社長のジレンマ

2007/3/7作成

サラリーマンは不自由なものです。自分がやりたい仕事を必ずできるとは限らない。というか、できなくても当たり前。当人の技能に合っているかも関係ありません。

極力ふさわしい人にふさわしい仕事を割り振るようには努力はされるけど、必ずそうなるとは限らない。20代の頃は私もこの辺のところを勘違いしていて「自分のスキルを正当に評価されてない」とか「上司は私を潰そうとしているんじゃないか」とか本気で考えてました。ああ、青いなぁ。恥ずかしいなぁ。

結局、サラリーマンが唯一持っている自由といえば「会社辞めます」と言える自由だけ。

じゃ、出世して管理職になれば自由になるかというとそんなことはない。組織なんだから、上司はその上司の業務命令に従わなければならない。

上司の上司をたどっていったら、いずれ社長にたどり着く。社長に上司は居ない。株主はいるけどオーナー社長だったらそれもなし。

よし、じゃ独立して自分で会社を起こすか。自分が社長になれば、自分のやりたい放題だ。と考えたところで、はたと気が付いた。それは当時、自分の勤めている会社の社長を改めて見てみたから。

その会社は学生ベンチャーから起業された個人アトリエ的な会社でした。当然、社長が自分自身がやりたい仕事を実現するために作った会社です。会社ではその社長がやろうと思っていた業務を行っているけれど、社長自身はそこにタッチしていませんでした。なぜなら、通常業務はスタッフに割り振ることはできるけど、経営は割り振ることが出来ないから。結局、社長は自分のために立ち上げた会社に自ら絡めとられてしまって、身動きできなくなってしまっていまいた。

自分自身が好きにするために会社を作ったのに、そのなかで一番好きに出来ないのが社長自身というのは、社長のジレンマだなぁと思った。というか、今でも思う。もちろん、それに対する答えはいまだに見つけられていません。