はキャラバンパークとして運営していたようでキャンプが出来る設備が立派にあります。また、他にもキャンピングカーで来ている人が何組みもいますからその点でも安心出来ます。明日は、ここから少し走った所から始まる、FITZROY DEVEL ROADという、今回のツーリング初めてのダートに突入する予定です。さて、オーストラリアのダートはどんな道でしょうか。あんまり激しいとわたしには走れないので(^^)、やさしいといいのですが。

走行距離
272km
買い物
朝食 A$5.75、絵葉書 A$0.35、アイス A$0.80、ペトロール A$13.75、夕食 A$8.75、ドリンク A$1.80
TROPIC OF CAPRICORN
TROPIC OF CAPRICORN

6月1日

天候:晴れ時々曇り

キャラバンパークを出発し、いよいよFITZROY DEVEL ROADへ。HIGHWAYから変わって更に道はマイナー度をアップしているのですが、行けども行けどもダートにはならず。もしかして全舗装されてしまったか、と思った頃にようやくダートが始まりました。ほとんどが赤土の固くしまった道ですが、難点を言えば轍も固くしまっているため下手に乗り上げるとハンドルを取られそうになってしまう事と、道の脇はかなりふかふかの砂地なのでこちらに乗り上げてもハンドルを取られそうになってしまう事。後は、後ろを走っていた海星さんは砂煙をもろに浴びていた事くらいでしょうか(^^)。見通しは非常に良いため、その点でも走りやすい約40kmのダートを走り抜け、BAUHINIAの街へと抜ける事が出来ました。しかしここは街というよりは集落と言う感じで、特にお店などもなさそうだったので少し休憩しただけで、今度はDAWSON HIGHWAYを西へと走り続けます。

DAWSON HIGHWAYはCAPRICORN HIGHWAY以上に荒涼としていて、しかも行き交う車もほとんど無く、いっそう荒野に来たという感じを醸し出しています。道の両脇に集落すらなく、時折牧場らしきものが見えるだけ。あまりにもただ道があるだけの道を走り続けていると、なんかいろいろと考え込んでしまいそうです。と言ってももちろんぼんやりしながら走っているわけではありませんが。

そして辿り着いたのがSPRINGSUREという小さな街。小さいながらも一通りの設備が整っているという事だったので、明日のロングダートに備えて久しぶりにモーテルに泊まろうかと思ったのですが、なぜかどこも営業していません。後で知ったのですが今日6月1日はこの街のお祭りのようなものがあるらしく、モーテルどころかほとんどの商店がお休みするのだそうです。仕方が無いので、それでも営業していたロードハウスに併設されたキャラバンパークに宿泊しました。本当はこの街で食料も仕入れておきたかったのですが、商店がお休みですので仕方ありません。夕食はロードハウスのテイクアウェイで夕食を済ませました。ハンバーガーとサンドイッチを頼んだのですがここでは一つ一つ注文してから作ってくれる上に味も結構いける。それでいて二人で腹いっぱい食べて飲み物を付けてA$17でしたから結構お得でしたね。

明日はいよいよ総延長246kmという日本では考えられない長距離ダートであるDAWSON DEVEL ROADへと挑戦する予定です。

走行距離
260km
買い物
ペトロール A$18.00、キャンプ A$4.00、洗濯 A$1.20、夕食 A$10.90

6月2日

天候:晴れ

さていよいよDAWSON DEVEL ROADへ向かって出発と思ったときに、ふとわたしのTT600Rを見てみると、ドレンホースからペトロールがぽたぽたと結構な勢いで落ちているではありませんか。どうみても尋常な量ではありませんし、このまま走れば燃費半減以下という事になりそうです。これでは途中246kmの区間に一切の補給の無いDAWSON DEVEL ROADはとても走れません。それ以前にペトロール漏れは結構やばい事態ではあります。どこかのセッテイングが狂ったのだろうとは思うのですが、わたしのメカ知識ではとてもどこがおかしいか分かりません。また、今居るSPRINGSSUREはとても小さな街ですからバイク屋などあろうはずがありません。どうするか困った挙げ句、SYDNEYのREDBARONに電話で聞いてみる事にしました。REDBARONならオザワさんが居られるので、少々込み入った話でも日本語ですることが出来ます。結局、REDBARONからのリモート指示は「キャブレターを軽く叩いてやれば止まるだろう」との事。実際その通りにしてみるとペトロール漏れは止まることは止まりました。しかし、これではやはり心配ですので今日の所はダートを取りやめて、しばらくオンロードを走って様子を見る事にしました。

