オーストラリアツーリング 共走編

走行ルート

走行ルート
走行ルート

7月15日

天候:雨後曇り

朝起きて海星さんのテントの所まで行く。海星さんも起きていたようなので、とりあえず一緒に朝食。こうして二人で食べるのも久しぶりですね。そしてご飯を食べ終わったら、来たばかりの海星さんをリゾートセンター内を一通り案内。と言っても、わたしも1日早く来ただけなんですけど。

午後海星さんのバイクのエンジンから変な音がするというので、とりあえず聞かせてもらいました。確かに変な音はするものの、わたしのメカ知識ではさっぱり原因は不明。もしかして、以前わたしのKDXで起こったトラブルと一緒かと思ったのですが、音はどうも違う感じです。もっとも、KDXとXTでは2ストと4ストという違いもありますから、まったく事情も違うでしょうけど。

とりあえずオイルが減っているようなので、念のためオイル交換をしましょう。廃油処理をしなければいけないので、リゾート内のロードハウスに移動。ところが、海星さんによると店員に聞いたら、廃油は地面の適当な所に落としていいとの事。ほんとかなぁと思いつつ、路面に真っ黒な廃油を流し始めた所、店員が血相を変えて飛んできて、段ボール箱を差し出しここに入れろと言われました。やっぱり、路面に直接はまずかったのね。海星さんは「いいって言ったのにぃ」と文句をいっていますが、実際のところはどういうやりとりだったのかわたしは立ち会っていなかったのでわかりません。

交換してオイルは綺麗になったものの、当たり前ですが異音は消えるわけはありません。どうしようかと相談したものの、やはり一度きちんと見て貰った方がいいだろうということで、海星さんだけがALICE SPRINGSまで行くことになりました。既に夕方ですから今日中には辿り着けませんけど、明日の昼には着けるでしょう。

もしかしたらいきなりエンジンが止まってしまうかもしれないので、念のため最初のしばらくはわたしも並走することになって出発。30km程走った所まで着いて行きました。ここまでは一応無事に走ってこれたので、多分これから先も走れるだろうという事で、わたしはここでお別れ。しかし、海星さんによるとエンジンのパワーが随分減った様であるという事です。やはりエンジン系のトラブルですか…。

さて、海星さんと分かれてわたしは再びAYERS ROCK RESORTへ戻ります。が、せっかくなので帰りがけにUluruをちょっと見に行くことにしました。といってもすぐ近くまでいくのも何ですので、一番手前にあるサンセットビューエリアまで。今日は雨雲が厚くでていますから夕映えのUluruを見ることは出来ないのが残念です。また、雨が降るとUluruのあちこちに滝が出来るという事なのですが、それも出来ていない。この程度の雨では無理という事なのかな。

走行距離
85km
買い物
夕食 A$7.15

7月16日

天候:曇り後雨

朝。雨こそ降っていないものの、どんよりした雨雲が厚くはっています。気温も低いためあまり出かける気がせずテントの中でどうしようかなぁと考えながらうだうだと過ごしていました。ですが、あんまりうだうだしていても仕方がないので、日本の友人知人に絵葉書を書いていました。今日書けたのは8枚。仕事でお世話になった人とか、このツーリングを応援してくれた人とか、いろいろと考えるとこんなにたくさん書くはめになってしまいました。それでも書こうと思っている人の内の半分しかまだ書けていないのですが。それぞれに違う文面を書いているので8枚と言っても結構大変です。

昼ごろ、のそのそとテントから這い出してキャンプ場のレセプションへ。ここには掲示板があって、天気予報などが張り出してありますので、それを見に来たのですがこの日は結構ショッキングな情報が出ていました。なんと、STUART HIGHWAYに強盗が出没しているので、夜間に走行することや見知らぬ人が助けを求めていても止まってはいけないなどの注意が書いてあります。ちょうどというか、海星さんもALICE SPRINGSへ向かうために今STUART HIGHWAYを走っている真っ最中です。めったなことは無いだろうと思いながらも心配になってきて、海星さんの携帯電話に電話してみると、無事にALICE SPRINGSに着いたところとの事。ほっと一安心です。そして、バイク屋にも行ってきたそうですが、今日はチーフメカニックの人が居なくて何とも言えないので、明日もう一度来るようにと言われたそうです。うーん、そうですか。もう一日待ちですか。それも仕方がありませんね。

午後になって、少しは暖かくなったような気がするので、今日はKataTjutaに出掛ける事にしました。KataTjutaはUluruと違ってAYERS ROCK RESORTから更に50km程離れた所にありますので、バイクでも1時間弱掛かります。往復すると約100kmとそこそこの距離がありますので、念の為ペトロールを補給していくことにしました。AYERS ROCK RESORTに来るまでのロードハウスはどこもペトロールが1リットル当たり120セント程度とかなり高かったので、ここはどんな値段かと思ったら、意外と106セントと安目です。逆に、こんな僻地で輸送料を考えると、この値段でやっていけるのかしらんと心配にならなくもありませんが。

いよいよ出発。1時間弱走ってKataTjutaへと着きました。散策路があるのですがここだけでも全部歩くと1時間程度は掛かるということですので、全部は歩かない事にしてさわりだけ歩こうと思い、歩き始めました。が、KataTjutaが巨大なのとその手前に見比べるものが何も無い事から、距離感が狂ったと言いますか。もしくは、ちょっとくらい歩いても全然KataTjutaに近づかない。結局気がついたら散策路の終点の展望台まで着いてしまいました。今日はオフロードブーツだから、歩くのはやめておこうと思ったのにぃ。

KataTjutaは、やっぱりでかいです。チープな感想ですが。しかし、散策路の一番奥まで来ると、両側からかなり岩が迫ってきています。それを見上げるとなんというか高層ビルの谷間にいるような感じがします。人工のものではなく自然に出来たものをこのように見上げると言うのは奇妙な感覚ですね。そして、今来た道を振り替えると、岩と岩の間から平原が切り取られて見える。ちょっと不思議な光景です。

再びバイクに乗って、今度はKataTjutaのもう一つの散策路、風の谷へと向かいます。こちらは、全部歩くと3時間から4時間掛かると言う事なので今度こそ全部は歩かないぞ、と思ったものの、やっぱり気がついたらかなり奥まで来てしまいました。それでもなんとか途中で引き返しましたけど。ガイドブックによれば、Uluruは小さな砂や土が堆積して出来た岩だそうですが、KataTjutaは比較的大きな岩が堆積して出来たそうです。実際、岩肌を見て見ると、人の頭程の岩が積み重なっている様子がよく分かります。

