ハローワークからブラック企業を締め出す意味

2015/2/2作成

ハローワークに出される求人においてブラック企業が閉め出されるようになるそうなんですが、そのニュースに対するネットの反応を見ていると「無駄」「無意味」というようなものが多かったことに違和感があったのでちょっと書いてみます。

ええと、この「無駄」「無意味」って書いている人たちは、ではハローワークはブラック企業の求人も受け入れるべきという意見なんでしょうか。それならそれで主張は一貫しているとは思いますが、そうではなくてブラック企業が悪であるという認識があるとするならば、違いますよね。

私だって、ハローワークからブラック企業を閉め出したところでブラック企業は撲滅出来るとは思ってませんよ。でもこれは一歩ですよね。現状より改善するなら、改善しないよりはしたほうがいいんじゃないですかね。批判コメントを出していた人たちは、ブラック企業が完全に根絶される対策以外は一切無意味って主張なんでしょうか。そんな魔法があるなら教えて欲しいです。現実にはそんな都合のいい魔法なんてそうそう無いわけだから、一歩一歩改善していくしかないと思うんですがね。

今回ハローワークからブラック企業が閉め出されたら、次に民間の職業斡旋業者にも広げていくことが期待されますよね。リクナビとかマイナビとかanとか。そういったところに波及していけば、ブラック企業はかなりのダメージを受けることが期待されます。そうなったらブラック企業側も対策をとるでしょうから、当面はいたちごっこが続くでしょうし、世の中から犯罪が完全には無くせないようにブラック企業も根絶は難しいでしょう。では一切の犯罪を野放しにする無法地帯でいいかというと、それは極論というもので犯罪やブラック企業を減らす努力は続けられるべきだと思うんです。

あと気になったのは「ブラック企業でもなんでもいいから就職したい人の道を閉ざす」という意見。これは正直何を言っているのか分かりません。意味不明です。

ブラック企業も明確な定義があるわけではありませんから、人によって解釈はいろいろですが、今回ハローワークから閉め出されるのは明確な法令違反を犯している企業です。これらの企業は存在そのものが社会悪ですし、そこで働くことも推奨できるものではありません。そうは言っても生きて行くには仕方がないという面はありますが、だからといって犯罪を犯していいわけでも推奨していいわけでもありません。北斗の拳のような世紀末の無法地帯だったら、生き残るために盗みも殺人も正当化されるかもしれません。でも現代日本はそんな社会ではありません。犯罪が正当化されるいわれはないです。

ましてや「ブラック企業でもいいから就業したい人」というのは、コメントした人の脳内の存在です。一人も実在しないとは言い切りませんが、ではコメントした人がそういう境遇にあるとか、そういう境遇にある人を実際に知っているわけではないでしょう。そのような仮定の存在をもとに論を展開されても聴く耳は持てないです。