SPRINGSUREから進路を北に取り、66km走ったところにあるEMERALDまでやってきました。試しにペトロールを入れてみても走ったなりの量しか入りませんから、とりあえずペトロール漏れは止まったようです。まあ、これで一安心ちうとことでしょうか。EMERALDの街は思ったより大きく、久しぶりに大型のショッピングセンターもありましたのでここで食料をまとめ買い。しかし、昼食を取ったりしてのんびりしていると思ったより時間が過ぎてしまい午後2時を回ってしまいました。これでは今日はもうあまり走る時間がありませんので、仕方なくEMERALDのキャラバンパークに宿泊することになりました。今日は久しぶりにほとんど距離を走らなかった一日でした。

ところで、昨日泊まったキャラバンパークもそうだったのですが、キャラバンパーク内にトイレや水道はもちろん、簡単なキッチンやシャワー、コインランドリーなどがきちんと設備されています。どうやらオーストラリアのキャラバンパークではこういった生活設備もあるのが結構当たり前の様です。これはわたしたちを含めて長旅をしている人には便利な事ですね。

そしてこの日の夜のご飯は、昼間の買い出しで買っておいた"オージービーフ"を使ったステーキ。ちょうど手持ちのフライパンで焼ける程度の大きさのものが売っていたので買ったのですが、焼いてみてこれは大正解。おいしい(^^)。もっと固いかと思ったのにお肉が柔らかく、これで一人A$2程度とはやはりこちらではお肉は安いですねぇ。

走行距離
100km
買い物
電話 A$3.20、ペトロール A$3.85、食料 A$14.10、キャンプ A$7.50

6月3日

天候:晴れ時々曇り

EMERALDを出発してとりあえずCAPRICORN HIGHWAYを西へ進みます。途中、BOGANTUNGANという小さな集落があったので休憩。CAPRICORN HIGHWAYはほぼ線路と並走しているのですがこの集落には駅があるため、すぐ近くに駅と線路があります。人影は見えませんし、もちろん列車も当面来そうにありませんので、ちょっと嬉しがって線路を歩いてみていると、その姿を海星さんに写真に撮られてしまいました(^^)。

線路散策を終えてバイクを停めている休憩所に戻ってみると、なんとすぐそばにエミューが一羽近づいてくるではありませんか。人に慣れているのか、特に怖がる事もなくすぐ近くをうろうろしているため、1メートルくらいまで近づく事が出来ました。食べるかなと思って試しにパンをやってみると食べる食べる。やはり人里まで出てくるという事は餌が少なくて飢えているのでしょうか。

しばらく更にCAPRICORN HIGHWAYを走ってAplhaで休憩と給油をした後、今度はTAMBOまで100km以上のロングダートに挑戦です。HIGHWAYから分岐して10kmくらいは舗装路が続いていたのですが、そこから先はいよいよダート開始。前回走ったダートに比べて路面に浮いている砂の量が多くなるため、出来るだけ砂の少ない所を選びながらのちょっとしんどい走りとなりました。それでも時々砂の中に突っ込んでしまい、わたしは二度ほど転けかけてしまいました。なんとか転けずには済みましたけど。前回、後ろを走ってわたしの砂煙をさんざん浴びてしまった海星さんは今回率先して前を走っていたのですが、途中一度牛の群れの中に取り込まれてしまって見える事がありました。後で聞いてみると道の右側に居た牛の群れがバイクの音に驚いてよせばいいのに道の横断を始めてしまったそうです。一応海星さんの前を牛の群れは通過したそうですがかなり近いところを走っていったそうなので、もしも体当たりを食らっていたら結構大変な事になっていたでしょうね。

