Windows 7の2020年問題

2013/9/18作成

ついに大半の企業ユーザーがWindows XPから移行開始か

珍しくプラスモデをもらったので、ちょっと調子に乗ってWindows 7の2020年問題について妄想を垂れ流してみる。

Windows 7は2020年までサポートされるので、サポートが切れるのは7年も先の話。そんな先のことは今考えなくてもいいやと思いがちなわけですが、実はそんなに先の話でも無い。リースや減価償却の都合上、企業ではPCを5年程度使うことが多い。(減価償却は今は期間が短くなったかも。最近の事情に実はうとい)。5年使い続けるということは、2015年以降に導入されるWindows 7はOSの入れ替えか、本体の使用停止をスケジュールに組み込んでおく必要があるということ。これ、たった2年後のことなわけですね。

でも、おそらく多くの企業においては「そんな先のことは先になってから考えればいい」ということで、無計画にWindows 7パソコンが導入されることでしょう。そして、多分それは2018年くらいまで続くことが予想されます。実際、2012年頃まで新規導入PCにWindows XPを載せていた企業は結構あります。

で、これらのWindows 7搭載パソコンを抱えた企業のIT担当者が2019年頃になって新OSに移行しなきゃとあわてるのが、Windows 7の2020年問題というわけです。今のWindows XP問題と全く同じ構図ですね。

ただ、全く同じになるかというと、そうなるとも限らない。その鍵は、2020年時点において、Windows 7がどれくらいのシェアを握っているかにかかっています。シェアが圧倒的に高ければ大きな問題になりますし、シェアが低ければ大した問題にはならないでしょう。

言うまでもなくWindows XPのシェアは非常に高いものでした。というか、今でも十分に高い。シェアが高いからOS移行が問題になるわけですね。なんでWindows XPのシェアが高いかというと、いくつか理由があります。その理由をWindows 7は満たしているかどうか。

まずWindows XPは非常に長期に渡ってサポートされました。2001年に発売されて2014年にサポート停止ですから、実に13年です。IT業界において、このサポート期間は驚異的と言っても過言ではありませんが、Windowsにおいては実はそれほど特別なことではありません。実際、Windows 7は2009年に発売されて2020年までサポートされるわけですから、サポート期間は11年となるわけです。十分長いですね。

次に挙げられる理由は後継OSであるVistaの発売が遅れたことと、その販売が振るわなかったことです。Vistaが予定通りに発売されて、順調に売れていたらWindows XPのシェアはある程度Vistaに移行していて、今の問題もそれなりに小さく出来ていたことでしょう。

ではWindows 7の後継OSであるWindows 8はどうでしょう。Windows 8は2012年発売ですから、Windows 7から3年後。発売が遅くなったということはないでしょう。ただ、販売はどうかというと、ちょっとねえ。Vistaほどに評判が悪いわけではないとは思いますが、ではしっかりと売れているかというとそんなこともないような気がします。実際、Windows 8搭載パソコンを購入してダウングレード権を行使してWindows 7を使っているというケースは非常に多いです。このままではWindows 7からWindows 8への移行がスムーズに進まないという事態は十分にあるように思います。

そして、実はWindows XPからの移行を難しくしている最大の問題はこれらとは別のところにあります。それは、Windows XPとセットで長らく使い続けられていたIE6です。Windows XPも長らく圧倒的なシェアを誇りましたが、IE6も同様です。長い間、ウェブにおいてブラウザと言えばIE6という時代が続きました。ウェブシステムはIE6にさえ対応しておけばそれでいいという時代です。それでもさすがに一般に公開されているサイトについては、他のブラウザでも動作するように作られていましたが、企業内で使われている業務システムなどの場合、ユーザが制限できるためIE6でさえ動けば問題なしということが多くありました。そうして作られた業務システムが、現在Windows XPからの移行を難しくしているのです。

ではWindows 7で同じことは起こるでしょうか。これはないでしょう。Windows 7に対応しているIEは8から11ですが、いずれも圧倒的なシェアを握っているわけではありません。また、ウェブ標準という考え方も進んできましたので、IEでしか動作しないサイトというのも作られることが少なくなってきました。なので、ブラウザ依存による2020年問題はおそらくは大きな問題にならないと思います。

そして最後に検討するのは、パソコン自体のシェアです。ここ数年でスマートフォンとタブレットが急速に普及しました。そして、この流れが逆行することはおそらくないでしょう。2020年の頃には、業務においても家庭においても、パソコンは主役の座から滑り落ちている可能性は十分にあります。となると、Windows 7のサポートが切れたとしても、それで受ける影響は限定的であり、大きな問題とならない可能性は十分にあると思われます。

