起業する動機は一般的に前向きなものがよいとされています。起業に限らずかもしれませんが。就職の面接でも、消去法で御社を選びましたとか言ったら不採用確定ですよね。
起業における前向き動機と言えば、例えばラーメン屋でしたら自分の開発した美味しいラーメンを食べて欲しいとか、お客さんの喜んでいる顔が見たいとか、そういうのが挙げられると思います。今どきでしたら、社会貢献したいとかもありますかね。ラーメン屋で社会貢献ってのもちょっと謎ですが、不可能ではないかもしれない。
一方後ろ向きの動機。これもラーメン屋で例えると、昔ラーメン屋で働いてたからこれくらいなら出来るだろうとか、サラリーマンはなりたくないからラーメン屋でもとか、そんな感じですかね。まあ、確かにあんまり立派な感じではないかもしれない。お勧めされないのはわからなくもないですかね。
では後ろ向き動機での起業は絶対にダメかっていうと、そんなことはないと思うんですよ。起業して成功するかどうかって、単純な話として事業が黒字になるかどうかに掛かっています。そこに創業者の熱意とか姿勢とかは一ミリも関わってこない。売上と利益の数字。お金が全てです。冷徹な話ですが。そしてそれを支えるのは念密な事業計画と、厳格な計画遂行ですよね。いかに準備して、いかに実行出来るかにかかっている。逆に言えばそれ以外の要素は関係ないともいえる。いくら立派なことを言っていても、それが絵に描いた餅ではなんの意味もないですよね。
ではなぜ前向き動機がいいと言われるかっていうと、多分ですが困難を乗り越えるモチベーションになるかどうかって事だと思うんですね。事業は平たんではありませんから、何が起こるか分かりません。非常に辛い状況に陥った時に、それを乗り越えるには創業者の熱意が必要です。その熱意は前向きな動機からしか生まれないのではないかというのが根幹だろうと思うんですね。
でもですね、後ろ向き動機だって熱意の大きさでは実は変わらないんじゃないかと思うんですよ。絶対にサラリーマンには成りたくないという強い思いで困難を乗り越えることだってあると思うんですよね。つまり動機のベクトルの向きはどうでもよくて、ベクトルの大きさが大事ということ。そういう意味では前向き動機でも漠然とした弱い動機では起業は失敗する可能性が高いんじゃないでしょうか。
ということで、私は後ろ向き動機での起業はありなんじゃないかと思ってます。
(2026/5/1追記)
この記事を ChatGPT にみせてコメントをもらったところ、後ろ向き動機だと人を巻き込むときにうまくいきませんよとツッコまれました。
例えば人を雇う時に、サラリーマンにはなりたくないから起業したんだよねって言う社長だと、そこに就職するのは躊躇するかもしれませんね。就活の面接で嘘や演技をするという話がありますが、それは求職者だけではなくて採用側にも言えるのかもしれません。
人を雇わなくても融資の時でもそうかもしれません。創業資金を借りるために政策金融公庫に行ったとして、「ラーメン屋くらいなら出来るかなぁと思いまして」って言われたら、事業計画がいくら緻密に出来上がっていても融資担当者は躊躇しそうですね。
ということで、本音はともかく建前はある程度取り繕っておいた方がいいのかもしれませんね。