モンティ・ホール問題について考える

2023/11/7作成

モンティ・ホール問題について考えてみたいと思います。モンティ・ホール問題とはこんな感じの問題です。

なぜそのような直観に反する結論になるかというと、説明は以下のような感じです。

この結論は直観に反した真実があったということもですが、多数のインテリの人から反論を退けたこともあって大人気の論のようですね(この節、個人的な皮肉が入ってます)。

でまあようやくこの記事の本題に入るんですが、やっぱり個人的にはこの結論に納得がいかないんですよ。別に自分がインテリだとは思ってないですけどね。実際博士号も持ってないですし。

まず大前提として考えないといけないのは、確率論の話って問題をどのように見立てるかってのが非常に重要なんですね。計算自体はそんなに大変じゃないというか、正しい見立てができれば、あとの計算は単純作業なんでそんなに難しくないんですよ。正しく見立てること、つまりどの要素を母数に組み込むか組み込まないか、どの事象を計算に入れるか入れないかって判断が非常にややこしい。特に今回のように複数のステップで成り立っているような問題の場合は。

「コンピュータでシミュレーションしたところ、選択を変えたほうが確率があがることが証明されました」って書いてるブログがいくつもありましたが、実は確率計算においてコンピュータは証明に使えません。シミュレーションを何万回何億回繰り返したところで、それで言えるのはシミュレーションの結果がこうでしたってだけのことで、証明にはならないんですね。数学的証明というのはそんなやわなもんじゃないんですよ。そもそもコンピュータが出来るのは与えられたプログラムによって計算を行うだけ。問題の見立てが間違っていたらコンピュータに与える式も間違ってるわけで、間違った式でいくら計算しても間違った回答が出てくるだけのことでしかありません。なので見立てが正しいかどうかが気にしなければならないことであって、コンピュータでシミュレーションするのって何の意味もないことです。

例えば問題を非常に単純化して考えてみましょう。

ABCの三つの箱に当たりが一つ入っていて、箱を選ぶだけ。これは当選確率はどれを選んでも1/3ですね。ここは多分間違いがない。

ABCの三つの箱にあたりが一つ入っていて、まず司会者が外れの箱を一つ開ける。そのうえで箱を選ぶとすると、当選確率は1/2。これも多分間違いがない。

しかし、冒頭のように複数のステップを経ると当選確率が変わってしまう。これなんでだろうなぁと考えてみたところ、一つ気が付きました。それはユーザが最初に当たりのAを選択した場合に、司会者が開ける箱をBCどっちにするかを場合分けしていないこと。どっちも外れだから確率1(=確率計算からは除外してよい)としていますが、これ除外してるから結論が変わってしまってるんじゃないですかね。つまり、実は以下の4つの場合があるんじゃないかと考えます。ユーザが最初に選択するのはいずれもAとします。

このように問題を見立てた場合、選択を変えた場合も変えなかった場合も、当たりをひく確率は2/4となり、どちらでも同じ確率ということになります。

私のこの主張が正しいかどうかは分かりません。あくまでも私がこう考えるというだけのことです。そもそも確率論についても真面目に勉強したことないですしね。ただ、ググっていくつかの記事を読んだ限りでは、この司会者の選択について言及したものが見つからなかったので、とりあえず書いてみたまでのことです。実際私程度の者が少し考えただけで思いついたことなので、すでに誰かが検討して答えを出していると思うんですがねぇ。