SaaS多すぎ問題

2023/8/14作成

まあ、タイトルそのままだよねって話ではあるんですが、一応具体的な話を書いてみます。

今や SaaS を業務で使うのは当たり前になりました。いまだに紙と電卓で業務を回している昭和な企業もあるとは思いますが、大抵の企業が業務で SaaS の一つや二つ使っているかと思います。IT 化だの DX だのと言われていますので、SaaS を導入するのもよいかと思います。ただ、なんでもいいからとにかく SaaS を導入してた時期を過ぎて、そろそろ過渡期になってきたのではないかなぁというお話です。

利用している SaaS が一つだけなら話は簡単です。一つだけとすると、まあグループウェアになるでしょうか。サイボウズとかですね。でも、大抵の会社は複数の SaaS を使い分けていると思います。Asana などのタスク管理、Confluence のような共有ドキュメント、Teams のようなチャット/TV会議、Miro のようなホワイトボードなどなど。新入社員があると情シスのスタッフはそれぞれに対してアカウントを発行しますし、各社員は業務のなかであっちこっちの SaaS にアクセスしなければなりません。アカウントも当然別々ですから、ログインも都度行わないといけませんし。シングルサインオンに対応していればアカウント管理は簡略化できますが、ログインは結局しなきゃいけませんし、採用してる SaaS が全てシングルサインオンに対応しているとも限りません。

また、SaaS 導入から何年もたっていると、Saas 乗り換えも出てきます。SaaS は当然競合もありますので、競合の方が機能やコストで優れていたら乗り換えますよね。乗り換えるのはいいんですが、過去データはどうしましょう。全部データ移行出来るような幸せな移行組み合わせだったらいいんですが、大抵はそうはいきませんよね。過去データはばっさり捨てれるならそれでもいいんですが、そうもいかない場合。結局新旧両方の SaaS を利用し、ある時期以前のデータはこっちの SaaS、以降はこっちの SaaS を使うってなってしまいます。でも中には区別がつかずに旧 SaaS で更新する人が出てきてしまったり。閲覧のみのアーカイブモードに出来る SaaS だったらいいんですけどねぇ。

全社員がこれらの SaaS をうまく使いこなせるなら問題ありません。まあ、世の流れとしては使いこなしなさいってことにはなっていますが、実際には簡単なことじゃないですよ。みんながみんな、そんなに IT スキルが高いわけではないですからね。そんな昭和社員はクビすればいいんだって気軽に言いますけど、平成世代や令和世代だってこんなにたくさんの SaaS を使いこなせるかっていうと、万人がそうとは限らないですよね。使いこなせる人が自分を基準に考えてるから「こんなの簡単だ」って言ってるけど、実際にはそんな簡単な話ではないと思います。

ということで、SaaS はとにかくあればそれでいいという普及期を過ぎて、そろそろ成熟期に入っていくのではないかなと思います。というか、そういう方向に進んでいかないと、これ以上の普及が難しいのではないかと。現状、多数の Saas が乱立してなんとかなっているのは、IT スキルが高い一部の人だけの間で使われているからだと思うんですね。もっと IT スキルが低いレベルまで普及させようとすると、今のままでは難しいんじゃないかと思います。

では実際どうなればいいかっていうと、SaaS の統合ですよね。一つの SaaS であれもこれも、何でもかんでもできてしまう。統合型 SaaS になる。例えばの話、上述したタスク管理だのドキュメント管理だのチャットだのは全部サイボウズの中にも実装してしまえばよい。サイボウズに実装したものは機能的には劣るかもしれません。ていうか、専門の SaaS の方が高機能になるのは当たり前ですよね。でもサイボウズに統合されていれば、多くの社員が困らずに使うことが出来るようになる。全員の IT スキルの高い会社はこれまで通り複数の SaaS を使い分ければいい。そんな感じになるのが今後の流れではなかなぁという気がします。