以上、素人がしったかぶりの知識を妄想で書き散らしてみました。当たるも八卦、当たらぬも八卦。

(2018/9/4追記)

さてこのような記事を書いてから早くも5年も経過しました。かつての予言は当たりましたでしょうかね。外れましたでしょうかね。ここらで中間チェックをいたしましょうか。

Windows 7の延長サポートが終了する2020年1月まで、あと1年半を切ってしまいました。かつてのWindows XPサポート切れ狂想曲の再演となるとそろそろ大騒ぎになっているはずですが、私の観測する範囲の中では非常に静かな気がします。単に私が情報にうといだけという可能性も考えられますが、実際ネットニュース等でもWindows 7の延長サポート終了を報じる記事はあまり見かけないような気がします。最近、久しぶりに目にしたのは「Windows 7完全終了まであと500日を切る……」でした。他で報じられているのかとぐぐってみましたが、頻繁にニュースになっているというような様子ではありませんでした。

では、なぜ狂想曲が起こらなかったのでしょうかね。Windows 7のシェアが十分に少なくなっていてそもそも問題ではなくなったのかなとも思ったのですが、「Ubuntuが増加 - 8月OSシェア」によりますとWindows 7はまだ40.27%ものシェアを誇っているそうです。そしてなんと、Windows XPもまだ3.30%もあるなんて。今年って本当に2018年なんでしょうか。

Windows 7の後継であるWindows 8/Windows 8.1は残念ながらヒット製品にはなれず、OSシェアも現在では5.10%しかない状況です。しかし、その更に後継であるWindows 10はそれなりにヒットしているようで、OSシェアは37.80%とそれなりに頑張っているようです。ただ、「一体なぜ!? Windows XPがシェア増加 - 7月OSシェア」よると2013年7月のOSシェアは、Windows XPが37.19%、Windows 7が44.49%だそうです。この時の方が後継OSへの移行が進んでたことになりますね。

Windows 10への移行が進んでないにも関わらず、なぜWindows 7の延長サポートが話題にならないのか。こっから先は例によって素人が適当に思いついたことを書き連ねてみます。

一つは、前回のWindows XPからの移行期のPCが大量にあるということ。これらのPCは2013年頃に導入されていますので、5年使用してリプレースするとしたらそれがちょうど今年あたりということになります。Windows XP狂想曲からちょうど5年でWindows 7のリプレース時期が来るわけで、企業にとっては非常に都合がいいサイクルだったと言えるとでしょう。これらのPCがこれからどんどんリプレースされていくとしたら、Windows 7は今後急速にシェアを落としていき、2020年1月の延長サポート終了時には十分にシェアが少なくなっているのかもしれません。

Windows XP狂想曲の場合に困ったのは、大量のPCを一度にリプレースしなければならないことだけではありません。台数が多いのだけが問題であれば、単にお金と手間をかければ解決できるわけです。お金を出すのは簡単なことではありませんが、PCはそれほど高価なものでもなくなりました。人件費や他の設備投資に比べれば、企業にとって出せない金額ではありません。問題は、Windows XPやIE6でしか動作しないアプリケーションが大量にあって、それらをWindows 7に対応させるのが大変だったところにあります。これらのアプリケーションの改修には、PCをリプレースすることに比べると高額になりやすいですし、改修に時間がかかってWindows XPのサポート切れに間に合わないということもあっただろうと思われます。

それに対して、現代ではWindows 7やIEにべったりと依存したアプリケーションというのはほとんど聞かなくなりました。上で書いたようにウェブ標準という考え方も現代ではかなり広く知られるようになりました。無修正でとはいかないかもしれませんが、Windows 7で使用していたアプリケーションはWindows 10でも軽微な修正で動作することが多いでしょう。であれば、Windows 7の延長サポートが切れてもそれほど大騒ぎすることもないわけです。

また、アプリケーションがウェブ化/クラウド化したというのも大きいです。クラウドについては企業は長らくセキュリティ上の問題があるとして使用に二の足を踏んでいましたが、2018年においてはその抵抗は随分と少なくなったように感じます。むしろ、働き方改革に伴うリモートワークでクラウドが推奨される流れにもなっていますね。