そうこうしている内に時間は5時を過ぎようとしています。AYERS ROCK RESORTへ戻る時間を考えると、そろそろ出発しなければ日が暮れてしまいます。そしてバイクにまたがったと思ったら、またポツポツと雨が降り始めました。なんとかAYERS ROCK RESORTへ戻るまでは本降りにはなりませんでしたが、テントに入った頃には本降りに。そして、今日も夜中雨が降っている中をテントで寝るのでした。

走行距離
110km
買い物
キャンプ A$12.10、食糧 A$6.35、切手 A$5.00、食糧 A$7.35、ペトロール A$14.75

7月17日

天候:雨後曇り

結局一晩中雨がやむことはないまま、朝を迎えました。寒いし雨が降っているし、こんな日は何もする気が起きません。晴れているならUluruやKataTjutaを見に行って過ごすのですが、昨日で5日間のチケットの有効期限も切れてしまったし、とにかく何もする気が起きません。海星さんのバイクの修理待ちで、それがいつになるか分からないというのも、なかなか何もする気になれない要因ではあろうとは思います。ちなみに国立公園のチケットは本当は発行日を含めて5日間有効なはずなのですが、なぜかわたしが貰ったチケットは4日分しかありませんでした。その場で文句を言わなかったので、今更どうしようもないですけど、ちょっと損しましたね。

昼ごろ、海星さんに定時連絡。わたしは携帯電話を持っていないので、わたしから海星さんの携帯電話に電話するしか連絡手段が無いのです。海星さんの話によると、バイクは修理出来るそうです。ただし、修理完了は19日のお昼ごろ。後2日ですか。その日の内に海星さんはAYERS ROCK RESORTまで走ってくるそうですから、20日からツーリングを再開できそうです。それともう一つ情報。スケジュールが変わったのでpermitを取り直してもらっていたのですが、WA州内のルートがこの雨で通行止めになっているそうです。一応、バイクの修理が完了する19日に通行できるようになっていないか聞きに行く事にしたそうですが、一日や二日では多分通行できる様にはならないでしょうから、正直言って難しいでしょうね。雨がやんで晴れていればまだ話は別ですが、まだ降っていますからね。

さて、これで一応スケジュールは見通しが一応立ちました。が、あと3日間わたしはここで待たなければいけません。万一permitが取れなかった場合は、逆にわたしがALICE SPRINGSへ行くしかありませんが、それでも2日は待つしかありません。さてその間何をして過ごすか。雨が降っていなければまだ何かやる気が起きるのですがこの天候では。そして、このリゾート内は生活に必要な設備は全部そろっているものの娯楽施設は何もありませんから、暇を潰すことも出来ません。まだ、ALICE SPRINGSの様な街に居れば、時間の潰しようもあるのですが。しばらく考えても何もいい案は浮かびません。ただ、とりあえず雨の中でテントを張るのはもういやですし、濡れた荷物も乾かしたいので、YHAの方に移動することにしました。

AYERS ROCK RESORTに着いた時にはどこにあるか分からなかったレセプション。今度はようやく見つける事が出来ました。施設案内図に書いてないんだからたちが悪いですよ。空き室があるかなとちょっと心配でしたが、あっさりと予約が取れました。海星さんが到着した日には満室だったそうなのですが。そういえばキャンプ場もテントがまばらになってきて居ますし、もしかしたらこの雨でキャンセルが続出しているのはないでしょうか。海星さんの話では、ALICE SPRINGSは人がいっぱいで、宿もどこも満室だそうですから、ALICE SPRINGS発のUluruツアーをキャンセルした人が大勢居るのでしょうね。もしかしたら、風も結構出ていますからUluruへの飛行機が飛んでいないのかもしれません。

ここのYHAはOUTBACK PIONEER LODGEといいますが、ここを明日から予約を取りました。今日はすでにキャンプ場の方で手続きをしていましたので、一応今日もテントで寝ます。結局、今日はほんとに何もしなかった一日でした。まあ、こういう待ちの状態ではどうしようも無いと言えばないのですが。それでも、19日か20日には活動を開始出来ると分かっただけでも収穫です。

買い物
キャンプ A$12.10、食糧 A$2.80、絵葉書 A$2.50、食糧 A$6.80、ドリンク A$1.40

7月18日

天候:曇り

朝起きるととりあえず雨はやんているようです。今日の夜はOUTBACK PIONEER LODGEに移動ですから5日間を過ごしたテント暮らしともお別れです。しかし、そうするとテントを畳まなければいけませんので、午前中は濡れたテント干しに費やしてしまいました。雨は一応やんでいるものの、相変わらず厚い雨雲が張り出していますのでお日様はまったく見えません。気温も低く、温度計は8度くらいをさしていますから、なかなか乾きません。それでも、なんとか畳んでも問題ないくらいまで湿気を取ってテントを畳み、荷物を片づけたのはちょうど正午の頃でしょうか。荷物は、海星さんに買ってきて貰った3シーズン寝袋が結構かさばるため、カバンがパンパンになってしまいました。ちょっと、荷物の積み方を考えなければいけませんね。

そして、いよいよバイクに荷物を積んでOUTBACK PIONEER LODGEへ移動。しかし、キャンプ場とは500メートルくらいしか離れてないんですよね。これが。これだけの距離だけをバイクで走るのもなんかばらかしいので、ついでにAYERS ROCK RESORTを出て少しだけHIGHWAYをバイクで散歩しました。ほんとはUluruを見に行くでも良かったのですが今は国立公園のチケットが切れていますからね。散歩の為だけに入場料のA$16.25を払うのはちょっと馬鹿らしいですし。

AYERS ROCK RESORTに戻ってきて、無事にOUTBACK PIONEER LODGEへ到着。ただし、チェックインは3時からですから、まだ時間はあります。仕方がないので、ロッジ内のラウンジで再び絵葉書書きにチャレンジ。今日は全部で9枚書きました。ふー。しかし、これで出そうと思っていた人全員に書けましたので、これで一安心です。

