アーティストタイプとサラリーマンタイプ

2017/11/29作成

働く人には大きく分けてアーティストタイプとサラリーマンタイプが居るのではないかなと思ったので書き留めておきます。

アーティストタイプというのは、内発的動機に基づいて仕事をするタイプです。わかりやすく言えば「好きでその仕事をしてる」ということになりますが、必ずしもそうとは限りません。好きで始めたわけではないけれど、やるからには責任もってきっちりとやり遂げるというタイプも含まれます。アーティストというか職人と言ってもいいかもしれません。仕事に誇りを持っているタイプとも言えますかね。

アーティストタイプは内発的動機があるので、ほっておいても勝手に仕事をします。きっちり仕事を仕上げますし、勝手により良くなるように改善もします。こういうタイプの人は基本的に自由に仕事をさせて構わないのですが、あまり放置しすぎると時々暴走してとんでもないことになったりするので、手綱を握っておく必要はあります。しかし、普段は馬なりに走らせておけばいい。

一方、サラリーマンタイプというのは仕事をする内発的動機はありません。仕事だから言われたことを仕方なくやるタイプ。ほっておいたら何もしませんし、言われた以上のこともしません。馬の例えで言えば、常に鞭をいれておかないといけないタイプ。

最近、ホメクラシーをはじめとして、従来型のヒエラルキー管理ではない新しいマネジメントがもてはやされているようです。一人一人の裁量に任せて自由に働かせれば成果があがるという夢のようなことが語られているようです。ですが、それってアーティストタイプに対してのみ有効な話ではないかと思ったのです。サラリーマンタイプの人に対してこのような自由裁量のマネジメントを行ったら、誰もなにもしないので散々な結果になりそうです。自由裁量型のマネジメントを導入するときは、働いている人たちがどっちのタイプであるかを見極めてから行った方がいいような気がします。

逆に、アーティストタイプの方に、常に鞭を入れるような従来型マネジメントをすると、牛の角を矯めるという結果になるような気もしますが、こちらはあちこちで実際に行われているような気がします。自由奔放にやらせれば成果を挙げられる人材が、堅苦しい管理体制に縛られて何も出来ずに終わっているとか。働いてる本人も不幸ですし、成果を享受できない会社側も不幸ですよねぇ。

職場にアーティストタイプとサラリーマンタイプの両方が居る場合に、アーティストタイプにだけ裁量を与えると、サラリーマンタイプから不公平だって文句が出るってのも、ありがちなパターンのような気もしますね。一つのチームにはどっちかのタイプだけを入れるようにしなければならないのかもしれませんが、そんな都合よくチーム構成がなされているとも限りませんし。世の管理者の方の苦労がしのばれます。