サイレントお祈りはなぜダメなのか

2021/1/4作成

アラフィフにもなってですが、ただいま転職活動を行っています。当然ながらたくさんのお祈りメッセージをいただくのですが、サイレントお祈りをいただくことも多いです。だいたい三分の一くらいの会社さんがサイレントお祈りです。

念のために説明しておくと、不採用通知の最後に「貴殿の今後のご活躍をお祈りいたします」と書かれることが多いため、不採用通知のことをお祈りと通称するんですね。そしてサイレントお祈りとは、不採用だけど不採用通知を行わないこと。通知がないので求職者には選考中なのか不採用なのかわかりません。常識的に考えて通知が行わるであろう期間を過ぎたことで、おそらく不採用なのだろうと判断するしかないわけです。正直、求職者にとってはとても不便なことなのですが、それに加えていくつかの会社側の問題を内包していると思うので、それについて書いてみたいと思います。

サイレントお祈りの理由としてまず考えられるのは保留中であること。新卒の一括採用なら別ですが、中途採用は応募者によってスケジュールはばらばらです。当然並行して複数の応募者の選考が進んでいることもあるでしょう。満場一致で採用決定するような優秀な応募者なら別ですが、他の優秀な人が採用できなかった場合に採用通知を出そうと思ってるような2番手以降の応募者に対しては、ギリギリまで通知が遅れることはあるでしょう。個人的にはこのケースは全然問題ありません。求職者側だって複数の企業に同時並行で応募してるわけです。最終面接を通過して内定もらってから内定辞退する場合だってあり得るわけです。これはお互い様でしょう。

こっから先は問題だと考えられるケース。まず第一は、採用担当者が決まってないとか、採用フローが定まってなくて、応募が放置されている場合。小さな会社ではありがちだと思います。担当者が設置されてなくて、その他雑用は全て社長が担当になっているけれど、社長は多忙で業務が零れ落ちている。そしてそれを他のスタッフも指摘したりフォローしたりも出来てないのがその会社の実態なわけですね。そもそも小さな会社では採用応募だって年に数件もあるかどうかですから、対応も都度になって採用フローも固まってないでしょうが、必要な業務が零れ落ちて放置されているというのは問題です。そういう体制で仕事が行わているということは、他の業務についても同様の可能性が高いわけですね。企業側としては他の業務はちゃんと回していると言うでしょうけれど、そうだとしたら求職者はないがしろにしていいと考えているということですから、それはそれで問題です。企業と求職者は対等というのが建前ですが、実際には厳然と上下関係があります。目上の立場に立った時に、目下の者をないがしろにしていいという企業文化があるということは、部下とか後輩とか外注業者とかも同じようにないがしろにしているのでしょう。私はそんな会社で働きたいとは思わないですね。

ただただ選考に時間がかかっているという可能性もあります。応募者の検討のために会議が開かるけど、そのスケジューリングが難航して何週間も先になるとか、スケジュール調整のための会議が必要だったりとか。採用不採用の決定を下すために何人もの上司の決裁が必要でスタンプラリーをするのに時間がかかっているとか。これはこれで入社後の業務の姿を現していると言えそうです。ありとあらゆる業務において煩雑な手続きが存在し、意思決定に時間がかかる。大きな企業とは限りません。小さな会社でも業務を放置して平気な社風の場合もあり得ます。ともあれ、その会社に入社して実際に業務を行うときに、何をするにしても時間がかかるというのは覚悟しなければならないでしょう。これも企業としては普段の業務は迅速に回していると言うかもしれませんが、ならばやっぱり求職者は下に見てないがしろにしているということで問題です。

というようなことで、私は応募してからの反応が悪い企業は、それが入社後の社内での働き方に直結していると考えています。よく言われる通り、就職/転職活動では企業が求職者を選んでいると共に、求職者も企業を選んでいるんですね。そのことを認識している企業側の担当者は意外と少ないように思いますけれど。実際、面接をしていても「俺様がお前を判定してやる」という態度ありありで接してくる担当者もよく居ます。世間でいいイメージで語られている会社でも。ここで会社名を書いてさらしてやりたいけど、それは流石にしませんが。ともあれ、求人だって企業活動の一環であるというのは、もうちょっと認識されてもいいんじゃないかなぁという気がしますね。

(2021/1/4追記)

企業側のスタンスをフォローするわけではないのですが、Wantedlyについてはちょっとわけて考えたほうがいいかなと思いますので追記しておきます。

まずサイレントお祈りですが、実は大半がWantedly経由で応募した場合に起こっているのです。Wantedly以外でもあるのですけどね。そしてWantedlyでは応募者の画面には「企業側が興味があれば返信があります」と表示されるのですね。応募直後しか表示されない画面なので、今正確に文言を確認できないのですが。つまり、企業側としては興味が無い応募者に対しては返信を返す必要が無いとWantedlyでは定めているのです。いわばサイレントお祈りをWantedlyが推奨しているようなものですね。Wantedlyを利用する求職者はこの点を理解しておく必要があります。そしてWantedlyを経由している限り、サイレントお祈りであっても企業側には非が無いことになります。

またこれは私自身が確認したことではないので噂レベルの話ではあるのですが、Wantedlyでは企業と求職者がメッセージをやりとりすると都度課金が発生するらしいのですね。以前応募したとある企業の担当者から課金を避けるために別の手段で連絡を取りたいと持ち掛けられたことがあります。まるでマッチングサイトのようですが、Wantedlyも一種のマッチングサイトですから、まあそういうこともありますかね。繰り返しますが、私は企業側で採用に携わったことがあるわけではないので、Wantedlyでメッセージが都度課金されるというのは聞いた話でしかありません。また、このやり取りも何年も前の話なので、今のWantedlyでは課金ルールが変わっている可能性もあります。ともあれ、課金が発生するならできればメッセージを送りたくないなと思うのは当然かと思います。ましてWantedlyからサイレントお祈りを推奨されているわけですから。

もう一つこれまた噂レベルの話ですが、Wantedlyではカジュアルな応募を増やすためにランチをご馳走するという制度があるんですね。当然ランチ代は企業負担です。この制度を悪用してタダ飯プラットフォームとして乱用する若者が頻出したそうなんですね。企業側としては採用活動の一環としてランチ制度を利用しているわけで、採用に応募する気が一切ない人にランチをご馳走してもメリットがありません。長い目で見れば企業のファンを増やす広報活動だと言えるかもしれませんが、そのためにランチ代と採用担当者の時間を負担するのはコストパフォーマンスが悪すぎます。ということで、企業側としてはWantedlyでの応募者は他の媒体からの応募者よりも一段低く見てる部分があるという噂を聞いたことがあります。あり得る話かなぁとは思いつつ、やっぱり私自身は企業の採用側の立場に立ったことがないので、実際にある話かどうかは判断が付きかねますが。