はみ出し小話 オートバイ

2002/7/20作成

これだけあちこちにツーリングに行って、しかもサイトまで立ち上げてしまっているわけですから、間違いなくバイクが趣味だと思われるでしょうが、実は本人にはその実感があまりなかったりします。

バイクに乗ってれば常に幸せと感じるかというとそんなこともない。確かに幸せに感じる瞬間もあるけれど、現実には暑かったり寒かったりしんどかったりの方が多い。毎日バイクに乗らないと気が済まないというわけでもない。実際、オーストラリアツーリングから帰ってから1年近くまったくバイクに乗ってないです。休日ともなればバイクをごそごそいじって、部屋の中はパーツまみれオイルまみれなんて事もありません。

そもそも、バイクに乗り始めたのだって遅かったです。多くの男性がバイクに興味を持つのは中高生の頃だろうと思いますが、わたしはその頃はバイクはまったく興味がありませんでした。1969年生まれにとっての中高生の頃というのは今よりももっと"青春=バイク"の図式が強かった頃だと思うのに。大学生になって、周りにバイクに乗る友達が多く居ましたが、それにも特に惹かれませんでした。ただスクーターを生活の足として乗っていただけ。

就職して毎日通勤電車に揺られるようになって、退屈な時間を過ごすのは勿体無いからバイク通勤でもしたら楽しいんじゃないかと思いついたのが最初でした。その後、勤めていた会社が実はバイク通勤禁止と分かったのですが、なぜか挫けず自動車学校に通い免許を取り、友人から中古のKDXを譲ってもらってバイク乗りデビューをした時にはすでに24歳になっていました。それから10年も続く趣味になるとは思いもしませんでしたが、いまだに自分にとってバイクとは何だと問われても返答に困ってしまいます。

このサイトを作っているわたしにとって、オートバイというのはこういう存在なのです。熱い信念を持ってオートバイに乗っている人から見れば物足りないでしょうが、こういういい加減なオートバイとの関係もいいんじゃないかと、個人的に思っています。