3時になったので、チェックイン。わたしが入ったのはなんと20人部屋。どんな部屋かと思ったら、2段ベッドが10個ずらっとならんでいるという、まるで軍隊か監獄の様な部屋でした。まあ、ベッドで寝れるのですから贅沢は言えませんし、別に文句があるわけではありません。しかし、20人部屋ってのは正直珍しいですね。それともう一つ珍しいこと。なんとこの20人部屋にはカギがありません。一応あるようなのですが、宿泊客にはカギは渡されず一晩中開けっ放しです。いいのかなぁ、これで。

チェックインした後は、シャワーを浴びて洗濯をしてと日常の用事をこなします。夜、ロッジ内のバーで夕食とビールをとっていましたが、やはり以前も思いましたがここはリゾート。一人旅の人間が来る場所ではないですね。早々に退散して寝ました。

走行距離
25km
買い物
チョコレート A$2.00、YHA A$32.00、洗濯 A$4.00、夕食 A$9.50、ビール A$4.00
よく見かけた、鳩に似た鳥
よく見かけた、鳩に似た鳥

7月19日

天候:曇り

朝目が覚めたのが7時頃。特に考えていなかったけど、7時半頃が日の出ですから今からなら日の出に間に合います。といっても国立公園内のサンライズビューまではとても間に合いませんし、第一チケットがありません。ということで、ロッジ内にある展望台に行きました。ここですと歩いてすぐに行けますし、UluruもKataTjutaもちゃんと見ることが出来ます。しかし、ところどころに切れ間はあるものの、相変わらず雲が厚く張り出していますから、日の出を見るのはどうやら無理そう。しばらくすると、雲の向こうでどうやらお日様が顔を出したようです。そうすると、少しの雲の切れ間から、雲が太陽に照らされて輝いているのが見えてきました。いつも思うのですが、こうして朝日に照らされる雲は神々しいまでに綺麗ですね。しばし、見とれてしまいます。

朝日を見た後は、荷物の片付けをして10時にチェックアウト。しかし、12時頃に海星さんに電話をする予定ですので、それまでは時間を潰さなければいけません。結局、ロッジ内でうだうだしているだけで12時になってしまいました。そして海星さんに電話。そうすると、やはりGREAT CENTRAL ROADの通行止めは解除されていないそうで、permitも貰えなかったそうです。わたしの予想としてはこの時点でGREAT CENTRAL ROADを通行するのは諦めるかと思っていたのですが、海星さんはどうやらAYERS ROCK RESORTで通行止めが解除されるまで待ってもいいんじゃないかと考えているようでした。確かに海星さんはGREAT CENTRAL ROADにすごくこだわっていましたから気持ちは分からなくないのですが…。

結局、1時間後に電話してもう一度相談しようという事になっていったん電話を切りました。そして、再び電話。そうすると、思ってもみなかった事が起こっていました。それは、なんと海星さんのバイクの修理が完了していなかったのです。何でも、予定していた部品が届かなかったので、明日もう一度来てくれと言われたそうです。海星さん、ショックでかなりやる気が無くなった様で、もうどうにでもしてくれという口ぶりになっています。どうにでもしてくれと言われてもわたしも困るのですが、このままではらちがあきそうにないので、とりあえずわたしもALICE SPRINGSに行って合流することにしました。二人がばらばらに離れていては、相談するにしても不便ですし。

さて、ALICE SPRINGSまで距離は約450km。今の時間は午後1時。日のある内にたどり着けるかどうか微妙な所ですが、考えていても仕方がないので出発です。今日は東風なので、完全に向かい風の中、少しでも早く着こうと普段よりアクセルを開け目にして走ったのですが、やはりそうすると燃費がだいぶ悪くなるようでかなり早めにリザーブに突っ込んでしまいました。それでも頑張って走っているとリザーブに入ってから50km程走った辺りでなんとガス欠。リザーブは5リットルくらいあるので、普段ならリザーブだけで100km程度は走れるはずなのですが、まさかここまで燃費が悪くなるとは。幸い、予備タンクがありますから、立ち往生することはなく走ることは出来ました。しかし、こんなに燃費が悪くなるならあんまりアクセルを開けるわけにはいきませんねぇ。

予備タンクから給油した地点から10km程走った所にロードハウスがありました。ここまで持てば良かったのですが、えてしてそんなもんですよね。ここのロードハウスの給油は珍しくセルフサービスでは無くスタンドのスタッフがやってくれるのですが、このおねえちゃん、何を考えているのか給油中にノズルを全然見ないもんだから案の定ペトロールを大量にこぼしてしまいました。おいおい〜。まあ、こぼした分のペトロール代金はまけて貰ったのでお金的に損はしなかったのですが。

そして、休憩もそこそこに再び走行開始。あんまりアクセルを開けれないとしたら急ぐには休憩時間を少なくするしかありませんからね。オーストラリアは、まだ道が良くて交通量も少ないから、それほど疲労しないので助かります。そうこうする内にSTUART HIGHWAYへ。この道を通るのは、これで3度目ですね。まさか、こんなに通る事になるとは思っていませんでした。そして、この道には今は強盗犯のガンマンが出没しているはずです。3日前に海星さんの事を心配したのですが、まさか今度は自分が心配になるとは。ポリスの警告では、夜間走行をするな、見知らぬ人が困っていても助けるなでした。夜間走行はもしかしたら少しだけしてしまうかも知れませんが道端に車が止まっていてもそれは無視する事にしましょう。緊張しながら走ります。

できればこのまま一気にALICE SPRINGSまで行きたかったのですが、さすがに疲れてしまいますので、途中STUARTS WELLのロードハウスでちょっとだけ休憩。ここまでくれば後90km位です。しかし、残り50km程の地点まで来た辺りでとうとう日暮れ。TT600Rの暗いヘッドライトだけが頼りかと思ったら、この辺りでは路面に反射版が埋め込まれていて助かりました。更に小雨が降り始めた中、6時45分頃に無事にALICE SPRINGSに到着。AYERS ROCK RESORTから約6時間。まあまあでしょうか。

海星さんに電話してこちらも無事に合流。今日の宿は着くのが遅くなるのが予想されたので海星さんに手配して貰っておいた安ホテルのツインルーム。ちなみに海星さんはALICE SPRINGSに居る間ずっとこのホテルのシングルルームに泊まっていたそうです。ツインでA$49.50ですから、まあまあの値段のホテルでしょうか。夜は近くのレストラン&パブで再会を祝って乾杯しました。

