X68000エミュレータ環境の構築手順

2021/5/6作成

「X68000用画面回転システム ROT-C(削除済)」のページを作成した時、動作確認のためにX68000のエミュレータ環境を構築しました。久しぶりに環境構築したこともあって、以前とは様々事情も変わっていましたので、現時点の手順を自分の備忘録としてまとめておきます。これが推奨というわけでもなんでもないので、これ以外のツールがダメというわけではありません。

ダウンロード

X680x0エミュレータ XM6より以下をダウンロードします。

無償公開されたシャープのソフトウェアより以下をダウンロードします。IPL-ROM は私は X68000 EXPERT 用を使っています。他の IPL-ROM だと以下の手順が変わってくる可能性があります

X68000エミュレータXM6 version 2.05改より以下をダウンロードします。

X68000エミュレータ環境用ディレクトリの準備

X68000エミュレータ環境用のディレクトリを作成します。ディレクトリ自体はどこでも構いませんし、名前も何でも構いませんが、ここでは x68emu/ という名称にしておきます。x68emu/ に以下のファイルをコピーします。サブディレクトリは作成せず、全て x68emu/ 直下に置きます。

次に、 CG-ROM と SCSI-ROM を合成する為に、 XM6ユーティリティを実行します。

XM6ユーティリティ
XM6ユーティリティ

「CG-ROM(CGROM.TMP)を合成する」と「SCSI-外付けROM(SCSIEXROM.DAT)を合成する」を実行します。

これで実行準備は完了です。

X68000エミュレータの実行

あとは xm6g.exe を実行すれば X68000 エミュレータが実行されます。

XM6起動時のアラート
XM6起動時のアラート

起動時に警告が出ますが、実機を持っていなければ仕方がありませんので「今後、このメッセージを表示しない(I)」にチェックを入れて、「継続(C)」をクリックします。

XM6g の「メディア(M)」-「フロッピーディスク0」-「開く(O)...」から HUMAN302.XDF を開くと、Human68k が起動します。やったね。おめでとう。

Human68k起動画面
Human68k起動画面

X68000 エミュレータ環境としてはこれで一通り完成です。フロッピー環境で十分であったり、遊びたいゲームのディスクイメージがあるというような場合にはこれで完了で構いませんが、メモリだけは 12MB に増やしておいた方が何かと便利だと思います。「ツール(T)」-「オプション(O)...」のシステムタブでメインRAMのサイズを変更します。

メモリサイズ変更
メモリサイズ変更

HDD環境の構築

大量のファイルを扱う場合などには HDD があった方が便利です。ということで HDD 環境を構築します。

XM6g の「ツール(T)」-「イメージ作成(I)」-「SCSIハードディスクイメージの作成(C)...」を選びます。

SCSIハードディスクイメージの作成
SCSIハードディスクイメージの作成

次に、XM6g の「ツール(T)」-「オプション(O)...」を選び、SCSI タブで「外付けボード」を選択、ドライブ数を1、ID0をクリックして先ほど作成したハードディスクイメージを選択します。

SCSIハードディスクイメージの選択
SCSIハードディスクイメージの選択

「ファイル(F)」-「リセット(R)」を選択して再起動します。この時点ではまだフロッピーから Human68k が起動します。コマンドプロンプトから format コマンドを実行し、SCSI HDDをフォーマットします。

SCSIハードディスクのフォーマット
SCSIハードディスクのフォーマット

しばらく待つと SCSI HDD が検出されます。

SCSIハードディスクのフォーマット2
SCSIハードディスクのフォーマット2

検出された SCSI HDD を選択し、「装置初期化」を行います。装置初期化が完了したら、次に「領域確保」を行います。容量は装置全体と同容量を、システム転送はするを選択して、領域確保を実行します。完了したら再起動します。この時点でもまだフロッピーからシステムを起動します。

Human68kが起動したら、「メディア(M)」-「フロッピーディスク1」-「開く(O)...」から SXWIN315.XDF を開きます。そしてコマンドプロンプトから install コマンドを実行します。これにより HDD にシステムファイル一式がインストールされます。

HDDへのシステムインストール
HDDへのシステムインストール

起動デバイスが SCSI0 に変更されています。常に HDD から起動する場合はそのままで構いませんが、フロッピー起動も併用する場合は STD に戻しておいた方が便利です。コマンドプロンプトから switch コマンドを実行し、BOOT の項目を STD に変更します。

ブートデバイスの変更
ブートデバイスの変更

「ファイル(F)」-「リセット(R)」を選択して再起動すれば、HDD から Human68k が起動します。

Windows 環境とのファイル交換

X68000 エミュレータ環境は出来上がりましたが、このままでは外部とのファイルのやり取りができません。そこで Windows 環境とのファイル交換が出来るようにします。

「メディア(M)」-「フロッピーディスク0」-「開く(O)...」から WindrvXM.XDF を開きます。copy WindrvXM.SYS A: としてフロッピーイメージに入っている WindrvXM.SYS というファイルを HDD にコピーします。そして、ed config.sys として最後の行に DEVICE = \WindrvXM.SYS を追加します。

「ツール(T)」-「オプション(O)...」の Windrv タブでファイル交換に使用する Windows 側のフォルダを指定します。「WindrvXMとWINDRVを使用する」にチェックを入れ、ドライブ数を1にし、共有フォルダを選択します。

Windrvの設定
Windrvの設定

「ファイル(F)」-「リセット(R)」を選択して再起動すると、D ドライブとして Windows 側のフォルダにアクセスできるようになりました。

Windows とのファイル交換
Windows とのファイル交換