ウェブサービスのアカウントが早い者勝ちであとから好きなのが取れない問題

2018/2/27作成

これもまあタイトルでほとんど言いたいことを言いつくした感はありますし、そもそもあちこちで既に言い尽くされてる話でもあるんですが。まあ簡単にどういうことかと書き記しておきます。

最近、とある用事があってgmailアドレスを一つ取ろうとしたんですね。そのとき取ろうとしたユーザ名はかなりオリジナルなものだと思うし、実際その単語で検索しても関連するものなど全く登場しない。これは余裕でアカウント取れると思ったんですが、既に取られてた。仕方がないので、取りたかったアカウントが「hoge」だとすると「hoge123」みたいなので取りました。その数字もいくつかは既に取られていたので、更に探し回ってたわけですけれども。

冒頭にも書いた通り、アカウントの先取ったもの勝ち問題はもう散々あちこちで言い尽くされてきたことで今更なんですが、これだけウェブサービスが一般化して広く普及してくると、問題はより大きくなってきているとも思います。同じことはドメインでも言えるのですが、ドメインは維持費がかかるので無限に先取得することが出来ない上に、移譲することが出来ますので、まだマシとも言えます。無料のウェブサービスの場合、ボットを使って著名な単語を取りまくりとかも不可能ではありませんからねぇ。

この問題は、当然のことながら人が集まってくる有名なウェブサービス程顕著になります。また、長く続いているウェブサービスも顕著になるという傾向になります。冒頭に例に挙げたgmailなんてのはこの両方の特性を兼ね備えたウェブサービスになるわけですね。

解決策の一つとして、一度取ったアカウントも一定期間未使用なら自動退会処理し、更に一定期間経過したら新規アカウントで使用できるようにするという方法があります。ただ、その場合は過去のある時点と同じアカウントなのに中身は別人ということが発生してしまって、様々な問題を引き起こすことも容易に予想されます。なので、この方法は実際には難しいでしょうね。実際、一度取られたアカウントは再利用しないという運用がされているウェブサービスがほとんどです。米ヤフー、放置IDを削除&既存ユーザーのID変更受付を開始という例もありますが、例外中の例外と言えると思います。

あと思いついたのは、ウェブサービス全体で名前空間を一つしか持たないのではなく、複数の名前空間を持ち、名前空間が違ったら同じアカウントを許容するというものです。冒頭のgmailの場合ですと、サブドメインを導入すればかなり問題は軽減できますね。そしてサブドメインを一気にリリースするのではなく、毎年いくつか追加していくというような運用にすれば、サービス利用の時期によってアカウントが取れる取れないという不公平(というのもちょっと違和感ありますが)が解消できていいのではないかと思います。と書いて思ったのですが、これってオンラインRPGの運用に近い感じがしますね。そうか、そこにウェブサービス運用の知見が蓄積されてたのか。そこに気付けたのは自分でも発見。こんな駄文を書いてみてよかった。

(2018/3/18追記)

GitHubに先に登録されていたユーザー名を譲ってもらった話という記事を見つけて衝撃を受けました。GitHubの場合はName Squatting Policyというポリシーがあり、非活性であるとGitHubが判断したアカウントは譲渡される可能性があるということです。ええー、そうなんーー。

ポリシーには非アクティブと判断される基準が書かれていませんので、どれくらい使ってなかったらはく奪される可能性があるのかわかりません。Qiitaのコメント欄には譲渡した側の方から、GitHubから譲渡に同意するかどうかの打診があったとありましたが、そのような打診が必ず行われるかどうかも不明です。これはちょっと怖いですね。私もGitHubのアカウントは持ってはいますが、最近はほとんど使ってませんので、誰かが使いたいと言い出したらはく奪されそうです。とりあえず時々ログインするようにしとこうかな。

ブコメには「GitHubを他のサービスの認証に使ってる場合もあるから」とありましたが、認証に使っているかどうかはGitHub側で判別可能ですので、その場合はGitHub自体にログインしてなくてもアクティブアカウントとして認識されるのではないかと思います。というか、そうであると期待したい。GitHub認証を設定するだけで認証先のサービスも使ってなかったら、そしてその先のサービスでクレジットカードとか登録してたら、とか考えるとかなり恐ろしい事態のような気はしますが。最低限アカウント譲渡の時はOAuth連携は全解除して欲しいわけで、さすがにそれくらいはやってくれると信じていますけれども。。。

別のブコメには「twitterでもこれして欲しい」とありましたが、twitterは可能なはずです。twitterの表に見えてるIDは実はaliasであって、真のIDは別にあるという実装になっていますから。表に見えるID(私の場合なら@saoyagi2)はいつでも変え放題で、今空いていれば過去に誰かが使っていた表IDでも使えるはずです。実際、実は私はtwitterを一度退会してるのですが、再登録した時に同じ@saoyagi2を取りなおしていますので。ただ、現在使用中だけど非アクティブなアカウントを運営側に譲渡を依頼するということはできないですかね。あくまでも、現在空きがあればということになるはずです。

ということで、サービスによってはIDの運用方法もまちまちなんだなぁということがわかて、少々驚いているところです。他にもいろんなパターンがあるんですかね。