君に夢はあるか

2026/4/6作成

「やりたいことはなくてもいい(ISBN:978-4-478-12260-0)」を読みました。

夢を持ちなさいというのはよく言われますね。実際。本書では夢を実現した例として、大谷翔平さんと藤井聡太さんを挙げてらっしゃいます。確かに、お二人とも大きな夢を掲げて、それを実現させるために常人離れした努力を重ね、そして夢をかなえてらっしゃいます。確かに、非常に見本のような方々ですね。

そこまで大きな夢ではなくても、夢は持ちましょうと、その夢を叶えるために努力しましょうとよく言われますが、一方で夢がなくて困っている人も非常に多いというのが本書です。確かに。私自身も夢がなくてどうしたものかと非常に困っていたところです。

本書では、夢を見つけてその実現のために努力していくタイプを逆算型と定義し、それとは別に夢が無いけれと色んなことをやっているうちに道が出来ていくタイプとして積上型もあると提唱している。目的地が無くても旅行が成り立つかどうかという例が挙げられていたけど、非常に分かりやすい例えだった。行き当たりばったりでも旅行は成り立つんだよね。一方、目的地を定めないと旅行に行けないタイプの人も世の中にはいると。ふむふむ。この積上型というのは見落とされていると思うので、そこを指摘したのは非常に鋭いと思う。

そして積上型の人はどうしたらいいかというと、自分の強みを見つけてそれを生かしなさいという。この場合の強みとは、単に出来ることや得意なことというわけではなく、無意識のうちに実行してしまって、しかもそれをやっても疲れもしないようなことだそうです。言われてみれば、そういうことって誰にでも一つや二つはありそうだよね。

その強みを見つけて、伸ばしていって、強みを生かすようにすればいいですよということ。まあ、後半はこの強みの見つけ方と伸ばし方で、それは筆者がストレングスコーチという職業だからそうなるというのはあるんだけども。いや、それでいいんだけどね。

そういう強みを生かしましょうというのは分かるんだけど、一方でそれって人生を価値あるものにしなければいけないという呪縛からは逃れられてないのではないかなという気もするんだよね。逆算型も積上型も、辿るルートが違うだけで、目指すところは一緒だよね。一方で、人生は死ぬまでの暇つぶしって考え方もあって、人生に価値なんて無いし、それを求める必要もないっていう人だっているし、その考え方で救われる人だっているんだよね。筆者の立場的にストレングスコーチに誘導しなきゃってのがあるからしょうがないんだけども、そこの視点が抜け落ちているのがちょっと残念かな。

あとこれは単なる自分向けのメモなんだけど、積上型が夢を持たなくてもいいとしても、計画はあった方がいいんだよね。実際この本でも強みを見つける過程で計画を立てること自体は否定してないし。計画は次に何をするかの道しるべであって、遠大な目的地である夢とは違う性質のものなんだよね。スタートアップがビジョン・ミッション・バリューと分けて定義しているのと似たようなもんで。ということで計画は大事だよねってことかな。別に本書が計画を軽視してるわけではなくて、夢と計画を混同しそうになった自分向けのメモでした。