なんとかダートも走り抜け、TAMBOに到着。今日もキャラバンパークでテントを張って泊まります。この日の夜、次の入国時のツーリングについて少し海星さんと話をしたのですが、わたしは二ヶ月か三ヶ月掛けてほぼオーストラリア大陸を一周したいのに対して、海星さんはやはり仕事の都合があってそこまでは付き合えそうにないとの事。そこで、海星さんに付き合ってもらえる最初の内に危険そうなダートルートをこなしてしまい、その先のルートはわたし一人で比較的安全なルートを選びながら走るという事になりました。

走行距離
307km
買い物
チョコレート A$1.40、ペトロール A$17.05、キャンプ A$5.50
廃線跡…ではありません
廃線跡…ではありません

野良エミュー
野良エミュー

しっかり補給
しっかり補給

オージーダート
オージーダート

6月4日

天候:曇り後晴れ

オーストラリアでキャンプをはじめて気がついたのですが、朝が遅い。というか日が短い。考えてみれば、今オーストラリアは秋ですから日が短くて当然ですね。しかし、基本的に日のある内にしか行動できないキャンプツーリングでは行動時間が短くなって不便です。

この日はTAMBOから南下。いよいよSYDNEYへ向けての帰路につくことになります。LANDSBOROUGH HIGHWAYを走り、CHARLEVILL方面へ向かう予定だったのですが、途中海星さんがMITCHELLという街にSPAがあるという看板を発見。急きょ進路を変更して東のMITCHELLへ向かうことになりました。

ところで、この日は走っていてやたらとカンガルーの死体が道路に転がっています。もちろんこれまでもいくつも目にしたのですが、どういうわけか今日はとても数が多い。数百メートルおきに転がっているという感じです。道の真ん中に転がっているものの、あまり踏みたくありませんから当然よけながら走ることになるのですがそうすると風景を楽しみながら走るというよりも、ひたすら道のカンガルーを見ながら走るという感じになってしまいました。

そうこうしているうちに無事にMITCHELLに到着。まずはモーテルを決めて荷物を降ろした後、インフォメーションセンターに併設されたSPAへ。基本は温泉ですが水着を着て入るというのが日本の多くの温泉と違うところですかね。最近は日本でもSPAがあちこちにあるようですけど。MITCHELLのSPAは、オーストラリアでは大きなSPAらしいのですが、実際にあるのは小さめの池といった感じの浴槽(?)が二つ。それぞれ熱いのと冷たいの。お客さんも数人といった所で、日本の温泉地を想像するとあまりにも隔たりがありますが、これはおそらく日本の方が変わっているのでしょうね。お湯はぬるめでしたが、オーストラリアまできて温泉に入れるという貴重な大変を出来てこれはこれで満足です。

走行距離
296km
買い物
昼食 A$4.10、スパ A$5.50、食料 A$4.00、夕食 A$4.10、モーテル A$41.00

6月5日

天候:快晴

モーテルを出て、すぐ近くのスタンドでとりあえず給油。ペトロールの代金を支払おうとすると、店のおばちゃんが「パンがあるよ」と教えてくれました。昨日の夜に食糧を買い出しに来てパンが無いかどうか聞いたことを覚えていてくれたのでした。昨日は売り切れていましたが、今日は朝の分が入荷した様で在庫がありますので、せっかくなので購入しました。よく見るとMITCHELL BREADとなっていますから、いわゆる大手の製パンメーカー製では無くて地元のパン屋さんで焼いたもののようです。これは味にも期待ができそうです。

