まいばすけっとに侵食される私

2026/8/6作成

一部では都民の罰とまで呼ばれているまいばすけっと。イオングループが展開しているミニスーパーですね。罪深い都民である私はもちろんのこと、まいばすけっとを利用してます。

罪と罰は冗談としておいておくとして、実際まいばすけっとの利用頻度が結構高くなっています。気が付いたら毎日のように利用している。なんでかなと自己分析してみると、こんな感じかなと。

まず立地。コンビニほどの密度ではないけれど、スーパーマーケットよりは密度高く存在します。なので、ちょっと買い物しようと思ったときに、スーパーマーケットだと遠いけど、まいばすけっとならすぐ近くにあるということは実際にあります。近くにあるというのはやはり正義。

次にコンビニよりは安い。全ての商品がというわけではないですけどね。でもまあ安い。安さだけで言えばスーパーマーケットの方が安いんですが、先ほど書いた通りスーパーマーケットはちょっと遠いので、ちょっと買い物したいというような用途には適合しません。コンビニの方が近いけど、コンビニだと高い。ならほんの少しだけ歩いてまいばすけっとまで行くか、という事はとてもあります。

スーパーマーケットほど混んでないし、店内も広くない。ちょっとした買い物をサクッと済ませるという用途には丁度良い規模感。この規模感はコンビニも満たしますけどね。ちょこっと買いで1品だけとかはスーパーマーケットだとレジで気後れするんですが(気にしすぎ)、まいばすけっとなら気にならない。この点もコンビニでも満たしてます。

営業時間がスーパーマーケットよりも長いので、早朝とか夜間とかの時間帯でも買い物ができます。コンビニのように24時間営業ではないので深夜帯には利用できないのですが、スーパーマーケットには勝っている。

こうして挙げてみると、多分これらの要素ってイオングループの偉い人が考えたビジネスアイデアそのものだと思うんですね。つまり、まんまと術中にはまってると。まあ、そんなもんですよね。そして実際に自分としては利便性が得られて満足しているので、掌の上で弄ばれていてもそれで満足かなと思います。

(2026/8/9追記)

都民の罰とまで言われているまいばすけっと。一体何が罰なのでしょうか。それは多分ですが、買い物しててワクワクしないってことだと思うんですよ。

まいばすけっとって、定番の商品が並んでるだけです。買い物に行っても、棚の商品に代わり映えはしません。いつもの商品が、いつものように並んでいるだけ。そこで買い物するのは単なる作業でしかありません。楽しみはないのです。楽しくない、作業でしかない買い物を罰と称しているわけですね。

ではスーパーマーケットやコンビニにはワクワクはあるのでしょうか。確かにありますね。スーパーマーケットでは食べ物の旬や季節の行事に合わせたフェアが行われています。フェアに合わせて売り場が変わっていて、こんなものが売ってるんだと見るだけで楽しみがあります。そして何よりもセール。普段の値段から大幅に割り引かれたセール品がありますので、まとめ買いのチャンスですね。熱心な買い物客になると、チラシのセール情報で何件ものスーパーマーケットをはしごするそうですからね。

コンビニにもワクワクはあります。むしろこちらの方がワクワクする。今や大手コンビニならほぼ毎日なんらかのキャンペーンやコラボをやっています。店に入ってすぐの一等地は特設コーナーになっていますよね。また、お弁当やおにぎりなどの定番商品はしょっちゅう新製品が投入されます。毎日買い物に来ていても初めてみる商品があって、試しに買ってみるかとなりやすいですね。食品メーカーの提供するドリンクやスナックももちろん新製品が次々投入されますので、コンビニに行ったら毎回何らかの新製品を試し買いしてしまうという人も多いのではないでしょうか。

スーパーマーケットやコンビニにはこうした買い物のワクワクがあるわけですが、まいばすけっとにはありません。ではまいばすけっとは劣った店舗かというと、そういうわけではないと思うんですね。むしろ進化した店舗ではないかと思います。

ここで考えたいのが、イノベーションのジレンマでいうところの持続的イノベーションと破壊的イノベーションです。スーパーマーケットやコンビニが行っているのは持続的イノベーションです。常にお客さんの期待を超えるために、サービスや商品を次々と投入し続けてきました。結果としてサービスの種類は増える一方です。コンビニバイトと言えば誰でも出来る底辺職業の代表のように言われていますが、実際のところとしては増えすぎたサービスに対応する超多機能職であって、誰にでも出来るような仕事ではなくなってしまいました。

一方、まいばすけっとが行っているのは破壊的イノベーションです。日常の食料の買い出しにおいて必要最低限の機能だけに絞り込んでいるわけです。その結果として、買い物にワクワク感はありません。でも、そもそも買い物にワクワク感は必要なのでしょうか。買い忘れた牛乳を買いに行くのに、ワクワクする必要はありますか。ワクワクした結果として買うモノは本来買う予定ではなかった品物ですよね。それは余計なものを買わされただけではないでしょうか。

そう考えると、まいばすけっとは買い物に必要な最低限の機能を再定義して破壊的イノベーションを行ったと言えるのではないかと思います。持続的イノベーションが足し算だとすると、破壊的イノベーションは引き算ですね。まさに引き算によって生れた業態がまいばすけっとなのだと思います。

そして高所からの感想としては、この引き算って人口が減少し経済がシュリンクしていく今後の日本において必要なサービス設計なのではないでしょうか。スーパーマーケットもコンビニも誕生と普及したのは高度経済成長期からバブル期です。人口も経済も成長している時には足し算のサービス設計が適していたのでしょうけれど、衰退期に入った日本においてはもはや不適切なのではないでしょうか。そうした時期にまいばすけっとのような引き算のサービスが登場したのは、市場の必然ではないかと思います。