分からないことを価値がないと決めつけないようにしたい

2022/12/10作成

たまたま見かけたこのツイート。同種のことを言っている人はそこら中にいますから、この方だけを取り上げるのはフェアではないのですけどね。まあ、例としてということで。

メーカー勤務ワイ、納得いかないことがある。なぜ事務系社員と技術系社員で給与テーブルが同じなのか。技術職=専門職なわけで代替は利かないし、他社に流れる=技術流出に繋がるんだからもっと給料上げて然るべきだと思う。

— ぽぽちゃん?? (@mekaol21) December 5, 2022

技術者「事務職が具体的にどんな仕事をしてるか知らない。どうせ大したことはしてないだろう。なら給料減らしてもいいし、クビを切っても平気だろう」

という主張は

経営者「技術者が具体的にどんな仕事をしてるか知らない。どうせ大したことはしてないだろう。なら給料減らしてもいいし、クビを切っても平気だろう」

という主張と全く同じ構造ですよね。後者に対して技術者軽視だと反論してる人はネットでそこら中に見かけますよね。なのになぜ他者、この場合は事務職に対して同じ構図を仕掛けるのか。これではいじめられっ子が別の場所でいじめっ子になるのと全く同じじゃないですか。

なぜこんな主張になるのかというと、知らないからですよね。事務職が具体的にどんな仕事をしているか知らない。知らないのは別に問題ないんですよ。全ての職種について知ってる人なんて居ませんから。問題は知らないときに、自分は知らないけどそこには何かあるかもしれないと考える想像力ですよね。その想像力が働かないと、自分が知らないことすなわち価値が無いこと、もしくは存在しないこととして扱ってしまう。

もう一つは他者の尊重ですよね。自分が尊重して欲しかったら他者も尊重しましょう。小学校の道徳のような話ですが。自分を尊重してもらうために他者をけ落とすのであれば、地獄の亡者と一緒じゃないですか。ここは人間界ですよと。

想像力と他者の尊重。この二つがなければ、演劇人以外の職業は価値がないと言い放った平田オリザさんのような冒頭のツイートになってしまうのかなと思いました。まる。