走行距離
438km
買い物
朝食 A$2.60、フォンカード A$10.00、昼食 A$5.15、ペトロール A$19.00、チョコレート A$1.80、ミートパイ A$2.60、夕食 A$10.00、ホテル A$24.25

7月20日

天候:晴れ後曇り

ホテルをチェックアウトしてとりあず昼まで荷物をホテルのレセプションで預かってもらう事にしました。そして、昼までの時間潰しにインターネットカフェへ。このインターネットカフェ、午前中はハッピーアワーでちょっと値段が安くなるのですよね。適当にネットをぐるぐるして情報収集の様な、日本の友人の近況を確認したり…。

インターネットカフェの後は街のインフォメーションセンターに行って道路状況を確認。しかし、やはり通行止めは解除されていない模様。道路も駄目バイクも駄目という状況の中、海星さんはとことんへこんでいるようで「どうせ今日も駄目、明日も駄目。あ〜駄目駄目駄目」といった後ろ向き発言が続出です。しかし、元気付けようにもこの状況ではどうしようもありません。困ったものですが、何か状況が良くなるのを待つしかありません。

約束の12時になったので、バイク屋に海星さんのXTを引き取りに行きます。が、なんと昨日も部品が届かなかったそうです。今日の1時に来るはずだから、届けば今日中に引き渡してやる。その確認ならば電話でもいいので、2時頃に電話してこいとの事。海星さんがますますへこんでいくぅ〜。

今日の昼から出発出来るかと考えていましたが、夕方引き渡しでは無理です。少なくとも今日のところはALICE SPRINGSに停滞するしかありませんね。昼ご飯を食べながら午後の予定を相談。海星さんはバイクを引き取りに行かなければいけないかもしれませんので、街で時間を潰して過ごすそうです。わたしはちょっと冷たいですが、一人で日帰りツーリングに行ってくる事にしました。事前に日本でこの辺りでのツーリングコースを少し調べていましたので、その内の一つのFINKE FORGE国立公園がなかなか良さそうです。往復で300km。ダート少しあり。午後からの出発ですとちょっと遠いですが、まあ帰り道は日が暮れても大丈夫でしょう。

ホテルに戻って今日の部屋を取ってから、わたしは出発。部屋を取っての日帰りですから、今日に限っては重い荷物を積まずに走ることが出来ます。これはとっても楽です。そして、いい天気の中バイクを西へと走らせ始めました。ここんところ雨続きだったり移動日だったりでしたから、こんないい天気の中をのんびりツーリングするのは久しぶりで、とても気持ちがいいですね。相変わらずちょっと気温が低めで肌寒いのが何ですが。この辺りはほぼMACDONNELL RANGES沿いに走ることになりますので、道沿いに山が見える風景の中を走ることになります。これまで、平原荒野ばかりの中を走り続けてきましたから、逆にこういう風景は新鮮です。MACDONNELL RANGESの山々は岩山が多いようで、日本で見るような山岳風景とは随分違いますが。

ALICE SPRINGSから離れるに従ってだんだん道が狭くなってきて、ついには1車線になってしまいました。土の路肩が結構幅広く作ってあるので、対向車と行き交う時には路肩を使えば問題ないですが、どうせ路肩まで整備するくらいなら1車線分を舗装してくれればいいのに。ぶつぶつ。また、道が荒れついでといいますか、クリークで水が路面にまで出てきている所がありました。深さは無いのでそのまま渡るのですが、わたしは瀬渡りはやっぱり苦手ですねぇ。

そうこうする内に、今日の目的地のPALM VALLEYへの看板発見。左折してここからはダートになります。OUTBACKのダートの様に平原の中をまっすぐ続くわけではなく、山の中を地形に合わせて曲がりくねったようなダートです。路面も、ここん所の雨のせいか元々そうなのか少し荒れ気味です。日本の林道を走っている様な感覚ですかね。慌てることもないし慎重に行き始めてまだ大した距離を走っていない内に、なんと目の前にFINKE RIVERが横たわっているではありませんか。川幅は15メートルくらいでしょうか。深さは10cmくらいですし、車が渡れる様に底にはちゃんと砂利も敷いてあるのですが、これは…。結局、軟弱ツーリストのわたしとしては河を前にして撤退を決定(^^)。渡って渡れなくはありませんが万一転けたら嫌です。それに今日のルートは行きっぱなしではなく同じルートをたどって帰ってくるという物ですから、渡ったら帰りにまた渡らなければいけません。2回渡るのは嫌だなぁ、というのは正直な所です。

という事でALICE SPRINGSまで、今来た道を帰ることにしました。ま、日帰りツーリングだしこんなものでしょう。景色も天気もまあまあ良かったから、わたしとしては十分満足です。帰り道では結構雲が出てきて更に寒くなってきたのは残念でしたけど。もしかしたら夕焼けが見れるかもとちょっと期待していたのですが、それは出来ませんでした。

宿に帰ると、駐車場に見慣れたバイクが停まっている。海星さんのXTですね。どうやら無事に修理が完了した様です。よく見ると海星さん自身もすぐそこに。ちょうど今帰ってきた所だったそうです。エンジン音を聞かせてもらいましたが以前と同じ、というか普通の音に戻っています。完全に直ったようですね。良かった良かった。しかし、海星さんはなぜかあまり嬉しくなさそうです。嬉しくない訳はないのですが、どうやら"絶対に今日直るわけがない"と思い込んでいたらしく、思ってもみなかった事態で戸惑っているそうです。

そして、その戸惑いは明日からの予定にも現れてきました。海星さんは、明日はどのバスツアーに申し込もうかとかそんなことばかり考えていたそうで、バイクが直ってきた場合のことをまったく考えていなかったそうです。夕食を食べながら相談したのですが、やはりここまできてUluruを見ずに帰るのはなんだろうという事で、海星さんはUluruまで行って来る事になりました。前回、AYERS ROCK RESORTまでは来たものの、結局Uluru自体は見ずに帰っていますからね。

しかし、そうすると今度はわたしの予定が困りました。一緒にUluruに行くのはちょっと勘弁です。一応、UluruもKataTjutaも一通り見てきましたし、もう一度見るためだけに往復900km走るのはちょっとしんどいです。しかし、そうすると海星さんが2日で帰ってくるとしても、その間わたしはどうするか。順当に考えると、海星さんとここで別れてわたしは一人で北に進むという事になるのですが、そうすると海星さんと一緒に走ることはもうありません。どうしたものか。困りました。

