妻の姓にする話

2023/8/19作成

妻の姓にすると伝えて泣く親、キレる親

ちなみに私自身は選択的夫婦別姓に賛成の立場です。というか選択できるんだから反対する理由ってないよなぁと思うんだけど、それはこの記事のテーマから外れるのでいったんおいておいて。

ええと、増田を読んで思ったんですが、この夫婦の場合は夫婦ともに姓を変えられるとよかったんじゃないかなぁという気がします。というか、単純な組み合わせの話なんですが、その選択肢が漏れてたのに気が付いたのでこうして記事を書いています。

現在の制度では、妻が夫の姓に改姓する、夫が妻の姓に改姓するのどちらかです。選択的夫婦別姓は夫も妻も改姓しないという方法ですね。であれば、組み合わせとして夫婦共に改姓するって選択肢があり得るよねと思ったわけです。夫が鈴木さんで妻が佐藤さんだったとして、結婚して二人共に山田さんになるとかですね。

明治民法ではこういう方法はあり得ませんでした。夫がもともと居た戸籍に妻が入るしかありませんので、必然的に妻が改姓していました。しかし戦後の民法では結婚時に夫婦で新しい戸籍を作ります。ですので夫の姓から変えることが出来るということで、妻の姓を選択できるようになったわけですね。このときにどっちの姓でもない姓にするだけですから、実務的には支障はなさそうな気がします。外国籍の方が日本国籍を取得して戸籍を作成する際には任意の姓を名乗れるわけですしね。

ただまあ、実際のところとして夫婦ともに改姓する制度ができたとしても、それを選択する人はほとんどいないと思われます。選択的夫婦別姓で指摘されているのは改姓の大変さ(事務手続きの膨大さ、アイデンティティの喪失、名声のリセットなど)ですからね。その大変さを無しにしようというのが選択的夫婦別姓ですが、夫婦ともに改姓したら夫婦共に大変になってしまう。メリットはほとんどないわけですが、増田の場合は「相手にその大変さを負わせるのは気の毒」という動機があるわけですよね。自分が改姓すれば相手に大変さを背負わせずに済みますが、相手方は負い目を感じてしまいますよね。どちらかの姓を選択するならば、必ずどちらかは負い目を感じてしまいます。夫婦ともに改姓する場合、どちらも大変ではありますが、負い目はどちらも負わなくて済みます。大変だけど公平だよねってことで、夫婦ともに納得がいく方法のような気がします。同じように考える夫婦は一定数居そうな気がしますし、なんとなくですが今後の若い世代ではそう考える夫婦が増えていきそうな気がします。