だからライフチェンジじゃなくてライフシフトなのかな

2022/12/1作成

最近「ライフシフト」という考え方を知りました。原典の書籍は読めてませんが、解説本を読んだり関連するセミナーに参加したりしました。

現時点での私のざっくりした理解は「人生50年だったころは教育・仕事・引退の3ステップの人生モデルで通用したが、人生100年時代には合致しない。一つのスキルで仕事を続けられないし、引退後の時間が長すぎる。そこで教育・仕事・引退を何度も繰り返したり並行して行ったりするマルチステージの人生モデルが求められている」という感じです。

人生100年時代はまあ最近よく聞くようになりましたよね。アラフィフの私としてはちょうど人生折り返し点なのかと思うんですが、振り返ってみるとアラフォーの頃は人生80年と言われてちょうど折り返し点でした。この調子で行くとアラカンの頃には人生120年時代になってるんじゃないかと思うんですが、まあそんなネタはおいておいて。

マルチステージの人生モデルに合わせて転職したり、時には大学などに入り直して学び直したりするというのはまあわかります。ただ、そこでふと思ったんですが、果たしてアラフィフの全くの新人が登場しても、果たして現場で通用するのだろうかと。

よくある例だと、脱サラして手打ち蕎麦の店を開くとかありますよね。当人の人生ですからやりたいことをやればいいんですが、大抵は客が入らず数年で閉店してしまうわけですよね。だいたい学校出たての若者が蕎麦屋を開くにしても、既存店で下積みから何年も修行してから開店するものでしょう。修行で得られるのは蕎麦打ちの技術だけではなく、接客だったり店舗経営だったりのノウハウなど様々なことがあるはずです。それをそば道場に3か月通っただけで開店してしまうんだから無理がありますよね。

ではアラフィフになってから既存蕎麦店に修行に入れるかというと、店舗側としても高齢新人は扱いにくいので嫌がられますよねぇ。当人としても人生経験積んできたのに若造と同じ扱いをされてプライドがもてるかっていうと厳しい。でもまあ、マルチステージの人生ならばそういう過程も必要なのかなと思いますが、どっちかというとハードモードですよね。

また、頑張って蕎麦屋で修行して無事に自分の蕎麦屋を持てたとしても、若いころから蕎麦屋一筋にやってきた人には多分追い付けないという問題もありまして。それで当人が納得するならいいんですけどね。

そこで思うのが、マルチステージだからって既存の人生経験を全て捨ててドラスティックに変革する必要はないんじゃないかということ。転職指南でよく言われることですが、既に持っているスキルと新たなスキルを掛け算でいきましょうと。もしくは、既存のスキルから半歩はみ出した領域を狙いましょうと。

転職でいうと、ITエンジニアは楽して高収入が得られると人気だそうです。全く未経験の方がITエンジニアに転職するのは不可能ではないでしょうけれど、それは脱サラしていきなり蕎麦屋と同じくらい難易度高いんじゃないですかね。せいぜいプログラミングスクールの養分になってお終いじゃないですかね。

私は本業がITエンジニアですが、もしも蕎麦屋に転職するとしたら、蕎麦打ち職人になるのではなく、IT×蕎麦の領域を狙うのがいいんじゃないですかねってことです。具体的にどういうものかイメージわきませんが。もしくはITに隣接する周辺領域とか。そうやって少しずつポジションを移動していくのがやりやすいんじゃないかというような気がしました。なのでライフチェンジではなくてライフシフトなのかなぁというわけです。

最初にも書きましたが、当人の人生ですからやりたいようにやればいいんですけどね。それで失敗しても当人としては挑戦したという納得は得られるはずですし、絶対に失敗するという保証があるわけでもありません。いきなり畑違いに転職して成功する人もいますし、古くは伊能忠敬のような例もありますからね。現代でもすがやみつるさんとかいとうまい子さんのような例もあるわけですし。