スクリーン志向ユーザインターフェイスもあるよね

2020/2/8作成

今時のパソコンは大抵はGUI=グラフィカルユーザーインターフェイスを備えています。マウスやタッチパネルを使って、グラフィカルな画面を使って操作します。

一方、CLI=コマンドラインインターフェイスもしくはCUI=キャラクターユーザインターフェイス/コンソールユーザインターフェイスというものもあります。俗に言う"黒い画面"という奴ですね。文字だけが表示され、キーボードからタイプしたコマンドで操作を行います。

一般にGUIとCUI/CLIが対義語として用いられるのですが、それ以外にSUI=スクリーンユーザインターフェイスとでも言うべきものがあるんじゃないかと思うんですね。あんまり見かけない言説ですが。いや、実際には私が知らないだけで、どこかでちゃんと説明されているとは思うんですが。

CUI/CLIというのはタイプライターをメタファーとした大昔のダム端末をエミュレートしたものです。キーボードからコマンドをタイプしてコンピュータに送信し、結果が表示される。またコマンドをタイプし結果が表示される。この繰り返しがCUI/CLIです。CUI/CLIではタイプライターのイメージですから、編集対象は1行のみで、前の行に戻ることはありません。一方通行です。タイプライターも高級な機種では紙を戻す機能もあるでしょうが、基本的には一方通行ですよね。

でも一般のCUI/CLIではもうちょっと拡張されています。大きなスクリーンで過去の行も表示されるのはもちろん、逆スクロールして過去の行を戻って表示させることも出来ます。さらにテキストエディタではカーソルを画面中を縦横無尽に動かすことも出来ます。こうなると、コマンドラインという行志向の操作と言うよりは、スクリーンという画面志向の操作であって、行志向と画面志向では明らかに操作の概念に違いがありますよね。

逆に、行志向のテキストエディタというのも昔はあったわけです。今ではほとんど滅んでしまったラインエディタです。私も実際には使ったことはないんですけど、MS-DOSにはedlin.exeがありましたし、UNIXではed/exがそうでした。exは今でもviのexモードで使えるはずですね。使ったこと無いけど。viはvisual editorから命名されていますし、ラインエディタに対してスクリーンエディタと呼ばれていました。このエディタの呼び分けには、明らかに行志向と画面志向の区別がついていたわけですが、GUIの登場以降はCUI/CLIにひとまとめにされてしまった感があります。

(2020/2/16追記)

やっぱりこういう概念はすでに存在したようで、テキストユーザインターフェイス(text user interface, TUI)という言葉があるそうです。ただ、ぐぐってみる限りでは日本語圏ではそれほど広く使われている単語ではなさそうかな。英語圏ではそれなりに使われているようなのですが。