法人成り

2007/8/24作成

2年ほど個人事業主をやったあと、会社を設立して法人成りすることにしました。会社を作るといっても人を雇うわけではなく、基本的に一人で仕事をする事には変わりません。なぜわざわざ手間のかかる法人成りをしたのか。当然、複数の理由があります。

まず最大の理由は、節税のためですね。この理由で法人成りするフリーランスも実際多いらしいですし。細かい税務の話は省くとして、ある程度以上の年商があるならば、法人成りした方が節税になります。私の場合、実は法人成りした年度はそこまでの売上があったわけではなくて、節税になるかどうかギリギリのラインでした。しかしまあ、今後売上が伸びていくならメリットがあるだろうと言う事と、他の理由もあったので法人成りしました。

法人でないと出来ない仕事をしたかったという前向きな理由もあります。過去形ですけど。「大企業と取引するには株式会社でないと?」という話もありますが、それ以外にもとにかくどんな形態でも法人格が無いと門前払いという事も世の中にはあるんです。当時やろうとしていた仕事にそういう制限があったので、というのも理由です。その後、いろいろあってその仕事は頓挫して放置ですけれど(^^)。

単純に面白そうという理由もあります。会社を作れば私は社長です。一人っきりの会社ですけど(^^)。

フリーランスになったわけ」に書いた社会の勉強の延長というのもあります。会社を作れば、フリーランスよりもさらに広い範囲で勉強することが出来ますね。

継続という信用は今欲しくても手に入らないというのも、消極的ではありますが理由の一つです。仕事における信用というのもいろいろな種類があって、上場企業であるとか、大きな資本があるとか、スタッフがたくさんいるとか、一等地に自社ビルを持っているとか、いろいろあるわけです。上場はともかく、それ以外の信用はお金さえあれば明日にでも用意できます。しかし、時間による信用だけはそうはいきません。事業継続3年の信用が必要になっても、今すぐには手に入りません(休眠会社を買うという方法がありますが、色々な理由からお勧めできません)。そういう信用が必要だったわけではありませんが、将来必要になったときに「あの時法人成りしておけば」と思うくらいだったら、今してしまおうと思ったわけです。

フリーランスだと、クライアントからの扱いが悪かったことというのもあります。具体的にどうこうと書きにくいのですが、取引先の会社において正社員が居てアルバイトが居て、下請け業者はその下とみなされていました。また、孫請けの仕事で元請の会社の社員の振りをしてクライアントのところに行かされたなんてことも、何度もありました。とにかくフリーランスは舐められているなぁ、と感じる事が多かったので、では法人成りしたら少しは扱いが変わるかと思ったのです。しかし、実際には法人成りしても何も変わりませんでしたね。当たり前の事ですが。舐められるのは、私がそれだけ未熟で取るに足りない存在だったというだけの事です。