マンションの幽霊問題

2010/8/31作成

200歳の幽霊戸籍なんかより、土地登記の幽霊所有者の方がはるかに問題

これ、マンションも他人事ではないんですよね。

居住者が亡くなる。相続が問題なく行われればいいんですが、子供は遠隔地に住んでいたり、老朽化して資産価値も無いマンションを手間隙かけて相続したくないなんて理由で放置される。結果、所有者不在の住戸が出来上がる。こうした住戸が管理費や修繕積立金なんて支払うとも思われませんから、当然滞納されるでしょう。そんな住戸が増えてくれば滞納金は管理組合の会計を圧迫しますし、そもそも管理組合の運営自体にも支障が出てくる可能性が高いです。これが、マンションの幽霊問題です。おそらく、今後数十年の間にそうしたマンションが次々に現れることになると思います。残念ながら、現状の法整備では回避する方法は多分ありません。自分が係わり合いになりたくないと思ったら、築年数の経った老人の多そうなマンションは敬遠することでしょうか。自分勝手な判断ですが、そうする人が増えることによって、問題が顕在化し、問題解決への道筋が見えるようになるかもしれません。

この問題は、根本的には「人は必ず死ぬ」ということに対して様々なシステムが脆弱に出来ているというところにあると思います。人が死んだときに、相続を含めたあらゆる手続きが適正に行われることを前提にしているから、そうした手続きが十分に行われなかった場合に問題が起きてしまう。極端なことを言えば、10年(期間は別にどれくらいでもいいんですが)経っても相続手続きが行われない資産は全て国家が没収するとでもしてしまえばいいわけですが、なかなか難しいでしょうね。