走行距離
268km
買い物
食糧 A$2.65、インターネットカフェ A$5.40、乾電池 A$7.00、昼食 A$10.10、ペトロール A$14.60、ホテル A$24.25、夕食+ビール A$15.00
FINKE RIVERを前にして断念
FINKE RIVERを前にして断念

7月21日

天候:晴れ

朝になりましたが、わたしがどうするかまだ決まりません。で、さんざん悩みましたが、結局海星さんが戻ってくるまでALICE SPRINGSで待つことにしました。ここで2日間の待機は、全体のスケジュールに対してはロスにはなりますが、わたしは9月中旬までは走り続けるつもりですから、まだ修正は可能な範囲です。しかし、海星さんと一緒に走る機会は今を逃すともう2度とないでしょう。海星さんはALICE SPRINGSから北上しても、DARWINの手前のKATHERINEで進路を東に変え、QLD州を通ってSYDNEYへと帰っていってしまいます。わたしはそこからDARWINまで北上した後、WA州へと向かう積もりですから、結局一緒に走れる期間と言っても3日程度しか無いのですがそれでもせっかくここまで一緒に来たんですから。2日程度の待機も別にいいでしょう。

さて、そうと決まったら早速行動開始。海星さんはUluruに向けて出発です。わたしはどうするかというと、ほんとはKINGS CANYONにでも行きたいのですが残念ながら道が雨で閉鎖されているので行けません。仕方が無いので、またしてもALICE SPRINGS周辺で日帰りツーリングすることにしました。昨日は西に行ったからというわけではありませんが、今日は東のROSS RIVERへと行ってみます。

この道はROSS HIGHWAYという名がついているはずなのですが、結構道が狭くしかも途中からまたしても1車線路になってしまいました。幹線道路じゃないとこんなもんですかね。道路脇に見える景色はこちらもMACDONNELL RANGES。西側の岩山中心に比べると、東側のこちらは比較的木が多く生えています。岩山の所もたくさんありますが。

走っていると、途中でラクダ発見。ラクダ???どうも飼われているラクダではなさそうです。オーストラリアには元々ラクダは居なかったと思いますから、持ち込まれたラクダが野生化したのでしょうか。少し行くとラクダ注意の標識もありました。

そうこうする内にROSS RIVERに到着。RIVERと言っても川らしきものは見あたらないのですが。干上がってしまったのでしょうか。着いたところにはHomesteadがあるだけのひなびた所。お客さんもまばら。天気はいい。景色もいい。こういう時間がゆっくり流れるような所は、とってもわたしの好みです。すぐ近くの高台に登れるようになっていたのでちょっとだけ登ってみます。といっても10分くらいで登りきってしまえる程度なのですが。登っていくと、周囲を含めた景色が一望出来るようになります。今走ってきた道も見えます。気持ちいいですね。あんまり気持ちがいいので、ここで久しぶりにお昼寝。ついつい1時間程、寝てしまいました。別に何があるという訳ではありません。ただ、いい景色とのんびりした時間があるだけです。でも、ALICE SPRINGSから1時間ちょっとで来れるところにこんないい所があるのはいいですね。

帰り道、ALICE SPRINGSに辿り着く少し手前でJESSIE GAPとEMILY GAPを少し見物。ここでMACDONNELL RANGESに切れ目がはいっているわけですね。どうしてこんな切れ目が出来るのかは分かりませんが、岩山であるMACDONNELL RANGESがばっさりと千切れている様はちょっと迫力です。両方ともどうして女性の名前が付いているかは謎ですが、ちょっと面白いですね。

そして、無事にALICE SPRINGSに戻ってきて、今日と明日の宿を、前回わたしが一人で来たときに泊まったMELANKA LODGEというバックパッカー宿にしました。ここはドミトリーだと1泊A$16.00と比較的安いので有り難いです。

夜、買い物に出た時に店頭にあった新聞の見出しを見ると、例のガンマンがポリスと銃撃戦の末に撃ち殺された様です。ちょっと記事を立ち読みすると、その場所はなんとOODNADATTAのホテルだそうです。OODNADATTAと言えば、わたしが10日程前に通った所です。ホテルも確か1軒だけありました。あそこで、そんな事件があったとは。しかし、これでガンマンが逃亡している事は無くなったので、一安心です。

夜、ここで改めてこれから先のツーリングルートの再確認をしてみました。行ってみたい場所としては、DARWIN、KAKADU、PERTH、KINGS CANYON。走ってみたい道としては、GREAT CENTRAL ROAD、TANAMI TRACKといったところでしょうか。これらをつないで最終的にSYDNEYに戻るルートを計算してみると、これから先の総走行距離約16000km、日程を当てはめてみますとSYDNEYへの帰着は9月15日頃という事になってしまいました。一応、9月中旬にSYDNEYに帰れればいいと思ってはいましたが、これではほとんど日程に余裕がありません。今後、スケジュールに遅れが出たら、どこかのルートを諦めないといけないことになりそうです。

走行距離
165km
買い物
ペトロール A$13.30、昼食 A$2.00、食糧 A$10.50、バックパッカー宿 A$32.00、フォンカード A$30.00、夕食 A$8.50
ROSS RIVER。ゆっくりとした時間が流れる
ROSS RIVER。ゆっくりとした時間が流れる
JESSIE GAP
JESSIE GAP

7月22日

天候:快晴

朝5時頃、またしても同室の人がごそごそ。まあ、ALICE SPRINGSからKINGS CANYONやUluruへのバスツアーは結構朝早くに出発するらしいですから、仕方ないのですかね。それでも、寝ている方にとっては迷惑ではあるのですが。

7時頃に起き出してみると、同室の二人は二人ともすでに荷物を持って出かけてしまった模様です。そこで、すかさず2段ベッドの上段から下段に移動しました。もちろんシーツとまくらも入れ替えました(^^)。これで今日は下段で寝ることが出来ます。ここの2段ベッドははしごが無いので、登るのが結構大変なんですよね。それに、あまり丈夫ではないらしく、登っているとベッドがギシギシ音を立てるし。

