情報過多の話

2019/1/15作成

ホテルネット予約の悲劇 温泉宿を決められない理由

リンク先の記事は、休みが取れたので温泉にでも行こうかと旅行サイトを開いたのだが、条件に合致する温泉宿はたくさんある。 どれがいいかと詳細を調べたり口コミを読んだりしてたらどんどん時間が経っていく。 こっちの宿がいいか、それともこっちがと比較検討してたら何時間も経過。 なんとか宿を決めたけど、あとから気になって調べたりしてるうちにやっぱりキャンセルしてしまい、結局温泉には行けませんでしたというお話。 情報過多時代の寓話として、非常によくある感じでしょうか。

実際、似たようなことは自分でもよく経験します。 あちこちのショッピングサイトで商品を比較し、口コミを読む。場合によっては商品名でぐぐって言及してるブログ記事も読んだりして、あっという間に数時間とか経過してることは非常によくあります。 それはまあ、要するに商品に関する情報が非常に豊富になったからなわけですね。 商品自体も、昔なら限られた情報源から選択するしかなかったのに、今はネット上に多数の候補が存在する。 それぞれの商品に対して豊富な情報が提供されているので、どれが一番いいものか調べようと思うと、とても時間がかかってしまう。 そこそこ条件を満たすものであればそれでいいやとすぱっと割り切れればいいのかもしれませんが、それで失敗して、しかも口コミを改めて調べたらその欠点について言及があったりしたら、とても悔しい思いをしてしまいますよね。 かくして、悔しい思いをしたくないので情報の海を今日もひたすら泳いでしまう。 その口コミにしても業者によるサクラレビューも紛れていたりしますし、マイナスレビューでも単なる言いがかりであったりもするので、一つ一つのレビューを丹念に見ていかないといけないし。

これはまあ、要するに情報化社会になって情報があふれるようになったのに対して、人間の方の情報処理能力が追いついてない為に起こっているわけですよね。 ではあふれる情報を削減してしまえばいいかっていうと、それはもったいない。 解決策としては情報処理能力をあげてやればいい。 といっても人間自体の能力はそう簡単には向上しませんので、情報処理をアシストするような仕組みが必要になるということですね。 そこらへんをAIがうまく処理してくれるようになると、だいぶ人類の幸福度は向上しそうなので、是非とも期待したいところです。

そうしたAIアシスタントが普及するまでは、人間自身がつたない情報処理能力を駆使するしかありません。 そこで一つお願いなのですが、各口コミサイトさんはレビューを1件見るごとにクリックさせる仕様をなくして、複数のレビューの全文を一望できるような機能を追加してくれませんかね。 前述の通り、レビューにはサクラもあれば言いがかりもある一方で非常に有用なものもあるという玉石混淆状態なわけで、それを取捨選択するには大量のレビューを読むしかないのです。 読むこと自体は人間がするしかないのですが、その都度クリックさせてブラウザが読み込むのを待たされるというのは、システムによって人間の情報処理能力にブレーキをかけてる状態なわけですよ。 各口コミサイトさんとしてはPVを稼ぐためにこんな個別クリックの仕様を導入してるんだろうとは思いますが、なんとかやめてもらえませんかねぇ。

(2019/5/13追記)

この話題に関連するかなと思って社会の複雑さに人間が追いつかず、AIが追いつこうとするという記事を読んだんですが、もっとレベルの高い話でした。 というか、話が高度で私はまだうまく咀嚼できてないんですけどね。 社会が高度化し、人間はその高度さについていけず、AIが追い付こうとしているという話ではあるのですが、私とAIが規定する<わたし>という概念とか、いろいろ考えるポイントはありそうです。

しばらく頭の隅に置いておきたいと思います。