あえてレッドオーシャンに飛び込む戦略の妥当性

2026/5/1作成

一般に新規に事業を始める際にはレッドオーシャンを避けて、ブルーオーシャンを目指しなさいと言われます。その理由は、レッドオーシャンでは競合との競争しなければならないのに対し、ブルーオーシャンには競合が居ないために競争の必要がないからです。でも果たしてそうでしょうか。ブルーオーシャンには以下の問題点があると思います。

まず一つは製品開発と並行して市場開拓も行わないといけないこと。ブルーオーシャンの場合現時点では市場が存在していません。今までに全くなかった画期的な新製品を作った場合、それがいかに有益な製品であるかということを伝える努力も必要。iPhone は作っただけでは売れなかったんですよね。

そうして頑張って市場を作る努力をしたけれど、結果として実は市場は存在しなかったという可能性もある。もしくは、市場は存在したけれど想定した規模ではなかったということも。どっちも事前にはいくらリサーチしても完全には分からないことですから、ここは賭けになってしまいます。

市場の開拓に成功し規模も十分だったとしたら、必ずフォロワーが登場します。競合を避けてブルーオーシャンを目指したのに、結局は競合が登場してしまうわけですね。先行者が有利と言っても絶対ではありませんし、後発のメリットだってありますからお互い様です。結局ブルーオーシャンがブルーであるのは最初のうちであって、成功した市場はいずれ必ずレッドオーシャンに移行するわけです。スマホ市場だって iPhone が登場してすぐにプレーヤーで溢れかえりましたからね。

一方レッドオーシャンです。レッドオーシャンには既に市場が存在することは確定しています。規模も事実の数字としてリサーチ可能です。市場開拓にリソースを割く必要はなく、製品開発に注力することが出来ます。市場は確かに存在しますが、レッドオーシャンでは既存のプレーヤーと競争しなくてはなりません。そこで使えるのがイノベーションのジレンマ戦略です。

イノベーションには持続的イノベーションと破壊的イノベーションがあり、既存プレーヤーは持続的イノベーションしか出来ないと言われています。持続的イノベーションとは既存製品の改良ですね。よりよい製品を作ることは出来るけど、根本からひっくり返すような画期的な製品を作ることは出来ないのです。なぜなら既存プレーヤーには既存顧客がいるから。画期的な新製品は既存顧客の既存の要望を満たせませんから、既存顧客は許してくれません。既存製品と別ラインで画期的新製品を作る方法もありますが、そうすると既存製品とカニバリズムを起こしますから、やはり出来ません。結果的に既存プレーヤーは破壊的イノベーションを行うことができないというのが、イノベーションのジレンマです。スマホの例でいうと、ガラケーメーカーや既存キャリアには iPhone を製品化することは不可能ということですね。

そこに破壊的イノベーションを武器に新規参入するのがレッドオーシャン戦略。既存プレーヤーはこの戦略はとれませんから、後発有利な戦略なわけです。絶対に勝てる方法というわけではありませんが、少なくとも戦い方としてはありだろうと思います。

結論としてブルーオーシャンでもレッドオーシャンでも、競争は避けられないということだと思います。競争を避けてブルーオーシャンを目指すのは理にかなってない可能性がありますし、自分が既存プレーヤーになってしまうと、後発から破壊的イノベーションで攻撃されるリスクもありえますかね。