分譲業者によるマンション管理仕様策定の問題点

2007/9/27作成

新規分譲されるマンションの初期の管理仕様は分譲業者が作成します。が、これには構造的におかしな問題が含まれているように思います。それは、分譲業者は管理仕様に問題があってもその影響を受けないし責任も負わないからです。極端な話、管理費ゼロ円に設定して維持コストが安いマンションだとして売ってしまうことも出来ます。当然、管理組合会計は大赤字。でも、分譲業者にはその赤字は何の関係もありませんし、責任も負いません。いっそ分譲後何年間かの間に管理組合会計が赤字に陥った場合は分譲会社に補填させるような法律でも出来ればとも思いますが、なかなか難しいですかね。

まあ、一般には管理仕様策定にも国土交通省の指導が入ってますから極端にひどい仕様にはならないでしょう。それでもまだ問題はあります。それは管理仕様レベルの設定の問題。高いレベルの管理サービスを享受するのは当然にコストがかかります。本来、サービスの受益者自身が自分の希望する管理レベルに合わせて管理サービスを選択するべきなのですが、受益とも負担とも全く関係の無い分譲業者がその決定を行うわけです。管理組合自身で管理仕様を策定しようにも、管理組合自体が設立されるのは引渡し直後から。しかし管理は同じく引渡し直後から行わなければなりませんので間に合いません。引渡し前から管理組合活動を始めればいいという考え方もありますが、完売しているマンションならともかく売れ行きがいまいちよくない場合には簡単にはいきません。また、マンションは住居ですから、居住が始まる前には遠くに住んでいて組合活動に参加したくても出来ない人も多いでしょう。とりあえず分譲会社が策定した管理仕様でスタートして、その後管理組合自身で管理仕様を策定し直すのでもいいのですが、決まった管理仕様を変更するのはそう簡単なことではありません。

結局、これについてはいい改善のアイデアが浮かびません。購入者が、設備や間取りなどだけでなく、管理仕様についても適切であるかをよく検討した上で購入を決定するようになるしかないのでしょうかね。