最後に。私が予想したスマホやタブレットに移行してPC自体の地位が低下しているという未来はきたのでしょうか。スマホもタブレットも業務でも随分と使われるようになりましたが、残念ながら企業においては主役の座を奪うまでには至ってないと感じます。オフィスワーカーの方で、自分用のスマホやタブレットがあてがわれてないという方はそれなりにいるでしょうが、PCがあてがわれてないという方は2018年においては少ないと思います。スマホやタブレットが支給されている方にしても、出先でならともかくオフィスでは主にPCを使っているという方が多いと思います。

ただ、企業ではなく家庭においてはスマホやタブレットは完全に主役の座を奪ったように思います。家庭ではPCを使わなくなった、もしくは持ってなくて、スマホやタブレットを主に使用しているという方は非常に多くなった印象です。家庭においては、もはやWindows 7問題は存在しないと言っても過言ではないですかね。

さて、2018年9月の時点でのWindows 7狂想曲について書き出してみました。現時点ではまだ狂想曲は奏でられてないようです。今後1年半においていきなり演奏が始まるのでしょうか。それとも演奏されずに終わるのでしょうか。またその頃に追記したいと思います。

(2020/1/18追記)

2020年1月14日をもって、Windows 7のサポートが終了しました。一部有償によるサポートもありますが、ほとんどのユーザにとっては関係のないことですね。ということで答え合わせをしたいと思います。

まずOSのシェアをみてみましょう。25%超がWindows 7という状況 - 12月OSシェアによりますと、2019年12月時点でWindows 7のシェアは26.64%だったそうです。すごいですね。なんというか、人類ってアホですね。これだけ事前に分かり切っていた問題に対処できない。そりゃ年金も少子高齢化もどうにもならないわけだ、ってのはまあおいといて。

結局のところとして、Windows 7でもWindows XPの時と同じくサポート切れ狂騒曲を奏でてしまいました。2018年の時点ではあまりニュースとして取り上げられなかったように思いますが、さすがにこの半年ほどはWindows 7のサポート切れを取り上げるニュースも頻繁に見かけました。でも結果はこの通りです。うん。どうしましょうかね。

個人的には、Windows 7では2020年問題は起こらないのではないかと予想しました。理由は、パソコン自体が衰退すること、IE依存が減少すること、アプリの互換性があまり問題にならないことからです。一つずつ考えてみましょうか。

まずパソコン自体の衰退です。スマホやタブレットが普及し、一般事務くらいまでの領域はパソコンからタブレットに置き換わってしまうのではないかと予想したのですが、現実にはそうはなりませんでした。現時点ではほとんどのオフィスワーカーはタブレットではなくパソコンを使って仕事をしていますね。業務アプリのクラウド化が随分進みましたので、業務のほとんどはタブレットで行えるのではないかと思うのですが、まだパソコン信仰が強いのでしょうか。

一方、家庭においては急速にパソコンが衰退したように思います。家庭用途で使用するコンピュータはほとんどスマホに取って代わられて、家庭でパソコンを使用するのは一部マニア層だけという状況になっているようです。

次にIE依存からの脱却。これは随分進んだと思います。一般に公開されているウェブサイトでIEでしか動かないというものはまず見かけません。逆にIEをサポート対象外としているウェブサイトが多数あるくらいです。IE自体のシェアも随分低下しましたしね。企業内で使われている業務ウェブアプリではIE依存もまだまだあるとは思いますが、少なくとも増えることはないと思います。

最後にアプリの互換性ですが、そもそもパソコンでアプリをインストールすることも減りました。ウェブサービスでほとんどの作業が代替できてしまいますすね。企業内では伝統のVisualBasic製アプリがまだ使われている場合もあるでしょうが、これも数は減っているでしょう。また、Windows 7とWindows 10の互換性はかなり高いですから、Windows 7で動作していてWindows 10で動作しないアプリというのもあまりないかと思います。

こうしてみると、Windows XPの時と違って互換性のせいでWindows 7からWindows 10に移行できないというケースはそれほどなかったのではないかと想像します。もちろん皆無とは言いませんが、26%ものユーザがWindows 10で動作しないアプリを抱えていたとも思えません。とすると、Windows 10に移行できなかったのは、お金か時間が都合つかなかったからということですかね。人件費に比べればパソコンの買い替え費用なんて安いものだと思いますが、一方で利益ギリギリで経営している会社にとって、予定外の出費が厳しいというのもわからんでもないです。ギリギリになってから考えようと先送りを続けて今に至ってしまったというのは、まあ気持ちとしてはわかりますが、ほかの経営課題についても同様に先送りをしてるんだったら、会社自体の未来は大丈夫なんですかね。


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