「世にもフシギな保育園―働くママの敵か?味方か?」安堂 夏代

2007/5/1作成

前書きがかなり挑発的に保育園の非常識を訴えていたのでそういう本かと思ったらさにあらず。中身はごく普通の(というと語弊があるが)育児体験記であった。

自分自身に子供が生まれるにあたって出産育児に関する本は何冊か読みました。中には育児体験記も含まれます。そのなかで感じたんですが、体験記は数多く読んでも仕方が無いな、と。いや、もちろん読み物として楽しく読むのは別に構わないんです。私の場合、育児に関する勉強として読んでいるんだけど、体験記だとどうしてもテキスト量から読み取れるノウハウの比率が少なくなってしまうんです。そりゃ当たり前ですよね。特定の家庭に起こった出来事を一般化して自分の家庭に当てはめられることはそんなに多くあるはずが無い。なので、体験記は1冊か2冊くらい読めばとりあえずいいかなと思うようになりました。そういう意味で、幼児期の体験記はまだ読んだことがなかったので、本書を読めてよかった。

体験記なんでそれぞれのエピソードを楽しく読んでいればいいんだけど、なかでもふーんと思ったのは謝恩会について。何年間も挨拶程度しかしなかった間柄なのに、今日で基本的にさようならになる謝恩会で一気に打ち解けて「もっと早くこんな機会があればよかったのに」というらしい。それがほんとなら、もっと早くに親睦会があるといいね。でも、そうすると意外と親睦会は盛り上がらなかったりするから、人間って不思議なんだけど。