今日は特にする事が無いのでぼーっとして過ごします。とりあえず10時になったのでインターネットカフェがオープンしたので移動。午前中はハッピーアワーですし。昨日、スケジュールを立ててみると結構ぎりぎりなので、帰国の航空券の手配も先に済まして置くことも考えて、航空便の状況などをネットで調査。こういう調べものが世界のどこからでも出来るって、やっぱり便利ですね。チケットを実際に買うのは、まだまだ先になるでしょうけど。早くてもPERTHになりますか。

あちこちとついでに余計なサイトも見ていると、つい2時間も使ってしまいました。いくら割安な時間帯でも、長時間使っては一緒ですねぇ。相変わらずすることが無いので街をぶらぶら。そういえば海星さんが図書館で新聞が読めると言っていたので図書館へ。昨日見たガンマン射殺の記事を改めて読んでみると、どうやら射殺されたのは別の人で、例のガンマンはまだ見つかっていなさそう。あらら。これから向かう先で事件が起こっている事だし、早く捕まって欲しいものです。

夕方になって部屋に戻ってみると、新しい同室の人が入っていました。その内の一人、イギリス人は、アボリジニの木製の笛を持っていました。お土産物によく売っているもので、長さは1メートル程になりますでしょうか。彼が笛の事を一生懸命説明してくれるのですが、例によってわたしの英語力では何を言っているかよく分かりません。しかし、笛を削るようなしぐさをしますし笛からはまだ乾ききっていないニスの匂いがします。そして、彼はこの笛をちゃんとふけるのです。わたしも少し試させてもらいましたが、ちょっとやそっとの息を吹きかけた所では音はかけらもなりません。管楽器の奏者がするように、大きく頬を膨らませて吹かなければいけないようです。これらから想像するに、彼はおそらくアボリジニに習って笛を作って、更に笛の吹き方も教えて貰うツアーに参加したのではないでしょうか。わたしの旅は走り抜ける旅ですから、基本的に一つの場所でじっくり腰を落ち着ける様な事はありません。しかし、こういうツアーもなかなか良さそうですね。イギリス人の彼が嬉しそうに部屋で笛を吹いているのを見るとそう思えてきます。

夜、海星さんがUluruから帰ってきましたので、例によってMELANKA LODGEに併設されているレストラン&パブで、ビールを飲みながら夕食。わたしはこれでこの店は4日連続です。レストランのおねえさんも顔を覚えてくれたのか、また来てくれたのというような事を言ってくれた様な気がします。気のせいかもしれませんが(^^)。そして、海星さんの話を聞くと、海星さん的にもUluruは結構良かったようです。実は、海星さんはUluruにはそれほど興味を示している感じではなく、今回行く時も「ま、ここまで来たんだから一応行っとくか。有名やし」といった感じでした。これまでも海星さんが強く興味を示すのは"動物"、"温泉"、"街"といったものが多く、Uluruの様な自然物にはあまり興味が無いようでしたし。それが帰ってきて話すのは「あれは凄い」「あんなもんが自然に出来るのはもの凄い事や」「あれはわざわざ2日掛けても行く価値がある」といった言葉ですから、行くことを勧めた方としても一安心でした。

買い物
インターネットカフェ A$12.00、昼食 A$5.30、アイスクリーム A$2.40、夕食+ビール A$11.00

7月23日

天候:晴れ

今日は頑張って距離を走ろうという事で、珍しく朝8時にALICE SPRINGSを出発しました久しぶりに二人で走る事になります。この前走ったのは、AYERS ROCK RESORTから30km程でしたが、あれはツーリングとはちょっと違いますから、その前と言えば前回の入国時ですから1カ月以上前という事になります。随分と間があいてしまいましたね。

ALICE SPRINGSを出てすぐの所で、TROPIC OF CAPRICORNの標識と碑がありました。これでROCKHAMPTONに続いて2度目の南回帰線越えです。ここから先はいよいよ太陽が真上に来る事がある国です。でも今は冬ですし、まだまだ寒いですけど。

しばらく走ったTI-TREEでポリスの検問。どこに行くんだと聞かれた後、必ずキャラバンパークに泊まれよ、と注意されました。そういえば例のガンマンが事件を起こしたのは、ここから少し先のBARROW CREEKの辺りです。早く犯人が捕まって欲しいものです。

そのBARROW CREEKを過ぎて更に行ったWYCLIFFE WELLで、ありましたありました。久しぶりにかなりキレたロードハウスがありました。今回はUFOネタです。どうやらこの近くで昔UFOが目撃された様なのですが、それをネタにして、UFOとエイリアンの実物大?模型は置いてあるわ、ロードハウスの壁は一面UFOに関するもので埋め尽くされているわ、挙げ句の果てには壁と同じデザインのフォンカードがお土産に売られている始末。いやぁ、こういうロードハウスがあると楽しいですねぇ。

そのUFOロードハウスから北に大して走らない辺りで、道の両脇に丸い岩がごろごろと転がっている所がありました。後で海星さんに聞いてみると、DEVILS MARBLESという所だそうです。そういえばガイドブックでもそういう岩があるというのを読んだ事があるような気がします。そうだったのか。なかなか不思議な光景でした。

更にしばらく行った所、今度はブッシュファイヤーを発見。そのかなり前から黒い煙が上がっているのが見えていましたから、もしかしたらと思ったらやっぱりブッシュファイヤーでした。アボリジニが人為的に範囲を決めて野焼きをすることもあるそうですが、それらしい人は周囲に居ませんし、どうやらこれは火事のようです。結構盛大に燃えています。道路脇の看板に、よく「あらゆる火を見かけたら000に電話を」とありますし、これは連絡をしたほうがいいとは思うのですが…結局しませんでした。電話というのは言葉だけでコミュニケーションしないといけないため身ぶりとか筆談とかが全く使えないので、わたしはまだまだ苦手なのですよね。そんな事ではいけないのですが。しかし、それから先でも、今は燃えていないものの下草が燃えてしまっている所を何度も見かけました。今は乾期ですし、冬で草も枯れてしまっているようですから、よく燃えるのでしょうね。

