ウェブマーケティング業界の激震

2013/2/11作成

Google、Chrome 25から検索ワードを暗号化?マーケティングに影響も

随分前の記事なので今更ですが、自分の観測範囲ではあまり話題になっていないようなのでちょっと触れておきます。

と言いましても、ウェブサイト管理人でない人には問題の大きさというか、そもそも何が問題であるか分からないと思いますので、簡単にその背景から説明します。

ウェブサイトでは、訪問者があるたびにアクセスログというログファイルが記録されます。ログに記録される情報はさまざまで、アクセスのあった日時からアクセス元のIPアドレス、ブラウザやOSなどがあります。これらの情報を集計して解析することをアクセス解析といい、ウェブサイト運営における基本の一つとなっています。アクセス解析を行って訪問者の属性をチェックして狙い通りのユーザが訪問しているか、狙い通りのページが閲覧されているかなどを調べるわけです。もちろん、アクセス数自体も解析の対象です。解析して効果を分析し、更にコンテンツの改修を行っていくというのがウェブサイト運営の基本的なスタイルです。

そして、そうしたアクセス解析の重要な情報の一つに、検索エンジンからのアクセス時の検索語というのがあります。自分のウェブサイトがどのようなキーワードで検索されてから閲覧されたかということです。検索語というのは、その閲覧者がどのようなことに興味を持っているかということを端的にあらわした情報ですから、検索語情報はアクセス解析においては非常に重要な情報となるわけです。閲覧者が興味を持っていることを知れば、どのようなコンテンツを提供すればいいかのヒントになりますし、そうしたコンテンツを追加して更に閲覧者を増やしていくということは、アクセス向上の常套手段でもあります。

ということで前置きの説明が長くなりましたが、ウェブサイト管理において検索語という情報がどれだけ重要であるかというのは少しはお分かりになったかと思います。ただ、この検索語という情報はウェブサイト管理人にとっては重要なマーケティングデータではあるのですが、一方で閲覧者にとってはプライバシー情報でもあるわけです。なんせ、検索語データとアクセス元IPアドレス、アクセス日時は全てウェブサイト管理人に筒抜けですので、誰がどんなことに興味を持っているかが丸分かりになるわけです。IPアドレスだけでは個人を特定することは通常は困難ですが、複数のアクセス情報を関連付けることは出来ますから、この検索語を使った人が別のタイミングではこんな検索語も使っているというようなことも、ウェブサイト管理人は知ることができるわけです。分かりやすい例で言えば、amazonの買い物履歴であったりTSUTAYAのレンタル履歴のような情報を、ウェブサイト管理人は得ることが出来るのです。amazonやTSUTAYAがそういった情報を収集していることを認識している人は多いでしょうが、個人ブロガーもそういった情報収集が出来ているということを認識している人はそれほど多くはないのではないでしょうか。

ということで、プライバシー情報である検索語情報はブラウザと検索エンジンでカットして、ウェブサイトには渡さないようにしようというのが今回のニュースなわけです。プライバシー保護という観点からは歓迎すべきことですが、一方でウェブマーケティング業界においては今まで自由に使えていたマーケティングデータが突然入手出来なくなるわけですから大変困ったことになることが予想されます。まあ、だからといって従来どおり検索語データもウェブサイトに渡せという話にはならないだろうと思いますが。ですので、ウェブマーケティング業界の人は、これからは減った情報でなんとかやりくりすることを考えるしかないでしょうねというお話です。


あおやぎのさいと2.0 トドの日記2.0