ホテルライクサービス

2005/10/24作成

最近、新築マンションのチラシを見ていると「ホテルライクのフロントサービス」を売りにしているものを見かけます。お金持ちが買うような億ションならともかく、庶民にも手の届くようなファミリー向けマンションでも取り入れているところがあります。大抵のマンションには管理人が居て受付業務を行っていますから、わざわざ「ホテルライク」というからには、それ以上の何かをするのでしょうね。まさかエントランスにポーターが待機していて「お帰りなさいませ」とお出迎えして、その後玄関まで荷物を運んでくれる、なんてことは無いとは思うのですが「一流ホテルからサービス指導を受けている」のを売りにしているマンションもあるようなので、意外とそういう感じなのかもしれません。

言うまでもありませんがホテルというのは商売でやっているわけでして、フロントマンはホテルの従業員です。そして、利用者はホテルのお客さんなわけです。対価を払ってホテルからサービスを受けているわけです。同じ関係は、例えばヒルズ族が住むような超高級賃貸マンションでは成り立ちます。フロントマンはマンションの従業員で、住民は賃貸人というお客さんですから、家賃にプラスしてサービス料を支払いホテルライクサービスを受けるというのは、理に適っています。

一方、通常の分譲マンションでは住民は部分的にですがマンションのオーナーであり、お客さんではありません。なのにまるでお客さんであるかのように扱われたら、自分がマンションのオーナーであるという当事者意識が薄れてしまうんじゃないだろうかという気がしました。考えすぎかもしれませんけれど。個人的には、ホテルという言葉の語感は分譲マンションに合わないような気がします。

語感は私の主観の問題だとしても、そもそものサービスレベルの問題もあると思います。ほとんどの人にとってはマンションというのは生活の場です。ホテルライクサービスが通常の生活の場の度を越えたサービスだとしたら、そんなものを持ち込む必要はあるのでしょうか。その高度なサービスを維持する費用は管理費から捻出されるのに。マンション業界が競争して様々なサービスを提供するのはいいのですが、それが果たして住宅としての本質に合致しているのかどうか気になります。


あおやぎのさいと2.0 マンション談義