マンション管理組合の監査

2004/8/1作成

決算書や予算書を見てみれば分かりますが、マンション管理組合って結構な金額を取り扱っています。小さなマンションでも年間数百万、大規模マンションになれば数千万以上の予算規模でしょう。大規模修繕工事ともなれば数千万から数億の金額が動く大事業になります。また、マンションというのは100人から1000人以上の人が住まう設備です。マンション管理組合の活動にはそれだけの人の生活が関わっています。予算規模や影響を受ける人数を考えると、マンション管理組合の活動というのは、そこらの中小企業の経営よりもよっぽど大きな影響を持っている大事業ではないかと思います。

ところが、この大事業を執行する理事会役員というのは、建築にもマンションにも詳しいとは限らない、ただ単に当番が回ってきただけの区分所有者です。素人が分けのわからないままに大事業を執行しているわけです。これって、どこのマンションでも当たり前に行われている事ですが、落ち着いて考えてみると物凄い危険性をはらんでいないですかね。

まあ、それでも区分所有者はそのマンションに所有権を持っているわけですから、自分達の持ち物を自分達自身で好きなようにやるというのは、一応スジが通ってはいます。では監査はどうでしょう。マンション管理組合活動が適正に行われいるかどうかを監査するために監事がいますが、これまたマンションにも建築にも詳しいとは限らない区分所有者です。これで本当に正当な監査ができるのか、数百人の区分所有者に対する公平性公共性を確保できるのかというと、普通に考えると出来ない確率の方が高いんじゃないかと思ってしまうのは、間違ってますかね。

そこで考えたんですが、マンションに外部監査を導入するのはどうでしょう。専門知識を持ち、またマンション内部の利害関係と独立した立場からの監査を受ける事が出来れば、かなりいいんじゃないかと思います。問題は監査費用ですけれど、予算規模から考えると当然に負担すべき費用だと私は思います。

マンション管理士が生まれて、理事会活動に外部の専門家を参加させようという動きは出てきましたが、監査について同様の動きはまだ聞いた事がないように思います。マンション管理適正化法の次の改正時には外部監査の義務付け、なんて事になったらいいんじゃないかなぁ、と考えてみたり。