そしてMITCHELLを出て東へROMAへと向かいます。昼前には無事にROMAに到着。ROMAは久しぶりに見た大きな街という感じです。この所、集落かそれよりちょっと大きいという程度の所しかありませんでしたから。そして、大きな街である証拠(?)の一つである、大手スーパーWOOLWORTHSで買い出し。その後、海星さんが大きな樽の木があるので見に行こうと言うのでついていくことに。確かにこの辺りには木の幹が太くなってまるで樽のようになった木が多くあるのですが、やがで辿り着いた所にはこの街で一番大きな樽の木がありました。さすがに立派でしばし感心してながめてしまいました。

この後ルートを南に取り、SURATというこれまた集落のような街で休憩した後St GEORGEに到着。St GEORGEもROMAよりは小さいもののそこそこ大きな街でした。街のスーパーで今日もオージービーフを買い出して、キャラバンパークで焼いて食べました。海星さんから「うまい肉をよく見つけるなぁ」と褒めてもらえましたが、たまたまなんですけど(^^)。

ちなみにこの日SURATの街を抜けている途中、初めて3連のロードトレインを見ました。これまで2連のものはさんざん見ていますが3連は初めて。思ったよりは迫力の違いはありませんでしたが、ようやく見れたのは一つ収穫でした。

走行距離
286km
買い物
ペトロール A$17.52、食糧 A$9.00、食糧 A$9.50、ペトロール A$16.00、キャンプ A$6.50
樽の木
樽の木
目指す先は…
目指す先は…

6月6日

天候:曇り後晴れ

St GEORGEを出て南に走ればすぐにNSW州に入ることが出来ます。とりあえずの目的地はSYDNEYですからそっちに行けば近いのですが、そうすると来る時に一度通った道を走らなければならなくなってしまいかねないので、ここはあえて西へ。

ということでBALONNE HIGHWAYを西へ西へと走ります。途中BOLLONという街があった以外はほんとうに何も無い道だけが続きます。日本ではなかなか見られない地平線も飽きるほど見られます。飽きるというのはぜいたくかもしれませんが。途中、BOLLONの街で休憩したとき、飼われているのか柵の中に居るカンガルーを見ました。ペットであろうと野生であろうと生きているカンガルーは珍しい(^^)。普段、道に転がっている死体はいくらでも見るのですが。

BOLLONで休憩した後は街も休憩所も無かったため、休憩するきっかけを失ったまま走り続け、結局CUNNAMULLAという街まで約180kmを一気に走ってしまいました。休憩無しの一気走りは疲れますね。CUNNAMULLAに着いた時点で午後1時半とまだまだ走れる時間帯だったのですが、次にある程度の大きさの街まで250km以上と距離があるので今日はここで宿泊することにしました。たまにはこんな早い時間でもいいでしょう。

随分南に来て、キャンプでは朝晩の冷え込みがきついというわたしの希望が通って今日からはモーテル暮らしに戻ることになりました。お金は掛かるけどモーテルの方が楽なんですよね。CUNNAMULLAの街でそこそこ綺麗そうなモーテルを見つけてさっそくチェックイン。いつもの様に片言の英語で聞き取りもあまり出来ない状態でやりとり。まあ、モーテルに泊まるときなんてだいたいどこでも同じ事の繰り返しですからだいたいなんとかなっていたのですが、この日はちょっとだけ違う。モーテルの人が繰り返し何かを聞いてきます。「パイインザモーニング」と繰り返しているのですが"パイ"って何だ?海星さんと首をかしげていると、モーテルの人が困った末にクレジットカードの支払い伝票を出してきました。ここでようやく理解出来ました。「Pay in the morning?」=「支払いは翌朝にしますか?」と聞いていたのでした。久しぶりにオージー英語にしてやられました。

走行距離
294km
買い物
ペトロール A$16.05、食糧 A$6.50、夕食 A$3.50
ちょっと休憩
ちょっと休憩

6月7日

天候:曇り後雨

モーテルを出てようやく進路を南へ。ここからMitchell HIGHWAYを南下して、いよいよNSW州へと入ることになります。ながらく過ごしたQLD州ともまもなくお別れですね。

