「トーキョー放浪記」山田スイッチ

2012/2/27作成

面白かった。

失礼ながら、山田スイッチさんのことはこの本を手に取るまで全く知らなかった。しかし、そんな人とも出会えるBOOKOFFの100円棚はやはり貴重(筆者に還元してなくて申し訳ないですが)。

この本を説明するには、山田スイッチさんについても説明しないといけない。と言っても私は全然知らなかったから、本書からの受け売りだけど。「世界不思議発見」のミステリーハンターになりたいと思って上京したのに、なぜか板前修業を始めてしまう。これは間違っていると気付いたあとも、現代舞踊をやったりお笑いコンビを結成したり、迷走に迷走を続ける山田スイッチさんの人生。時には本当に食べるものにも困って、単に食べるためだけにお見合いパブに入ったりもするのに、どこか心に余裕のあるようにも見える。

そう。どこか余裕があるのである。この本は、山田スイッチさんの東京での迷走生活の中での色々なシーンを切り取ったエッセーなのだが、その切り取り方も何かちょっと変ってる。どこがどうと具体的に説明するのが難しいんだけど。説明から逃げると「私と波長が合った」というところだろうか。

そんな本と出合えたことを幸運に思う。読書って素晴らしい。