幽霊不動産を防ぐ法改正

2022/8/4作成

所有者が管理を放棄していたり、所有者が不明になってしまう幽霊不動産問題について、近年少しずつ法整備が進んできています。これ、マンション管理でも大事なんですよね。行方不明の区分所有者がいたり、そんな区分所有者が増えて管理組合自体が機能不全に陥ったりしてしまいますから。ということで、法整備について自分の備忘録としてまとめておきます。今後も法整備は進むでしょうし、見落としてることも多々あるでしょうから、気づいたら追記していきます。

相続登記の義務化

なんといっても大きいのはこちらでしょう。相続登記が行われず、登記名義は何十年も前に亡くなったご先祖様。相続人も全員亡くなっていて代襲相続人が何十人もいて全国に散っているなんて土地はあちこちにあるそうです。こんな土地、いくら価値があっても誰も手出しできませんよね。まあ、価値が低いから放置されているとも言えるのですが。

そんな相続登記を義務化したのは第一歩ですが、罰則は罰金のみですので、実際の効果はどれくらいなんでしょうね。罰金払えば相続登記をしなくても済むって考えちゃう人も一定数出そうな気もします。相続登記を10年放置すれば不動産の権利が消滅して国に取り上げられるくらいやっちゃってもいいように個人的には思いますけどね。まあ、何ごとも一歩ずつですから、まずは義務化されたことで前進ですね。しばらく運用して効果のほどを見定めて次の一手が打たれるのでしょう。

空き家対策特別措置法

放置された空き家に対して行政が様々な措置が出来るようになりました。なんといっても大きいのは行政代執行により建物の解体まで出来ること。解体費用は行政が立て替えて所有者に請求されますが、実際のところどれくらい回収できてるのかってのは厳しそうな気もしますね。最終的に行政負担になるとしたら、そう簡単には解体までは出来ないってことになって、実効性が乏しくなってしまうって問題もありそうです。

この問題の根本原因の一つは、建物が経っていれば固定資産税が減免されるからなんですよね。特定空き家に指定されれば固定資産税の減免は受けられないのでサクサクと除去が進みそうな気もするんですが、実際にはそうなってない感じですね。何が阻害要因になってるんだろう。

(2023/11/14追記)

老朽マンション建て替え、耐震性問題なら同意「4分の3」以上で可能に…再生推進へ緩和案

まだ区分所有法の改正案の段階ですが、建替え/解体決議の要件が緩和されるそうです。決議に必要な票数の緩和もですが、個人的には連絡が付かない区分所有者を決議の分母から排除できる条項が非常に重要かなと思います。

普段の総会でもそうですが、