約100km程走って、見えてきました州境の看板。こちらからは「NSW州へようこそ」。もちろん反対側にまわってみれば「QLD州へようこそ」の看板も立っています。ちなみにどういうわけか、NSW州の看板は簡素でQLD州の看板は豪華(?)です。QLD州の方がお金持ちなのでしょうか。

もう一つ、州境で止まってみて発見したこと。それは、グリッドが思ったよりも幅の広い溝で構成されていること。いままでは止まったことが無かったのでスピードを少し落とす程度で何げなく通り過ぎていましたが、こうして歩いてみると足がすき間に落ちそうなくらい間が空いています。そしてここだけ鉄製ですから下手をするとバイクが転けてしまうんじゃ??なんでこんな造りになっているんでしょうねぇ。

ひとしきり州境を堪能した後、再び南下。しかし、走っていると途中で雨粒がぼつぼつとしてきます。なんとか降らずに持って欲しいなぁ、という希望とは裏腹に雨粒はだんだん多くなってきます。こうなったらあきらめて本降りになる前にカッパを着たほうが賢いです。止まって道の脇でカッパを着込んで再び走り始めます。すると、雨が降ってアスファルトにたまった水を飲むためにカンガルーが次から次へと道路へ出てくるではありませんか。今日は朝から何度かカンガルーを見かけましたが、もちろんみんなバイクが近づくと一目散に逃げていきます。しかし、この水飲みカンガルー達はなかなか逃げません。ついにはバイクが近寄っても逃げずに水を飲み続けるものが出る始末。たしかに1メートルくらいの距離で野生のカンガルーを見られたのはラッキーですが、もしもバイクの前に飛び出されたらと思うとちょっとドキドキものでした。

そうこうするうちに、なんとか本降りになる前にBOUKEの街に到着。さっそくモーテルを探して部屋に入った途端にバケツをひっくり返したような大雨。良いタイミングで宿に入れて助かりました。

走行距離
258km
買い物
モーテル A$33.50、ペトロール A$12.05、食糧 A$9.55、モーテル A$38.00
州境
州境
これがグリッド
これがグリッド

6月8日

天候:曇り一時雨

天気予報では今日も雨ではありましたが、外を見るとなんとか持っている様なのでこわごわ出発。あまりのんびりしていてもSYDNEYに13日までに辿り着けなくなってしまいますし。

今日もアスファルトの水を求めてカンガルーがたくさん出てくるかと思ったのですが意外にというかほとんど見かけず。途中、1頭が道を横切ったのを見たきりでした。また、夜のうちに道路で水を飲んでいたカンガルーがたくさん車に轢かれたのではないかと想像したのですがそれも無し。なかなか予想通りにはいきませんね。

この日は雨が降らない内に出来るだけ進んでしまおうという海星さんの意見に従ってNYNGANまで約200kmを一気走り。時間にして約2時間半。結構疲れましたが、まだ天気が崩れそうに無いのでそのまま頑張ってDUBBOまで辿り着きました。一日の走行距離としては今回のツーリング中最長です。

DUBBOの街では久しぶりにYHAがあるのでそこに泊まろうと思って探していると、なんと街中でポリスが飲酒検問。片言の英語でなんとかやり取りし、息のアルコールチェックを受けておとがめ無しでした。別にやましいことをしているわけではありませんが、やはりポリスに停められるとドキドキしますね。しようと思っても出来ない貴重な体験とも言えるのですが。そうしてなんとか辿り着いたYHAはなんと今日は休み。もう営業していないと言う事はなさそうな雰囲気でしたので今日だけたまたま休みだったんだと思いますが、これは少々ショックでしたね。

