長期間の研鑽には生活基盤の安定が不可欠だよねぇという話

2023/10/16作成

まあタイトルそのままの話なんですが、具体例を挙げて書きましょう。例をあげるなら昭和のサラリーマンでしょうか。昭和のサラリーマンは新卒採用された会社で終身雇用されますから、収入面では安定しています。新卒から定年まで約40年間ね。そして家庭に事は全て専業主婦である奥さんに丸投げです。家事も育児も一切しません。親の介護も全部奥さんに丸投げで、自分自身ではゴミ出し一つしません。なので会社での仕事に全力投球です。そんな環境で40年間研鑽を積むので、仕事での成果もそれなりに出せると。それが社会的に本当に価値があるものかどうかは別の議論があるとは思いますが、少なくともサラリーマンとして社内で評価されるだけの結果は出しているわけですよね。そして、昭和のサラリーマンがそうやって結果を出せるのは、収入面でも生活面でもそれぞれ安定しているからではないかなぁというのがこの記事の話です。

逆の例で、私の趣味の話を書きましょうか。私は趣味でマラソンを走ってます。もう始めて20年にもなります。普通、一つの趣味を20年もやれば相当のベテランです。マラソンでもそれなりにいろんな結果を出しているのが期待されます。でも実際にはそんな結果を出してないんですね。

マラソンの場合、結果の評価軸の一つのタイムがあります。数字なので非常に分かりやすい。もちろんタイムが全てではないのですが、一つの指標にはなるんですよね。市民ランナーの場合、最初のうちは5時間6時間とかかっていますが、ある程度研鑽を積んだ人は4時間を切るくらいまでにはわりと簡単に到達します。マラソンの世界ではサブフォーと呼ばれてます。20年もマラソンやってればサブフォーくらいは達成していて当然なんですが、私は達成で来てません。5時間切りのサブファイブを1回達成したのみです。しかもそれは10年前。つまり初心者レベルなんですね。

なんで達成できてないかっていうと、それは長期間の研鑽を積めてないからなんですね。マラソンってのは練習という研鑽が如実にタイムという結果に結びつく趣味です。そりゃ中には全く練習せずにいきなり好タイムを出す人もいますが、それはもともと別の競技なり趣味なりで研鑽を積んでいたからなんですね。で、私の場合数カ月程度の研鑽は積めるんですよ。それでちょっとマシなタイムになるんですが、仕事が忙しくなったりして、数カ月のブランクが出来てしまったりする。数カ月ブランクがあると如実に走力が落ちて、研鑽効果はなくなってしまいます。つまり、またゼロからやり直しになってしまう。私の場合、20年間この繰り返しをずーっとしてきました。なのでいつまで経っても初心者レベルです。

研鑽を阻むものは仕事に限りません。家庭において、育児や介護で時間を取られる時期というのはあります。自身や家族が病気になってってのもあるでしょう。生活の安定というと金銭面もありますから、非正規労働者で解雇されてしまったってのもあるでしょう。とにかく、人生って山あり谷ありなんですね。むしろそうやってイベントがある方があたりまえ。大きなイベントがなく平坦で平穏な人生を歩めた人のみが、長期間の研鑽を積んで高い結果を出せてるんじゃないかなって気がするんですよ。それって多分レアケースですよね。レアケースだからこそニュースに取り上げられたりするのかもしれませんが。

まあ中には波乱万丈の人生を送りながら、でも心折れずに研鑽も積み続けてるって人もいるでしょう。それはそれでトラブルの渦中でも心が折れないという特別な才能を持っているといういみで、やっぱりレアケースかなという気がします。