飲み会の話

2023/12/6作成

コロナが明けてきて、って書くと「まだ明けてない」とツッコミが入りそうではありますが、でもまあこの3年間に比べれば随分とマシになってきて、人流も戻ってきました。それにともない飲み会も増えてきて、それに合わせて飲み会の是非とかの記事も随分見かけるようになってきました。個別にどの記事に対して言いたいってわけでもないのでリンクは貼らないです。

さて、私個人で言うと飲み会は賛成派です。そりゃま武勇伝語られるとか、パワハラ・セクハラ・アルハラの飲み会は反対ですが、飲み会でしか出来ないコミュニケーションってあるよね派です。

私は愚者なので自分の経験で語りますが、やっぱり飲み会をするとチームのコミュニケーションが促進されるんですよ。私は流しのプログラマをしてるので、あちこちの現場を渡り歩いています。仕事の上では当然に必要なコミュニケーションをとるわけですが、それだけではどうしても心理的な距離が縮まらない。でも飲み会があると、そこがすっと縮まるんですよね。そして、そのあとの仕事がぐっとやりやすくなる。

なんで飲み会で心理的な距離が縮まるかというと、これって心理的安全性でいうところの自己開示なんだと思うんですよ。気難しいと思われていたマネージャーが、実は病気を抱えていてという弱みを開示することでメンバーもお互いに開示しあって心理的距離が縮まったって話がありましたよね。

普段オフィスでは仕事で必要なコミュニケーションをします。仕事の合間や休憩の時間に雑談をしますけど、やっぱり場所がオフィスだし、時間も昼間だから、出来る話も限られるんですね。リモートワークになると、そんな雑談も出来なくなってしまうんですが。

昼間のオフィスでの雑談でもある程度の自己開示は出来るんですが、やっぱり明るい明るいうちにはしにくい話もある。夜になって、オフィスではない場所で、お酒の力も借りると、もっと深い話が出来るようになる。オフィスで見せるのとは全く違う顔を知ることで、今まで単に名前と役職だけで区別していた記号のような人だったのが、ぐっと中身のある人間として感じられるようになる。飲み会でのコミュニケーションって、そんな効果があると思うんですよね。全ての飲み会で必ず発生するわけではないですけれども。

とはいえ、当然飲み会に参加できない人もいるわけですよね。お酒が飲めない人の場合は、飲まなくてもいいから飲み会には参加してみていいんじゃないかなぁとは思います。俺の酒が飲めないのかっていうアルハラはさすがに現代ではそうそうないと思いたいので。あるなら、そりゃ参加しなくていいです。

育児や介護など、家庭の事情で参加できないって人もいますわね。それについてはしょうがないので、別の方法でコミュニケーションとれるといいですよね。ただ、そんな家庭でも、育児や介護はママに任せてパパは飲み会に参加したりしますよね。であるなら、たまには家庭のことはパパに任せてママも飲み会に参加できるような社会だといいなぁとも思います。

俺は職場の人間とべたべたしたコミュニケーションなんてしたくない。仕事なんだから、仕事をこなせばいいだろうってのは、それはまあそうなんですけどね。ただ、それって一人1タスクの割り当てられた仕事を割り当てられた通りにやる仕事で成り立つ理屈だと思うんですよ。仕事ってそれだけじゃないですよね。特にチームで取り組む仕事ってのは、チームワークで成り立つわけです。困ったときの助け合いってだけじゃなくて、チームによる相乗効果を生み出して欲しいわけですよね。そんなチームワークのためには、やっぱりコミュニケーションは必要なんじゃないかなと思います。俺は単に収入のために仕方なく仕事してるだけだから言われたことを言われたとおりにやるだけだってのなら、それはその人の人生観なので無理に飲み会に参加しろとは言いませんけど。

(2023/12/7追記)