結局、街中を少し走って前から気になっていたFormule1というチェーンのモーテルに泊まる事にしました。ちなみにこのFormule1。ちょっと新しいタイプのモーテルの様で、各部屋にはこれまであったモーテルの様に冷蔵庫やインスタントコーヒーなどのサービスが無い代わりに自動販売機がロビーに置いてあります。その代わり料金はA$45.00と安めに設定されていますし、モーテル全体がシステマチックに出来ていて、モーテルにおけるファーストフードといった感じです。均質でそこそこのサービスを安価に受けられるのであれば、我々の様に単に寝る場所を求めている旅行者にとってはありがたいです。こういうサービスは果たして今後オーストラリアで受け入れられていくのでしょうかね。

さて、DUBBOまで来てSYDNEYまで残すところ約400kmとなりました。日本で考えると東京から名古屋までよりまだ遠いのですが、オーストラリア感覚で考えるとすぐ近くまで来たと言う感じです。実際、DUBBOの街自体もかなり大きい街ですし、ここに来るまでの道も、これまでのOUTBACKの荒涼とした雰囲気よりも郊外ののどかな雰囲気です。SYDNEYまで残すところ2日程度。SYDNEYに着いたらLIVERPOOLのREDBARONに行き、メンテナンスを受けると共に、一時帰国して再出発するまでの間バイクを預かってもらおうと考えています。

走行距離
369km
買い物
昼食 A$7.00、ペトロール A$11.80、モーテル A$22.50、夕食 A$6.45、洗濯 A$2.00、ドリンク A$1.50

6月9日

天候:晴れ

DUBBOの街を出発してSYDNEY方面へ向かいます。道はこれまでの荒野の道から更に変わってきて、もう普通の街中の道路の様です。コーナーが多く、交通量も多いため結構気を使います。ただし、その分景色の変化が多くあるのは楽しめて良いとは言えるのですが。

途中、ORANGEの街に通りがかり、昼食として久しぶりにマクドナルドへ。わたしはオージーバーガーセットを頼んだのですが、ここでもオージーバーガーには赤かぶの漬物が。オージーはそんなにこの赤かぶが好きなのでしょうか。わたしとしては、食べられなくは無いのですがそんなに好きでも無いというところでしょうか。出来れば入っていない方がうれしいですかね。

その後、道はR32のままMITCHELL HIGHWAYからGREAT WESTERN HIGHWAYへと変わりながらもそのまま走り続けます。丘陵地帯のようなところをアップダウンを繰り返し、結構良い景色を楽しみながら走っていたのですが、どうにも寒い。休憩した時に海星さんにGPSで高度を測ってもらったら、なんと標高1130メートル。それは寒いわ。どうしようもないので、寒さ対策のためにカッパを着込んで走りました。

更に走るとだんだんBLUE MOUNTAINへと近づいてきます。今日はBLUE MOUNTAIN内のKATOOMBAという街の辺りで泊まろうかと思ったのですが、行ってみると週末ということもあってか宿がどこもいっぱい。それでもなんとかツーリストインフォメーションで空き室のあるところを一軒見つけてもらって、宿泊することが出来ました。

走行距離
304km
買い物
コーヒー A$1.20、チョコレート A$1.50、ペトロール A$17.50、昼食 A$7.55、ホテル A$20

6月10日

天候:晴れ時々雨

かなり寒かったKATOOMBAを出発し、山を降りていよいよSYDNEYへと向かいます。オーストラリアの道では、急なコーナーには速度制限の警告標識が出ているのですが、これまで見かけたものはせいぜい95km/hとか85km/hといったものでした。しかし、ここBLUE MOUNTAINではそれらよりもはるかに低い速度制限が掛かっています。もっとも低いもので35km/h。実際かなりきついコーナーですね。おまけに有名な観光地という事で交通量は多いわ、路面のアスファルトがかなり荒れているわで、少々走るのがしんどい道でした。

そういうしながらも、お昼ごろには目指すLIVERPOOLのREDBARONに到着しました。ここで点検がてらバイクと荷物を預かって貰おうと思ったのですが、今日は日曜で営業はしているものの、メカニックの人たちが出勤していないと言う事で、あさって来てくれと言われてしまいました。本当ならば明日の月曜日でも良かったのですが、タイミングの悪いことに明日は女王陛下の誕生日でお休みとのこと。うーん、国も変わればもちろん祝日も変わるわけですが、まさかこんなタイミングでやってくるとは。

