ファストフードの終焉

2017/12/13作成

例によって自分の狭い経験に基づく思いつきの妄想ですので、適当に読み流していただければ幸いです。

最近、近所にあるファストフード店がたてつづけに改装したのですが、そのどちらの店舗にも改装後は時計がありませんでした。明確に覚えてるわけではありませんが、時計が無いなと気づいたわけですから、改装前には時計はあったように思います。

ファストフードといえば料理の提供がファストですが、客の滞在時間もファストです。客単価ではなく回転数を増やして売上を上げるビジネスモデルですので。当然、お客さんにはさっさと食べてさっさと出て行って欲しいわけです。一説には長居できないように座り心地の悪い椅子にしているとか、内装を落ち着きの悪い色合いにしたりしているとも聞いたことがあります。ほんとかどうか知りませんが。

客の回転数を増やす方策としては、時計も有効だと思います。もうこんな時間だと気づいてさっさと退店するということは多々あったでしょう。でも改装によってこの時計が取り払われたのです。とすると、客の滞在時間は長くなり、回転数は減る効果になるような気がします。椅子や色合いにはそんなに変化はないように思いますけれどね。

もう一つ変わったなと思うことは、スタッフの数がとても減ったことです。キッチンスタッフは見えないの減っているかどうかわかりませんが、フロアスタッフは感覚としてすごく減ってます。なのでフロアスタッフの方はいつもすごく忙しそうにしていますし、常にお客さんに声を掛けられても「お待ちください」と言ってますし、テーブルが片づけられてなくて放置されているのもよく見ます。

こちらの原因は多分、人手不足と人件費高騰ですよね。これまでファストフードのアルバイトの主戦力であった学生は少子化で減ってますし、人件費は上がり続けています。ファストフードに限りませんが、アルバイトという安価な労働力に頼っていた業界はビジネスモデルの再構築を迫られています。というのが、上に書いた回転数を減らす戦略に結びついているのかなという気がします。

回転数が多いと、当然ながら応対するスタッフの仕事が増えます。しかし、人件費高騰と人手不足の今では、それに応じるだけのスタッフを揃えることが出来ません。一方、客の滞在時間が長くなっても、スタッフの仕事はそこまで増えないと思います。追加注文があったにしても、メインの食事を運ぶのに比べれば労力は少ないでしょう。要するに回転数を減らして客単価をあげる方向に梶を切り始めたのかなぁという気がします。

冒頭にも書きましたとおり、ファストフードというのは客が素早く食べて素早く退店するという意味も含みます。忙しくて短時間で食事をという層は今後も一定数存在するでしょうが、そういう層は今はコンビニが取り込んでいってるような気がします。なので、ファストフード業界はスローとまではいかなくてもノーマルフードへと転換をはかっているのではないかなと思ったところで、とりあえず書き出してみました。もちろんただの素人の思いつきなので、当たってる保証なんてかけらもありませんのであしからず。