サイクルシェアリング導入手順案

2010/8/18作成

サイクルシェアリングはいいかもしれないで書きましたサイクルシェアリングの導入手順の実際について検討してみました。だいたい、次のような手順で行えばいいのではないかと思います。

0.前提条件

サイクルシェアリングの導入の前提条件として、駐輪場が不足している必要があります。逆に言えば、駐輪場が足りている場合、サイクルシェアリングを導入する必然性は非常に低くなります。なぜなら、多少なりとも導入と管理コストが発生するのに、メリットが発生しないからです。

例外的に考えられるケースとして、二段式駐輪場を採用している場合があります。この場合、駐輪場自体は足りていますが、サイクルシェアリングを導入することによって二段式駐輪場を廃止することができるかもしれません。そうなれば、二段式駐輪場という大きな施設の維持管理コストを削減することが出来、メリットが生まれます。

もう一つの前提条件として、マンションの立地が関係してきます。サイクルシェアリングを導入するということは、自転車を毎日利用するわけではないという人がある程度存在することが前提となります。そういう条件が成り立つのは、おそらくは駅から徒歩圏内のマンションということになるでしょう。普段の生活では自転車を使うことは少ないけれど、少し遠くに出かける時に備えて自転車を所有しているというケースです。こういうケースであれば、少数の自転車を住民同士で共有するサイクルシェアリングはうまく機能する可能性が高いです。

逆に、駅からある程度離れているマンションの場合、毎日の通勤通学に自転車を使用する可能性が高いですから、自転車も毎日利用することが考えられます。こういうマンションにおいては、サイクルシェアリングを導入しても利用率が低くて、うまく機能しないことが考えられます。

1.アンケートをとる

サイクルシェアリングを導入した場合に利用するかどうか、また現在駐輪している自転車を撤去するかどうかのアンケートをとります。このアンケートの結果、駐輪場に空きが出来て、更にサイクルシェアリング用の駐輪スペースも確保できることを確認します。また、利用率からサイクルシェアリング用の自転車の導入台数の目安も測ることが出来ます。

アンケートの結果、駐輪場のスペースが十分に空かない可能性もあります。むしろ、初回のアンケートではそうなる場合がほとんどではないでしょうか。その場合、サイクルシェアリングの導入のメリット、利便性などを繰り返し説明し、何度もアンケートをとる必要があります。

2.導入計画を立てる

アンケートで駐輪場の空きスペースが十分に確保できる見通しが立てば、実際の導入計画を立てます。検討する事項としては

などが考えられます。特に重要なのは、最後の貸出方式でしょうか。利用者にとって便利なのは、鍵共有方式です。これはサイクルシェアリング用の自転車の鍵を全て共通にして、そのスペアキーを全居住者が所有するという方法です。この方法ですと、自転車に乗りたいと思ったときに鍵を持っていきさえすればいつでも乗れるので利用者にとっては手軽です。しかし、この方法では誰がいつ自転車を借り出したのか分からないため、紛失した場合などに問題になる可能性があります。

そういう意味では、管理人を貸出窓口にして、台帳などに貸出履歴を記録するという方法が優れています。しかし、24時間有人管理でないマンションの場合、管理人が不在の時にサイクルシェアリングの自転車が利用できないという問題があります。

貸出料を徴収するかどうかというのも問題です。受益者負担の原則からすると、貸出料を徴収するのが理想ですが、そうすると貸出が手間になりますし、コスト面からサイクルシェアリングの利用を見合わせるという住民が出てくる可能性もありますので、考えどころです。

3.総会にはかる

導入計画が完成したら、導入の是非について管理組合総会にはかります。総会で可決されれば、無事導入することが出来ます。

4.導入する

実際に導入するにあたって行うことは、次のようなことが考えられます。

以上、サイクルシェアリングの導入のための手順を考えてみました。実際に私の居住するマンションで導入したわけではないので、ここで書いたことはあくまでも机上の空論です。もし実体験がある方がいらっしゃいましたら、その過程をご教授いただければ幸いです。