当てが思い切りはずれてしまったのですが、途方に暮れていても仕方が無いので万一REDBARONでバイクと荷物を預かって貰えなかったときの為に、空港で預かって貰えるところが無いか調べに行く事にしました。途中、有料道路を使ったこともあって空港に楽々到着。1カ月近くぶりに空港に来ましたが、思えば前回来たときはオーストラリアに着いたばかりで、勝手も分からず困っていたなぁということが思い出されます。とは言っても今でも大して勝手が分かるようになったわけではないのですが。

空港で調べてみると、荷物の預かりが1日約A$4、バイクの預かりが1日約A$13。わたしの場合で2週間位は預けておきたいと考えていますから、これはかなりの出費になりそうです。まあ、REDBARONで預かって貰えなかった場合の保険としては有効でしょうか。

空港での調べものが終わったので、SYDNEYのCITYへと移動。出国までの3日間は例によってSYDNEY CENTRAL YHAに泊まって過ごすことにしました。普通のツインルームに空きが無かったため、バストイレ付きのいい部屋になってしまいました。いい部屋なのは良いのですが、一日A$40と高くなってしまうのは辛いですね(^^)。

走行距離
131km
買い物
有料道路 A$3.30、有料道路 A$3.20、YHA3日分 A$120、昼食 A$5.95、夕食 A$13.00、食糧 A$28.55、ドリンク A$1.70

6月11日

天候:晴れ後曇り

さて今日は何をするかというと特に予定がありません。海星さんはKOARA Parkという動物園に行ってくると言うのですが、わたしはそれほど"どうぶつすき〜"というわけではありませんのでパス。今日は別行動を取ることになりました。

せっかくなのでいくつか気になっている調べものなどを済ませてしまおうということで、まずは図書館へ。ここには全国の電話帳がありますので、あらかじめ主要都市のYAHAMAディーラーショップを調べておこうという魂胆です。

その後は街を少しぶらつきながらお土産物を少し見繕い。それほど買っていく先があるわけではないのですが。また、日本語のニュースペーパーが置いてないかと思いTHE ROCKSのインフォメーションに行って聞いてみたところ、ここには置いていないが近くにある日本関係のお店なら置いているのでは、と一番館と日本屋というお店を教えて貰いました。さっそく行ってみると、確かに日本製品がいろいろと売っています。きっと、留学や仕事でこちらに滞在している人が利用しているのでしょうね。わたしはもうすぐ日本に帰るので、わざわざここで買うことも無いので何も買いませんでしたが、オーストラリアに住んでいる日本人の生活の一端を見たようでなかなか楽しい場所でした。

だいたい今日の成果(?)はこんなもんなのですが、思うのはSYDNEYを歩くのもなんとなく慣れてきたような感じがすることです。前回の滞在では1週間も居たものの、バイクでツーリングに出る前の準備という事で、あまりSYDNEYの街自体には興味が持てませんでした。が、今は帰国する前の自由時間という感じで、ようやくSYDNEY自体に興味を持つ余裕が出来てきたようです。街のおおよその地図や様子が頭に入ってきたというのも大きいかもしれませんね。

夜になってYHAに戻った所、海星さんの提案でYHAに隣接するパブに飲みに行く事に。正直、これまでちょっと危険かなと思って避けていたのですが、そう言っているといつまでも行けないのでここは試しという事で。行ってみると、システムとして日本の飲み屋と大きく違うのは、つまみメニューが全然無いこと。どうやら飲む専門のようです。もう一つは支払いが飲み物と交換という事。分かりやすいと言えば分かりやすいですね。さて、お店の中自体は、とても混んでいる上にD.Jの声が店内に鳴り響きとてもやかましいです。もう少しゆっくり飲めるようなところを想像していたのでこれはちょっと当てが外れましたかね。結局、海星さんともども早々に退散してしまいました。

