社内版の知恵袋があったらいいのにという意見をとあるところで見かけて、そういえばあんまり見かけないなぁと思ったので少し考えてみました。
ネットには質問して回答を寄せてくれるサービスがいくつかあります。メジャーなところでは例にあがったYahoo!知恵袋。人力検索はてなとかQuoraもありますね。プログラミング分野に限るとteraTailとかQiita質問とかありますし、世界的にはなんといってもStack Overflowが有名です。
とまあ、一般に開かれたサービスとしては質問箱っていろいろあるし流行っているのに、これ社内版ではあんまりみかけないなというのは言われてみれば不思議です。
試しに少しぐぐってみたのですが、質問箱SaaSを提供してるところって見つかりませんでした。もしかしてこれはブルーオーシャンか、という気もしましたが、考えてみるとなかなか難しいのかもしれないなと思ったので、そこまでの思考の書き出しがこの記事です。ここまでが前書きかよ。
日常生活だけではなく、仕事をしていても質問したくなることはいくらでもあります。そうしたときに質問箱に投稿して、知っている人が回答してくれる。質問と回答の履歴は蓄積されて検索可能になっていれば、次からは質問することもなく回答が得られるようになります。とても便利ですね。
ただ、実際のユースケースを想像すると、多分これ会社内では利用されないんじゃないかなと思うんです。それは次の二つの理由からです。
一つは、疑問に思ったことがあっても、その質問先って明確だから。経費精算のやり方が分からなかった場合、社内ネットの質問箱に投稿するよりも、総務の人のところに聞きに行きますよね。そっちの方が早いし正確。仕事の進め方で疑問が出てくれば上司に相談します。結局社内で行ってる仕事に関しては、それが誰が担当であるかが明確になっているので、漠然と社内全体に聞くよりも、担当者に聞いた方が早いし確実なんですよね。自分が担当者が誰かを知らない場合も、近くの人に聞けば教えてもらえますし。
もう一つは、仕事でやってる場合は回答が今すぐ必要になる場合が多いってこと。質問箱の場合、回答がいつやってくるかは不明です。気が付いた人が気が付いた時に回答しますからね。いつまでに回答があるか期限が分かっていればまだ待てますが、いつになるか、回答があるかどうかもわからないでは仕事には使いものになりません。
結局使えるのって「ランチでお勧めのお店教えてください」といった、仕事とは直接関係ない質問に限られてしまうんですよね。そしてそういう質問は、わざわざ専門のサービスを使わなくても、チャットツールの雑談チャンネルあたりで間に合ってしまう。
ということで質問箱SaaSはサービスとして成り立たせるのは難しいのかなぁという気がしました。もちろん私が考えた範囲での話ですから、絶対に不可能ってわけではないんですけどね。