投売りマンションはジョーカー

2014/2/11作成

中古マンションのなかには、ときに相場から桁外れに安い投売り物件が紛れ込んでいたりします。一般の分譲マンションではそれほど多くありませんが、投資用マンションやリゾートマンションなどではこうした物件は比較的多いように思います。

投売りマンションは、どう考えても区分所有分の土地代より安かったりしますし、あまりの安さからローンを組むどころかポケットマネーで買えそうな値段だったりもします。それだけ安いと、遊び半分に買ってみてもいいかと思うかもしれませんが、それは甘い罠です。実際には、その投売りマンションはジョーカーなのです。ものの値段が決まっているのには、ちゃんと理由があります。

なぜ投売りマンションはジョーカーなのでしょうか。それは、これまでこのブログで何度も書いてきた老朽化マンションのスラム化、廃墟化と繋がります。投げ売られているマンションは、まず間違いなくスラム化、廃墟化しています。もし今していなくても、近い将来にそうなることが予想されるために売主は投売りしているのです。

スラム化、廃墟化しているマンションですから、当然に居住環境としては十分ではありません。そんなこと気にしないで住める人ならそれはそれでいいのかもしれませんが、大抵の人にとっては苦痛で住むことが出来ないでしょう。住めないのなら、いくら安くても無用の長物です。スラム化、廃墟化を立て直したいと思っても、それは非常に難しいというのはこのブログで既に何度も述べてきたことです。立て直すためには管理組合が機能していなければなりませんんが、スラム化廃墟化したマンションでは他の区分所有者の行方を掴むことすら困難です。

無用の長物だけならいいのですが、投げ売られていたマンションでも費用は発生します。管理組合が機能していませんから管理費や修繕積立金は払わなくてもいいかもしれません。でも固定資産税は払わなければなりません。そして、これはずっと続くのです。なぜならマンションは自然死しないからです。固定資産税の支払いがいやになってマンションを売り払おうと思っても買い手はつきません。なぜなら、もともと買い手がつかなかったから投げ売られていたのです。かつての売主の立場にあなたが入れ替わったというわけです。かつての売主も、固定資産税から逃れようとマンションを投売りしていたのです。でも、そんなマンションを買う人は当然なかなかあらわれません。そこに現れたのが貴方だったというわけです。つまり、これはばば抜きのジョーカーなのです。ジョーカーを持っている人は、誰かがそれをひいてくれるまで抜けられません。ジョーカーをひいてくれれば抜けられます。そして、ジョーカーをひいた人は次にひいてくれる人が現れるまで抜けられません。しかし、そのような人は現れないかもしれません。それくらい需要がないから、投売り価格で売られているのですから。

投売りマンションを買っていいのは、建て直しに必要な議決権を確保できるだけ買い占められる場合に限られるでしょう。しかし、それは不動産業者、なかでも地上げ屋と呼ばれる人たちが行っているようなことです。素人が下手に手を出しても火傷をするだけのことでしょう。ですので、投売りマンションを買ってはいけないと思います。


あおやぎのさいと2.0 マンション談義