走行距離
2km
買い物
駐車場 A$11.00、駐車場 A$46、食糧 6.85、お土産 A$1.00、お土産 A$18.90、地図 A$18.95、お土産 A$13.90、インターネットカフェ A$3.00、パブ A$3.50、食料 A$7.50

6月12日

天候:曇り

朝からバイクでYHAを出てREDBARONのあるLIVERPOOLへと向かいます。ちゃんとたどり着けるか心配でしたが、どこの案内看板にもLIVERPOOLは載っていたので迷わずに来れました。こういうときに大きな街は便利ですね。

REDBARONでは、バイクのメンテナンスと共に、バイクと荷物をしばらく預かって欲しいとお願いした所、こころよく引き受けてもらえました。しかも、預かり料なども特に必要ないとの事。助かったー。これはほんとに助かりました。

しかし逆に助からなかったことが一つありました。それは、REDBARONの住所でわたし宛に、なんとスピード違反のお知らせが届いていた事。それによると、PACIFIC HIGHWAY近くで15km/hオーバーで走行したので、罰金A$115を支払いなさいとの事。がーん。道路に設置されている自動速度計測機で見つかった様です。これはこれでショックですが、それよりもショックなのはスピード違反がわたしだけな事。スピード狂で実際いつも飛ばしまくっている海星さんの方には何も無し。これはおかしい。絶対おかしいぃ!!でも、とりあえず荷物を預かってもらえた事、スピード違反のお知らせを受け取ってくれた事を、REDBARONの人によくよくお礼を行って、今度はシティレールでCITYへと戻りました。

時間はおおよそ午後になりましたが、これからはCITYで再び情報収集。まずはDARLING HARBOURにあるNT準州の観光案内所へ。ここで、次回に挑戦する予定のGREAT CENTRAL ROADの情報と通行許可の取り方を教えてもらえないか、と思っての事です。実際に聞いてみると残念ながら欲しかった情報は得られなかったのですが、代わりにNT準州のロードハウスやキャラバンパークの位置が書き込まれた地図が貰えました。こういう地図はとても役に立つのですが、なかなか見つからなくて困っていましたのでとても助かります。

その後は、トラ・トラとパドちゃんという名前の日本人向けの旅行代理店へと向かいました。これらのお店は旅行や航空券の手配だけではなく携帯電話の販売やレンタルも取り扱っています。次回来た時に海星さんが借りる携帯電話を調べに来たのでした。結局このときはパドちゃんで借りるのが一番安いという結論になったらしく、予約も済ましてきたようでした。

走行距離
34km
買い物
コーヒー A$1.30、シティレール(LIVERPOOL-TOWNHALL) A$4.80、チョコレート A$1.80、お土産 A$21.90、コーラ A$1.30
スピード違反のお知らせ
スピード違反のお知らせ

6月13日

天候:曇り

海星さんが「NT準州の観光案内所がSYDNEYにあるくらいなら、きっとSA州やWA州のもあるに違いない」と言い、あちこちに電話して調べていたようですが結局よく分からずしまい。やはりここにも英語の壁が歴然としてありました。

ということで、CITYで特にすることも無くなったので、荷物になるお土産を最後に買い込んで空港に移動。空港に着いたのは午後2時頃ですが、我々の乗る飛行機が飛び立つのは午後10時15分。チェックインしようとすると案の定早く来過ぎと言われてしまいました。しかしいまさらどこかに行く気もなく何かをする気もなく、結局二人して空港のソファーに座って夕方までの時間を潰してしまったのですた。いやぁ、時間って潰そうと思えば潰せるものですね。

そして無事にチェックインを済ませ、出国手続きも完了。定刻よりも少し遅れたものの、カンタス航空21便成田行きは無事に飛び立ったのでした。

買い物
電話 A$0.40、おみやげ A$51.00、シティレール(TOWNHALL-INTERNATIONAL AIRPORT) A$10.40、ドリンク A$2.50、サンドイッチ A$4.50