5月25日

2012/5/25作成

少々前のことなんだけど、とあるコメント依頼経由で知った話。あるクラシック音楽専門雑誌が「ウィキペディア日本語版のクラシック音楽記事は間違いが多いので、みんなでその間違いを指摘しよう」という読者企画を開催するらしい。

そういう企画を開催するのはその雑誌の勝手なので別にどうこういうことはないと思うんだけど、この企画に対して不快感を表明するウィキペディアンが居たんですね。そのことに逆に私は驚いた。

まあ、自分の愛する(?)ウィキペディアが間違っていると批判されるのは面白くないというのは人情として分からないでもない。ただ、ウィキペディア日本語版に誤りが多いってのはあちこちで繰り返し言われていることで、今更反応しても仕方のないこと。それに現実問題として間違っている記事も多いしね。ただ、間違っていたらそれをwikiで修正していけるのがウィキペディアの理念なんだから、現時点で間違っていてもそれは大きな問題ではないはず。(もちろん間違ってないのが望ましいけど)。

そしてこの件は「アウトリーチ」という活動にも関わってくることでもあると思う。アウトリーチは日本語版ではまだあまり活発に活動していないけれど。ウィキペディアをはじめとするウィキメディア・プロジェクトはボランティアによる自由な編集なので、その分野に詳しくない人でも記事を書けてしまう。それはもしかしたら間違った記事かもしれない。しかし、それを他の知識のある人が修正できるから大丈夫というのがwikiである理念。しかし、残念ながら知識のある人があまり参加していない分野というのはどうしても存在する。編集者がボランティアだから、偏りが出るのは当然だよね。だから、誤った情報が書かれたままになっている記事も当然に存在する。今回のクラシック音楽についての記事のように。それでも記事があればまだいいほうで、分野によっては当然に存在すべき基本的な記事すら網羅されていないということもある。これも編集者がボランティアであることに起因する問題。

で、アウトリーチというのは、こうした問題に対してウィキメディア・プロジェクトから専門家集団に対して執筆協力を依頼するような活動のことなのです。今回の件で言えば、プロの音楽家の職能団体だったりとか、それこそまさに音楽雑誌などに対して執筆協力を依頼するようなことになるんですね。

アウトリーチではこのようにウィキメディア・プロジェクト側から働きかける活動なんだけど、今回の読者企画っていわばアウトリーチにおけるウィキメディア・プロジェクトからの働きかけが無いにも関わらず、専門家集団の側で自発的に活動してくれるという話に相当するわけですよ。これはもう、諸手を挙げて歓迎し、最大限の謝辞を送るべき事態ではないかと個人的には思うのですが、どうでしょうかね。

大体「ウィキペディアは間違いが多い」という批判は、落ち着いて考えてみればウィキペディアが評価されているからこそなされる批判なんですよね。だって、たとえば私はクラシック音楽については(も)全く素人ですが、その私が自分勝手にクラシック音楽に関するブログを作って公開したところで、それを間違いだと批判したり、ましてや間違いを修正しようなんて活動は起こるはずがないんです。なぜなら私のブログは評価されてないから。ウィキペディアはある程度使い物になると評価されているからこそ、そうした批判も存在するんだという風に考えれば、少しは気分も落ち着きませんかね。

というようなことを私は考えるわけですが、表では書く勇気がありませんので、ここでこっそりと書くことにします(^^)。


あおやぎのさいと2.0 新人うぃきめでぃあん日記