そして、この日は頑張ってTENNANT CREEKまで走り来りました。距離にして約500km。わたしのオーストラリアでの1日の走行距離としては最高です。海星さんはAYERS ROCK RESORTに行くまでに600km以上走っていたそうですが。今日の夕食はキャンプ場で自炊なのですが、なんとこの日は海星さんの発案で豚肉の生姜焼きです(^^)。生姜焼きが好きな海星さんは、この為にわざわざSYDNEYのスーパーで生姜焼きのたれを買って持ってきていたのでした。こちらで買った豚肉はぶ厚過ぎたので、半分にスライスしてたれを染み込ませ、いざフライパンの上へ。じゅーじゅーと焼いた所で食べてみると、確かに生姜焼きの味です。まさかこんな所まで来てこんなものが食べられるとは。時間が遅かったので明かりのあるキャンプ場のキッチンで焼いていたのですが隣に座っていたオージーが不思議そうな表情でこちらの様子を見ていたのがちょっとおかしいです(^^)。

走行距離
504km
買い物
ペトロール A$18.85、朝食 A$4.40、ドリンク A$2.00、ペトロール A$13.75、キャンプ A$8.00、食糧 A$15.40
どわははは、UFOロードハウス
どわははは、UFOロードハウス
どわはははははははは、エイリアン
どわはははははははは、エイリアン

7月24日

天候:晴れ

今日の目標は、約550km北にあるMATARANKA。ここには海星さんが大好きな温泉があるそうなのです。実は海星さん、今後の日程の事を考えるとTENNANT CREEKからそのまま東へ走ってSYDNEYへと向かおうかとも言っていたのですが、昨日改めてガイドを確認してMATARANKA及びKATHERINEに温泉があることを知ると、やはり行くしか無いと意志が固まったのでした(^^)。

とにかく北へ北へと走ります。今日は大したイベントも無く、ひたすら走り続ける日です。しかし、そんな中でも気になる事はあるもので、一つはわたしのバイクの走行距離が10000kmを越えたこと。5月23日に買ってから約2カ月で10000km越えです。買った当初はこんな重くて大変なバイク、どうなることかと思いましたが、今では随分と慣れてきました。手足の様に馴染んだとまでは言いませんが、すっかりツーリングのいい相棒です。そして、もう一つはHIGHWAYの両脇に非常にたくさんの蟻塚がある事。高さ1メートル程の蟻塚が、それこそ2、3メートル置きに並んでいます。これまでにも何度も蟻塚を見てきましたが、これほどたくさんの蟻塚が密集しているところを見るのは初めてです。全部が全部現役の巣ではないでしょうけど、それにしてもこれだけたくさんの蟻が生きていけるだけの餌が、この辺りにはあるのでしょうか?

7月2日に走り始めて以来、ほとんど毎日寒いなぁと思いながら過ごして来ましたがここにきて、ようやくというかとうとうというか暑くなって来ました。緯度はすでに南緯20度を切っていますから、暑くなって当然の地域に入ってきたと言えるでしょう。温度計を見てみると、昼間の気温が25度位に達していますし、立ち寄ったロードハウスでは、とうとうクーラーが掛かっている所がありました。真冬なのにクーラー。熱帯には季節はあまり関係ないのかもしれませんね。

そして、2日連続で500km越えの走行をして無事にMATARANKAに到着しました。海星さんに追い立てられると、わたしも一生懸命走りますね。MATARANKAの温泉は街から少し離れた所にあるようなので、とりあえず街のスーパーで今夜の食糧を買い出し。ビールもしっかり買い込んでスーパーを出た所で、地元のアボリジニの男性に声を掛けられました。わたしの英語も相当ひどいとは思いますが、彼の英語も結構なものです。発音が良くないのでなかなか聞き取れないのですがどうやら彼もバイクに乗っているらしく、それで親近感を覚えて話し掛けてきたようでした。一応お互いに自己紹介して握手。主に話し相手になっていたのは海星さんでわたしは聞いていただけでして、あまり正確に内容を聞き取れたとは言えないのですが、その中にこんなやり取りがありました。
アボ「どっから来たんだー」
海星「Japanだー」
アボ「JapanというのはNotthern Territoryにあるのかー?」
海星「そうだー」
そうだったのか。我々はNT準州のJapanから来たのですか。海星さんは、彼がNT準州に住んでいると言っていると思って、相づちをうっただけのつもりなのだそうですが、話の流れからしてJapanの場所を確認したのだと思いますよ、わたしは。

そんな事があった後、MATARANKA温泉のあるキャンプ場に到着しました。着いたのが夕方遅くになっていましたので、暗くなる前に夕食を食べてしまおうと早速準備。明日でお別れですので、お互いの今後の無事を祈ってcheers。そして、そくさくと片づけると、水着に着替えていざMATARANKA温泉へ。すっかり暗くなってきたジャングルの中を100メートル程歩いて到着しました。ちょっと小さめのプールといった感じの所に、湯舟が作ってあります。早速入ってみると、湯の温度はちょっと低いめ。かすかに硫黄臭がしますし、これは確かに温泉です。すっかり暗くなって、空は星明かりになってしまいました。星空をバックに、シルエットだけが見える巨大なソテツの林。熱帯は星空も似合いますね。

走行距離
563km
買い物
ペトロール A$17.35、ドリンク A$2.00、ペトロール A$20.45、食糧 A$14.30、ドリンク A$2.00、キャンプ A$8.00、洗濯 A$2.50
夜のMATARANKA温泉
夜のMATARANKA温泉

7月25日

天候:快晴

昨日、真っ暗でよく見えなかったMATARANKA温泉を、明るい所で改めて見てみようと一回りする事になりました。海星さんはもう一度温泉に入るかと思ったのに何故か入らず。どうしたんでしょうねぇ。周囲に散策路が作ってあり、ひと歩き。一応、源泉も温泉が流れ込む川も見れました。しかし、昨日も思いましたが、これは熱帯のジャングルの風情です。

MATARANKAはこれでおしまい。今度は、更に北西に100km程走った所にある、KATHERINEの温泉を目指します。午後11時頃、無事にKATHERINEの街に到着。温泉がどこにあるのか分からなかったので、街のインフォメーションで場所調べてLet's go。STUART HIGHWAYから少し西に入った所で、これまた無事に温泉を発見できました。こちらの温泉は源泉からかなり勢い良くお湯が吹き出しており、そのままちょっとした川の流れの様になっています。その途中に少し堰を作ってあり、そこで自由に泳げる様になっています。さっそく水着に着替えてどぶん。うーん、やはりぬるい。周囲の人を見てみても、温泉につかっていると言うよりは、温水プールで泳いでいるかの様です。やはり、日本の様に温泉につかるという文化はこちらにはないようで、どちらかというとお湯が湧いているから冬でも寒くなく泳ぐことが出来るといった扱いの様です。堰の所が少し滝の様になっていて、その下は滝つぼが出来ており少し深くなっています。そして、ここでもお約束の様に滝つぼに飛び込んで遊ぶ子供たち。日本でもオーストラリアでも、子供のすることは似たようなものですね。当たり前か。しかし、KATHERINEの温泉は、お湯こそ湧き出しているものの、硫黄臭は全くしませんし。おそらく温泉ではないのでしょうね。それでも、こちらの国の人にとっては天然の温水プールとしては問題ないので良いのでしょう。

