投資信託の資金効率メリット

2016/1/21作成

投資信託にはいくつもメリットがあるのですが、資金効率の良さもあるのではないかなと思います。こういう言説を見かけたことがなかったので、ちょっとメモとして書き残しておきます。

比較対象は生株取引です。生株取引派の人からは、投資信託は信託報酬の分が損になるので不利な金融商品だという主張をよく聞きます。それは間違ってはいないのですが、資金効率の点では生株は投資信託よりも不利なのではないなかと思ったのがきっかけです。

さて、投資資金として100万円を用意したとしましょう。これを全額生株に投資しようとしても、実際にはそれは出来ません。なぜなら生株の取引単位はそんなに小さくありませんし、大抵の場合は100万円を割り切れるきっちりした金額にはならないからです。買いたい株の取引単位が10万円だとしたら、10単位を買って資金は全て投下出来ます。しかし15万円だったらどうでしょう。6単位を買って、残りの10万円は現金として保有するしかありません。

この状態で株が2倍に値上がりして売却したとしたら、180万円の売却代金と現金10万円ですので、手元には190万円が残ることになります。つまり、株は2倍にあがったのに利回りは2倍には到達していなくて1.9倍でしかないのです。これが資金効率の問題です。

一方投資信託だとどうでしょうか。多くの投資信託は1万円以上1円単位で売買出来ます。100万円の資金はきっちり全額を投資することが出来ます。同じく2倍に値上がりして売却したとしたら、手元にはきっちり200万円が残ることになるでしょう。

取引単位がある程度大きい生株では、かならずこの資金効率の問題が発生します。ミニ株取引ならば取引単位が小さくなるので資金効率がよくなりますが、一方で売買手数料が割高になりますので、信託報酬を嫌って生株に取り組む意味が薄れてしまいます。

こんなことを書いたからって別に投資信託が万能だなんて思ってはいません。生株や投資信託などの各種金融商品を自分の環境に応じて使い分ければいいのではないでしょうかという、ごく当たり前のことが言いたいだけのことです。はい。あくまでも私の見聞きする範囲ですが、生株派の人は投資信託を頭から否定する人が多いように見受けられるので、そうではないのではないでしょうかという話でした。