ミニレポート集 エンデューロ初参戦

時期:1996年6月 走行距離:850kmかな 総費用:2万円くらいだろう。エントリーフィーが+2万円

女神湖スカイエンデューロというのは、長野県の女神湖という小さな人造湖のほとりで行われるエンデューロレースです。

女神湖スカイエンデューロは草レースでは非常に人気が高く、今回も300台の出場枠に3000通の応募が有ったそうです。何故こんなに人気があるかは私もよくわかりませんが、「速さを競う」という普通のレースとは違う、「レースを楽しむ」というコンセプトというのも理由の一つなのでしょう。エントラントもその辺りはわかっていて、カブ(=新聞配達バイク)やスクーターやオンロードバイクで参加する人がいたり、コスプレで参加する人がいたりとレースでありながらお祭りでもあるというところでしょうか。

さて、私は KDX125SR→TT250R とオフロードバイクを乗り継いではいるものの基本的に年に数回林道を走る程度の、いわゆる「シティオフローダー」です。ただ「草レースに出てみたい」というのは以前から思っていました。女神湖EDの参加者募集の記事を雑誌で見たので、試しに応募してみたら1通しか出して無いのになぜか当選してしまいました。 (どうしても出たい人は10通20通、応募するらしい)当選したのはいいのですが、場所は長野県です。ピットクルーとして来てくれる人が居るわけがありません。当然一人で参加です。トランポなんか持ってません。私は車はペーパードライバーなのでレンタカーも使えません。当然自走です。宿に泊まるお金はもったいないです。寝ない事にします。という基本方針(^^)を決めた後は、プロテクタを調達したりしている間にレース前日になりました。

大阪→女神湖は片道400km有るのですが、今回は高速道路を使うので比較的楽です。 途中で仮眠を取る時間も見込んで、土曜の夜の8時に家を出ました。高速道路は渋滞も無く非常に順調に走れたのですが、問題は雨です。全国的に梅雨前線さんが元気な様でして、行きの区間の半分くらいは雨に降られてしまいしたけどね。

会場に着いたのは受け付けの始まる7時半。着いてみると周りはトランポだらけで自走している人はほとんどいない様でした。当然ですけどね。受け付けが終わって車検が終わって、ライダーズミーティングです。ミーティングでは、レースの説明の後、今回のユニークな参加者として

メイト50
荷台にはビールケース付き。 理由を聞かれて「他にノーマルバイクが無いから」に会場爆笑。 (女神湖ED では、レーサーと逆輸入バイクは参加出来ない)
モンキー
事前に四国一周をして耐久テスト済みとか。三重県から自走で参加に会場驚愕。
鬼太郎とねすみ男のコスプレの女性ペア。
鬼太郎はちゃんと下駄履き。

が紹介されました。

ミーティングが終わっていよいよスタート。しかし、300台も走るのでスタートも同時とはいきません。4台毎に数秒の間を空けてスタートします。結局、縦に非常に長いスタート列になったりします。

もっとも、長いと言えばピットの方が長い。コースの内の舗装区間の脇がピットエリアになっているのですが、全長1km以上有ります(^^)。

私は19番目と比較的前のスタートだったのですが、林道自体を走るのが久しぶりというものですから、あっという間に抜かれていきます。コースは林道をそのまま使っているのですが、路面はこぶし大の石だらけで土の所はほんの一部です。だから非常に疲れます。

途中、2〜300m位の少しきつい登りの斜面が有るのですが、ここはなぜか石が3倍くらいの大きさにグレードアップしていて大スタック大会になります。何十台ものバイクが狭い道にひしめき合って、エンジン吹かしまくるので非常にやかましいです。(レースだから気にする余裕は無いけど)

15km のコースを1周目は私は約40分で周回しました。しかも転倒無し。トップは1周20分前後ですので、思ったよりいいペースでした。「これは意外といけるかも」と思ったのも束の間、2周目に入ってすぐの所で転倒。これはすぐに立ち直ったのですが、次の登りで体力を使い果たしたのか、また転倒。この時ブレーキレバーが曲ってしまいましたが、操作はなんとかなる程度でした。

結局、2周目のタイムは約1時間。疲れたので休もうかと思ったのですが、そのまま3周目に突入。しかし、3周目すぐにこんどは崖落ち寸前の転倒。疲れでほとんど腕に力が入らなくて、バイクを起こそうとしたらちゃぶ台返し。一人ではどうしようも無くなって、茫然としてたら他の参加者が助けてくれました。そうして、なんとかコースに復帰しましたが、この時で既に疲労はピークに達しています。クラッチレバーを折ってしまって、指が2本しか掛からなくなってしまってもいます。折れたおかげで、以後左手の疲労が倍増することになりました。

1時間半掛けて3周目を終わったら、トップはラストの周回に突入済み。女神湖スカイエンデューロは、トップが10周して30分以内にゴールしたら完走というルールです。だから、30分以内に1周出来ない人はゴール前で待機するという技が許されていたりします。30分以内に周回どころかもう1周したら遭難するという自信すら有った(^^)私は当然待機組に入りました。それから10分くらいしてトップがゴールイン。その後、バイクの切れ目に私もなんとかゴールインしました。

あとは表彰式、抽選会が有って女神湖スカイエンデューロは無事終了。また400kmを自走で帰ってきました。(レースでバイクが壊れなくて良かった)ちなみに帰りは梅雨前線さんが更に元気で100%雨に降られまいた。つくづく、雨の中をバイクで走るのは嫌ですねぇ。