子供に混じってひとしきり遊んで、KATHERINE温泉もおしまい。午後1時頃、いよいよ海星さんともお別れの時間がやってきました。海星さんはここからSTUART HIGHWAYをしばらくもどった後、QLD州を通ってSYDNEYへと戻ります。わたしは、STUART HIGHWAYを北上し続け、DARWINへと向かいます。これから先のお互いの無事を願って握手。そしてバイクのエンジンを掛けて出発。STUART HIGHWAYへ出る交差点の所で、わたしは左折、海星さんは右折。片手を挙げて挨拶を交わして別れました。

さて、ここからは再び独りっきりで走る事になります。元々わたしは一人でツーリングをする人でしたし、2度目の入国からしばらくも一人で走っていたわけなのですが、しばらく二人で居てのお別れはちょっと寂しいものですね。しかし、そうやって感傷にばかりも浸っていられません。今日の目的地DARWINまではまだ300km以上あるのですから。

KATHERINEから90km、そろそろ給油をしようかと立ち寄ったPINE CREEKの街。まあまあ小さな街ですがロードハウスはあるようです。が、実際にロードハウスに行ってみるとなんとペトロールはOut of order。ディーゼルやハイオクもそうでしたから、単に品切れという分けではなく、このロードハウスはペトロールの販売を止めてしまったのでしょうか。それはそれで何らかの事情があったのでしょうが、それなら道路の案内看板にもそのことを書いておいて欲しかった。NT準州内では、ファシリティの案内看板が充実していたのでそれを今まで信用していたのですが、まさか営業内容が変わっている所があったとは。今回はたまたまペトロールはまだ十分にあったので問題ありませんでしたが、もしもぎりぎりの計算で走っていたら大変な事になる所でした。やはり予備のペトロールを積んでおくなど、万一の時の対策は重要ですね。

結局、PINE CREEKから更に30km程行ったところにあるEMERALD SPRINGSで無事に給油。ちなみにこのEMERALD SPRINGSで久しぶりにオフロードのツーリングライダーと出会いました。残念ながらというか日本人ではありませんでしたが。少し話をしましたが、彼も今日はDARWINに向かうようでした。もしかしたら、DARWINでも会えるかもしれませんね。

そして再び走り始めます。DARWINまで残り約200km。が、この辺りから暑さが更に厳しくなってきた様で、バイクで走りながらでもうっすら汗をかくようになってしまいました。一応、走っている時は風が当たりますから、これまではそれほど暑くなる事はなかったのですが。この真冬で気温ですから、さすが赤道近くの熱帯です。すでに緯度も南緯14度を切っています。

そして、ついにやってきました。NT準州の州都、DARWIN。わたしはDARWINはそれほど大きな街ではないだろうと勝手に想像していたのですが、どうしてどうして。これはなかなかの都会です。はっきり言ってALICE SPRINGSなど比べ物になりません。おみそれいたしました。STUART HIGHWAYをCITYへCITYへと走っていると、ついに見えて来ました太平洋!!一応、PORT AUGUSTA付近でインド洋を見ていますから、これにて大陸縦断達成です。おー、ちょっと感動。もう夕方ですからあまり時間がありませんがバイクを降りて少しだけ海を眺めて来ました。

そして、CITYで今晩の宿探し。一応DARWIN CITY YHAにも行ったのですが、やはり満室。せっかく今回はYHAの会員になってきたというのに、これではほとんど意味がないですねぇ。幸い近所にあったバックパッカー宿で泊まれたので良かったですが。ちなみにこのバックパッカー宿は、宿泊代が1泊A$20なのはいいのですが、カギのデポジットがA$20、シーツのデポジットがA$10というのはちょっと高くないですか。デポジットが宿泊代より高いとは。

このバックパッカー宿やYHAがあるMITCHELL STは、どうやらちょっとした繁華街になっているようで夜になっても賑やかです。歩いている人もこれまでの街よりも若い人が多い感じです。単に暑くて薄着の人が多いから若そうに感じるのかもしれません。日本の感覚だと、一定以上の年齢の人って、表ではあまり薄着にならないイメージがありますから。これはちょっと楽しそうかなと思い、今日の夕食は外食をする事に決定。少しぶらついて、1軒のカフェに入る事にしました。

ここではA$11のSpecialメニューがあったのでこれを注文。しかし、ウェイトレスのおねえさんはまだ何か言っています。例によってわたしの英語力では何を言っているのか分かりません。わたしが困っているとおねえさんも困った様子(^^)。しばらく問答していましたがらちがあかず、おねえさん困った挙げ句他のウェイトレスさんに交代。そしてこの人に説明してもらってようやくわたしも理解しました。A$11のメニューは何種類かあるので、その内のどれにするかを聞いていたのでした。なるほど。わたしは一つのメニューだとばっかり思っていました。値段しか見ていなかったという事ですね(^^)。そして頼んだのはステーキバーガー。出てきてみるとかなり量が多い。大きなステーキバーガーだけでも食べるのが大変そうなのに、更にポテトフライとサラダが山盛り載っています。VICTORIA BITTER 2本でなんとか流し込んでなんとか全部食べる事に成功しました。わたしは日本人にしては比較的量を食べる方だと思いますがこれはかなりきつかったです。オージーはこんなとんでもない量の食事を平気で食べるものなのでしょうか。

走行距離
432km
買い物
ペトロール A$16.85、ドリンク A$2.50、バックパッカー宿 A$20.00、夕食+ビール A$20.00、インターネットカフェ A$5.40、ドリンク A$1.40
KATHERINE温泉。子供(大人にも?)には格好の遊び場
KATHERINE温泉。子供(大人にも?)には格好の遊び場
大陸縦断達成〜
大陸縦断達成〜