ピークとチャンス

2011/3/9作成

とりあえずスポーツ選手を例に考えてみたいと思います。

おおよそのところでいくと、スポーツ選手がトップレベルで活躍できるのは、だいたい20歳から30歳頃ではないかと思います。もちろん、種目や個人差は大きいので、例外は多々あるというのは当然として。一般論として、及び仮のモデルとして、20歳から30歳が選手人生と考えます。

選手人生は10年間ですが、その10年間はフラットではありません。瞬発力をはじめとした体力のいくつかの指標は20歳頃がピークになる場合が多いと思われます。一方、経験は蓄積されていくので、30歳の引退寸前が最も蓄積されていることが多いでしょう。

そのほかにも、選手の能力を決めるパラメータはあります。オフシーズンでいかにうまくリフレッシュできているか、プレシーズンにいかにうまくトレーニングを行ってシーズン中にピークをもっていくか。更に言えば、怪我に見舞われないことも重要です。

選手がその能力を発揮するには、環境要因も大きくなります。10年の選手人生の中には、環境に恵まれず、くさったシーズンを過ごすことも多いでしょう。

これらの要素を全て鑑みると、10年の選手人生ですが、本当のピークと言えるのは、その内の1年か2年というのが一般的ではないかと思います。もちろん、例外は多々あると思いますよ。

以上が選手の能力としてのピークです。次にチャンスです。

野球やサッカーなど一部の例外を除いて、ほとんどのスポーツ選手にとって最大の目標はオリンピックです。しかし、オリンピックは4年に一度しか開催されません。オリンピックのような大きな大会が開催されるのはチャンスになります。

選手としてのピークとチャンスのタイミングが合致すると、それは幸せなことになります。選手として最高の能力を最高の舞台で発揮することが出来るのです。結果もそれなりのものが期待できるでしょう。

しかし、現実にはこのピークとチャンスが合致するというのはなかなか難しいものです。上に書きましたとおり、10年の選手人生の中で、本当のピークと言えるのは1年か2年程度です。そして、チャンスも毎シーズンあるというわけではありません。せっかくやってきたピークなのにチャンスを逃し、チャンスがやってきてもピークを外していてというようになれば、満足な結果は残せません。現実には、このような理由で、才能があり、努力もしたのに、結果を残せずに無名のままで選手人生を終える人が大半ではないかと思います。

この話は、何もスポーツ選手に限ったことではありません。普通のサラリーマンでも同様のことが言えます。サラリーマンの仕事人生は一般に20歳頃から60歳頃までの約40年。気力、体力が充実しているのは若い頃、経験が蓄積されるのは年齢がある程度いってから。仕事能力がピークになったときに、チャンスと言える大きな仕事を迎えて、見事にやりとげたら社内で伝説の人くらいにはなれますよね。「○○さんって、以前××プロジェクトに関わっていたんだって」って感じで。ピークがとても高くてチャンスもとても大きければ、会社を大発展させるような大成果を挙げることだってありえますよね。

長くなりましたが、ここまでが前置きです。なんて長いんだ。我ながら文章力が無くて情けないですが。

さて、結局私が何を言いたいかといいますと、だいたい次のようなことかなと思います。

・高いピークと大きなチャンスが一致すれば大きな成果を残すことが出来るけど、それは運にもだいぶ左右される。高い能力を持っていながら、その能力を発揮するチャンスを捉えることが出来ず、結果的に成果を出せなくて凡人で終わる人も多数居る。

・最大のピークや最大のチャンスは人生にそう何度も訪れない。しかし、ほどほどのピークやほどほどのチャンスであれば、もうちょっと数多くやってくることが期待できる。となれば、ほどほどの成果を出すことは、それほど有り得ないことではないだろう。

結論としては、高望みするのもいいけど、ほどほどの果実で満足するのもいいんじゃないか。ていうか、大抵の人はそっち組でしょう?という感じでしょうか。

うーん、おかしいなぁ。書き始めたときは、もうちょっと夢のある話を書くつもりだったのに、なんだかとっても夢の無い話になってしまった。すいません。機会があれば、再チャレンジします。

(追記)

そうそう。書こうと思っていたことを一つ思い出した。「プロジェクトX」という番組がありましたよね。あれのテーマソングで「地上の星」というのがありましたが、この"地上の星"っていうのは、ほどほどに終わった人たちの事ではないかと思うんですよ。しかし、実際の番組で取り上げられるのは、ピークとチャンスが合致して大成果を挙げた人ばっかりなんですよね。その点が、ちょっと違和感があるなぁという話をどこかにつっこもうと思ったんだけど、どこに入れたらいいんだ?「地上の星たちも天空の星ほどではないかもしれないけど、ちゃんと輝いてますよ」「天空の星をあがめるのもいいけど、地上の星もちゃんとみつめましょう」とか、そんな感じですかね。