ヒューザーに思う

2006/6/22作成

ヒューザーと言えば2005年末に発覚した耐震偽装事件で問題になったマンションデベロッパです。耐震偽装問題はマンションに住まう者だけではなく、日本の建築物すべてにおいて非常に大きな問題ですし個人的にも今後の推移が非常に気になる問題ではありますが、ここではそれを取り上げたいわけではありません。ヒューザーの提供していた「広いマンション」というものについてです。

耐震偽装事件が発覚する1年ほど前にですが、うちの近所でもヒューザーのマンションが建築、分譲されていてモデルルームを見に行ったことがあります。もちろんヒューザーが提唱する通りに全戸が100平米以上の広さ。そして、これだけの広さがありながら間取りが4LDKですので、各室が広い。リビングなど、普通のリビングが二つ分はあるほどの広さでした。広すぎて冷暖房の電気代が大変じゃないかと思うほどですが、あの広さはひとつの価値を生んでいます。うちもそうなんですが、70平米程度で3LDKの間取りだと各居室は5畳から6畳程度の広さになってしまいます。この広さだと、実際の使い勝手としてはちょっと手狭。家具を置くことを考えると、出来れば8畳くらいの広さは欲しいところです。ヒューザーのマンションでは、その広さが確保されています。

もちろん、ヒューザーの全てが素晴らしいというわけではありません。この広さのマンションを通常の価格で提供するためには何かを諦めなければなりませんが、ヒューザーは立地や設備を捨てています(鉄筋も捨てたんじゃないかという噂もありますけど)。実際、この時訪れたマンションも最寄り駅から徒歩15分程度とかなり離れていました。個人的には駅から近いというのは住居に求める絶対条件ですので、この時点で住みたいとは思いませんでした。

また、ヒューザーの言う広さの理由として「親戚などが泊まりに来ても対応できるように」というのもちょっと疑問に思います。年に何度もあるわけではない事のために、永続的に部屋を確保しておくというのはちょっともったいないようにも思います。特に土地の高い日本の都心では。また、ゲストに対応するためなら、様々な用途に転用しやすい和室が一室あれば事足りるようにも思います。

ちょっと否定的な事も書きましたが、ヒューザーの提唱した「広いマンション」というのは、横並びで大して違いの無いマンションばかりの今のマンション業界のなかでは、異彩を放っていたと思います。選択肢を広げるという意味では、確実に存在価値がありました。また、広さと言う価値自体は、万人に必要とは限らないとは言え、多くの人が「あればいいな」と思う価値だと思います。ヒューザー自身は営業を停止してしまい再起できるかどうか分かりませんが、第二第三のヒューザーが現れて広いマンションを作ってくれるようになるといいなと思います。もちろん、きちんと耐震性を確保した上でですが。


あおやぎのさいと2.0 マンション談義