マンションを襲う脱法シェアハウス

2013/7/14作成

脱法シェアハウスというビジネスがあります。シェアハウスというと少々オシャレなイメージがありますが、脱法シェアハウスの方はかなり趣が違います。室内に住人を詰め込めるだけ詰め込んで、一人当たりの居住スペースは寝て一畳レベル。その分家賃は格安ですが、とても文化的な生活を維持できるとは言えない。ホームレスやネットカフェ難民よりはマシな生活レベルということで、まあ言ってしまえば貧困ビジネスの一種でしょうか。

脱法はどこが法律を抜けているかというと、建築基準法の住居の基準を満たしていないこと。しかし、業者側はこれを住居ではなく貸し事務所であるとし、そこに勝手に寝泊りしているだけという建前にして法律違反ではないとしている点が脱法なわけです。

これまで脱法シェアハウスは主に古い一戸建てを改装して営まれていたので、個人的には「へー、世の中そういうものもあるんだな」程度の認識だったのですが、最近になって見かけた次のニュースにはかなり驚きました。

マンション:63平方mに12人...組合「脱法ハウスだ」

要するに、マンションの一室を改装して脱法シェアハウスにしようとしているわけです。更に驚いたことに、そのような改装工事と貸し出し・管理を請け負う専門業者までいて、実際に多くのマンションで脱法シェアハウスを手がけているとのこと。そんな事態になっていたなんて。

居室の区分所有者および業者は管理規約にも法律にも違反していないので認めろとかなり強気な模様ですが、その結果何が起こるかは容易に想像が付きます。多数の人間が出入りするようになることによる住環境の悪化。その結果生じる資産価値の毀損。そんなことが起こるのを防ぐためには管理組合側としては脱法シェアハウスとして使用することを認めることは出来ないのですが、確かにそれを防ぐ法律や管理規約があるわけでもないのです。このままでは泥沼の争いになりかねません。

脱法シェアハウスについては国土交通省も調査を開始したとの報道もありましたので、将来的には法律的な規制が行われるようになるのではないかとは思いますが、それが実現するまでには何年も掛かるでしょう。その何年かの間にくだんの業者達は多数の脱法シェアハウスをマンション内に設置してしまうことでしょう。おそらく。

それを社会として防ぐ手立てはおそらくありません。でも、自分が住んでいるマンションに限っては防ぐ手段はあります。それは管理規約を今すぐ改正することです。多くのマンションの管理規約では暴力団の所有や居住を禁じていると思いますが、それと同様に脱法シェアハウスとしての使用を禁じてしまえばいいのです。

ただ、どこからが脱法シェアハウスであるかと定義するのは少々難しいかもしれません。シェアハウス自体に明確な定義があるわけでもないですし。一つの居室には一世帯しか居住してはならないとしてしまうと二世帯同居も禁じてしまうことになります。居室の居住人数を限ってしまうと大家族の世帯が困ってしまいます。ここのところに現時点では私にもいいアイデアは思いつかないのですが、ともかく管理規約の改正は一刻も早く行ったほうが良いように思います。あなたのマンションを脱法シェアハウスが襲う前に。


あおやぎのさいと2.0 マンション談義