子供はパパに任せてママも飲み会に参加しようと書きましたが、ひとり親家庭に事を失念しておりました。大変失礼いたしました。ひとり親の場合、任せる人がいませんよね。祖父母に任せられるならいいんですが、そうも出来ない家庭も多いでしょう。その場合は飲み会不参加は仕方ないと思いますし、コミュニケーションは別の手段で取るしかないでしょう。

あと書いてませんでしたが、飲み会の頻度。飲みミュニケーションに効果があると思っているからと言って、しょっちゅう飲み会やればいいとは思ってません。人によって、職場によって最適な頻度はまちまちでしょうが、個人的には年に1回か2回程度あれば十分かなと思ってます。毎月とか毎週とかはいくら何でもやりすぎかな。どうしても話したいことがあるなら、飲み会というかサシ飲みすればいいんですが。年に1回2回だから、忘年会と歓送迎会があればちょうどいい感じですかね。

これも個人的な感想ですが、新人が来た場合は歓迎会はやってあげたほうがいいです。新卒だけじゃなくて中途入社でも。私は流しのプログラマをやってるので新人になることが多いのですが、個人的には歓迎会やってもらった方が嬉しいです。要するに、そのコミュニティに迎え入れてもらっているんだという気持ちが持てますので。歓迎会なくてただ単に仕事してるだけだと、ああここの人たちは私のことを単なる頭数とみなしてるんだなぁと感じてしまうんですよね。どうせ働くなら、お互いに気持ちよく働きたいじゃないですか。

追記の最後として、飲み会以外のコミュニケーションについて。上述の通り、飲み会でしか出来ないコミュニケーションはあると思っている派ですが、では飲み会が無いとチームが成り立たないかというとそうではないと思っています。飲み会でしか出来ないコミュニケーションがあるのと同様に、タバコ部屋でしか出来ないコミュニケーションもあると思うし、ランチ会でしか出来ないコミュニケーションもあるでしょう。全て完璧にコミュニケーション取れてないと仕事が出来ないってわけでもないので、一つや二つ欠けていたところで、他の方法で補えているのならそれでいいと思います。要点としては、コミュニケーション取った方がいいよねってことと、そのためには飲み会は有効な方法だよって話です。

(2024/1/31追記)

飲み会について肯定的に書いてきましたが、ちょっとカウンターの意見も思いついたので書いてみましょう。

飲み会で仲良くなるのって、要するに秘密の共有関係になるからって面はあるんじゃないでしょうかねと。強面のマネージャーが実は大病を患っていたってのは世間には伏せられた情報であって、それをチームにだけ開示したからチームメンバーは自分たちは秘密を明かされた特別なメンバーだってことで親近感を持つわけですよね。飲み会だって、飲み会でしか出来ない話、すなわち秘密を聞かせてもらったから親しみを感じるわけですね。

そこまではいいんですが、秘密が共犯関係になるケースもありますよね。どこだったかで読んだ記事で、若い頃の友達は一緒に無茶をやったから今でも親しく出来るとあって、その無茶ってのがほとんど犯罪だったりするんですね。言わんとするところはわからんでもないですが、犯罪はよくないよなぁと。犯罪でなくても、例えば飲み会の二次会で性風俗に行く人たちっているらしいんですね。私はそういう目にはあったことないんですが。性風俗は違法ではないけれど、妻帯者でしたらモラルには反していますよね。そのモラルに反することを一緒にすることで、仲間意識を高めるってケースもあると。より言えば、あの店で万引きして来れば不良グループに入れてやるぜとかもそうですかね。まあ、この場合は元からグループにいるボスは決して自分の手は汚さないので共犯関係ではなく、単に弱みを握ることで支配することが目的なんですけれども。

それぞれ特殊なケースかもしれませんが、飲み会で仲良くなると言っても場合によっては危険なラインを超えてしまう場合もあるから注意が必要かもしれませんねという感じです。そんなリスクを負うくらいなら最初から余計な人付き合いはしないってのも見識の一つかもしれません。