マンション管理士

2003/6/13作成

マンションの管理は管理組合が行います。しかし、マンションの住民だからといってマンション管理の専門知識があるとは限りませんし、その時間的余裕があるわけでもありません。そこで、大半のマンションでは管理会社と契約して、管理業務を外部委託します。

ここで、管理組合と管理会社が協力して良いマンション管理が実現できれば理想ですが、そうとも限らないのが実情のようです。管理組合と管理会社ではマンション管理について圧倒的な知識の差があります。また、マンション管理を通して利害関係が一致しているとも限りません。管理会社がマンション管理の手を抜けばそれだけ利益が増大しますが、それは管理組合にとっては不利益です。しかし、管理組合に知識が無いために、管理会社の手抜きを見抜けないという可能性もあります。

こんな現状を解決するために、マンション管理適正化法という法律が用意され、その中の目玉としてマンション管理士という国家資格が誕生しました。マンション管理士は、管理会社とは独立して、良いマンション管理を実現するために管理組合に協力する事になります。このマンション管理士という制度は良い制度だと思います。これまで、管理会社の好き放題に出来たという環境を変えた事に、大きな意義があると思います。自分自身もこの資格を取ってみたいと思いますし、出来る事ならマンション管理士として開業してより良いマンション管理を実現できるような活動が出来たら良いなとも思います。

しかし、マンション管理士が登場して、マンション管理士に任せておけば全て解決でしょうか。残念ながらそうはいかないと思います。相変わらず、管理費用を負担するのは管理組合ですし、良いマンション管理を実現して利益を得るのは管理組合だけです。利害が一致しない管理会社が搾取していたのがこれまでとして、これからはマンション管理士が搾取するようになる事が有り得ないとは言えません。結局、良いマンション管理を実現するためには、管理組合自身がマンション管理の知識を持つしかないわけで、私自身もその為に何か出来ないだろうかという事を思いながら、その第一歩としてこんな駄文を書いていたりします。

(追記)

上記で、まるでマンション管理士が役に立たなかったり、管理組合を食い物にするようにも読める文章を書いてしまっていますが、それは本意ではありません。ほとんど全てのマンション管理士は良いマンション管理を実現するために誠心誠意努力されていると思いますし、管理会社にしても同様だと思います。ここで言いたかったのは、あくまでも管理組合として知識を持って自立する事が重要であるという事で、マンション管理士や管理会社を貶める意図はありません。